県病を中心としたドクターヘリの運航で、とりあえず合意した県医療審議会医療計画部会

  県が導入を目指すドクターヘリについて、県医療審議会医療計画部会は30日、県立中央病院を中心に運航する方針を了承した。ドクターヘリの基地病院をめぐっては、これまで県立中央病院と、即時対応が可能な八戸市民病院で意見が対立してきたが、県は事務局案の文面に基地病院や配備先の文言を出さず、関係者間でおおむね合意されていた「県病を中心とした運航」で合意を得た。整備面の問題から、県病での2008年度中の対応は不可能とされているが、部会で八戸市民病院への暫定配備について議論がなかった。県は具体的な運航基準について、別の委員会で協議する意向を示し、詳細の決定は08年度へ持ち越した。

 同計画部会は今年度末に策定する県保健医療計画について協議しており、同日が2回目の会議。昨年末に行われた初回会議はヘリ配備病院をめぐって議論が白熱した。
 同日、県が提示した事務局案は、県病中心の運航を主張しつつ、具体的な配備先は明示しないもの。会議では「まず運営計画や運航ルールづくりが先」と強調しながらも、「県病のマンパワーやハード面の整備を視野に入れ、早期運航するとすれば八戸市民病院なんだろう」と発言。基地病院は県病とし「県病への移行時期を明確にした上で」八戸市民病院への暫定配備もあり得ると示唆した。
 詳細は医療関係者らによる運航調整委員会を設置し策定するとした案には特に反対もなく、初回会議で県病を推した弘前大学の奥村謙教授も「ドクターヘリのような高度な医療機能の運用は、県民が等しく恩恵に被ることを前提にしてほしい」と述べるに留まった。また、暫定配備を希望していた三浦一章八戸市民病院長も特に発言しなかったが、会議終了後、報道陣には「事務局案に救命率向上を早期に図るとあるので、それならうちで暫定運航ということだと理解した。だから強く言わなかった」と語った。
 本県でのドクターヘリの運航は、八戸市民病院へ暫定配備し、最短を考えた場合で09年1月。それには今夏までに運航基準や配備先など詳細を決める必要があり、早急な議論が求められる。
 また、同日の計画部会では県保健医療計画素案をほぼ了承。今後、関係機関からの意見聴取、パブリックコメントなどを経て最終案を策定する。再び計画部会での審議、医療審議会の諮問・答申を経て、今年度末に策定される。