■分煙壁新聞■〜12〜 1998.11.20.分煙堂本舗発行 〒115 東京都北区神谷3−28−12−2B TEL・Fax/03−3901−7131 ●たばこ病訴訟・第3回口頭弁論が11月10日、東京地裁で開かれた。まず原告弁護 団の新鋭・飯塚弁護士がタバコの害について『タバコ白書』等を引用しながら総括 的に述べた。 飯塚「タバコは砒素入りカレー以上に毒性が強いが、ほとんどの人はその害につい て正確な知識を持っていない。タバコの煙には砒素・シアン化水素(青酸ガス)・ ダイオキシンや最強の発癌物質であるベンゾピレン等が入っている。副流煙は主流 煙より有害物質が多く含まれ、ニコチン・タールは3倍、ベンゾピレンは4倍、C Oは5倍。アルカリ性で粘膜を刺激する。青酸カリの致死量は150~300mg、亜砒酸は 100~300mgなのに対し、ニコチンは40mgだ。WHOの国際疾患分類にはタバコ依存症 という分類がある。喫煙で末梢血管が収縮し、血流量が減少する。妊婦の喫煙と低 体重児の関係については多くの報告があり、本数が多いほど身体発育全体に悪影響 を及ぼす。繊毛細胞に傷害を与え、その異物阻止機能を阻害する」 園尾裁判長「25分くらいたったが、あとどれくらいかかりますか?」 飯塚「あ、長いですか?あと、10分ほど。タバコ煙には発癌物質や発癌促進物質 またはその両方が含まれる。喫煙と発癌の関係については多くの疫学研究があり、 1965年以降、日本でも大規模な研究がなされ、肺癌・喉頭癌の危険が増大すること が明らかになっている」 裁判長「まとめて」 飯塚「疫学や動物の研究でタバコの発癌性はG1(最高レベル)とランクされてい る。93年に肺癌が胃癌を抜いて死因1位になった。タバコの猛毒は医学的・科学的 に明白。厚生省は『タバコ白書』でタバコの有害性を認めている。被告はタバコの 有害性を認めるのか認めないのか。認めないならその証拠を出すべきだ」 山口弁護士(原告弁護団事務局長)「(声を荒らげて)こういう議論をしているこ と自体が私は情けない。被告の方こそタバコに害がないと立証すべきだ。今日も若 者や妊婦がタバコを吸っている。原告たちは今現在もタバコで苦しんでいる。被告 は百年もタバコを研究している。その成果は国民のものだ。被告は研究資料を提出 すべきだ。先日、JTの『桃の天然水』へのカビ混入が大きく報道された。JTは まず隠蔽し、次に回収を遅らせた。そういう体質だ。反論できるか。こういうこと を百年やっている。『21世紀のたばこ対策検討会』で厚生省は毎回資料を配布した が、その全資料を出せ!」 裁判長「裁判所の意見を述べたい。5月20日に訴状が被告に送達され5ヶ月程度た った。膨大な資料があるので、双方とも厳選して出してほしい。被告は主張を出し た上で、最もふさわしい資料を整理して出す。次回、被告が具体的に出すというこ とで」 被告JT代理人「原告の主張の今後の予定は?」 裁判長「これだけ大きな問題なので、それは難しいのでは」 伊佐山弁護士(原告弁護団長)「被告はあんな分かりきった求釈明(『壁新聞』10 号参照)で時間稼ぎをしている。こちらは国の資料を基に主張している。(タバコ が有害かそうでないのか)認否を示せ」 裁判長「被告は基本的主張を徐々に明らかにして、出来た所を次回出すように」 JT代理人「『毒性』〜括弧付きで使います〜だけでも大変な議論だ。出来る範囲 でやることになる」 裁判長「出来る所迄やるということで、双方の意見を聞きながら」 伊佐山「今日もこちらは根拠のある証拠を厳選して出している。被告が持っている 筈の資料が、そんなに長くかからなければ準備できないというのはおかしい」 裁判長「原告の意見としては分かったが、裁判所としては被告に作業を進めてもら うということで」 三枝弁護士(原告弁護副団長)「被告は『原告の主張が揃ってから』ということだ が、論点は既に分かっている。被告は『原告はどうせ(専門的なことは)分からな いだろう』と…」 裁判長「それ以上言うのは問題がある。原告の意見は分かったが、重ねて言うのは 適当でないと思うので、途中で止めるのは申し訳ないが止めた」  次々回の日程を決めて閉廷。 『厚生省21世紀のたばこ対策検討会』の報告(討議内容のまとめ)が出ました。 希望者は「21検報告希望」と書いて、90円切手1枚を分煙社会をめざす会迄。 ●セゾン生命も喫煙者割引保険「ウエルバランス」シリーズを11月2日に発売。2 年間非喫煙等の優良体に該当すれば最大29.9%割引で、併せて日本予防医学協会の 診断システムを基にした日常生活の健康アドバイスサービスを実施し、健康増進を 支援する点が注目されます。 ●日航・全日空に釘をどんどん刺して下さい。来春から全日空・日航の国際線が全 席禁煙を予定していますが、名古屋の伊藤亮典さんによれば、「10月30日に両社に TELしたところ、相手側から相当巻き返しが来ているようで、日航の担当者は、 『不退転の決意で、恐らく予定通り実施します』とイマイチ自信のなさそうな口ぶ り。社内的にも揺れ動いているようで、『あなたのように禁煙側から意見を言って 来てくれる人は珍しい。こういう意見がもっと来れば、私達も社内でもっとプッシ ュしやすくなる』と言っていました」とのことです。皆さんからも応援電話をかけ て下さい(フリーダイヤルなので無料です)。  ※日本航空(ご意見ダイヤル)0120−258−600  ※全日空(国際線担当)0120−029−333 ●『空気の美味しいレストラン』中部版発行。名古屋を中心に、約200件の禁煙 ・分煙飲食店や宿泊施設を掲載。1部100円。希望者は90円切手2枚(送料込 )を下記へ。情報提供もヨロシク! ※〒467名古屋市瑞穂区姫宮町2-38-2伊藤様方「タバコと健康を考える愛知の会」 ●千葉の会が誕生しました。かねて分煙の会より「船橋・分煙社会をめざす会(仮 称)」結成を呼びかけておりましたが、11月11日に船橋市内に関係有志9名が集ま って協議した結果、より幅広い勢力を結集するために「タバコ問題を考える会・千 葉」として発足することになりました。1月9日に船橋で設立記念シンポジウムを 予定しています。皆さんのご参加・ご協力をお願いします。  ※連絡先〒273船橋市西船4-12-1中久木一乗(ナカクキ・カズノリ)様方    TEL.0474-34-0064 《日程》 ▼11月29日(日)18:00=TBSテレビ報道特集「たばこ病訴訟」放映予定 ▼12月1日(火)タバコ値上げ〜報道のされ方・キャスター発言等をチェック! ▼12月8日(火)19:00=千葉の会例会【船橋ヨーカドー西館5F「ファミール」禁煙席】 ▼12月15日(火)10:00=たばこ病訴訟口頭弁論4【東京地裁627】傍聴は抽選かも ▼12月18日(金)18:30=タバコ問題首都圏協議会・望年会【神楽坂エミール】    新宿区赤城元町1-3/東西線・神楽坂駅2分/TEL.03-3260-3251    会費\5000・\4000・\2000(学生)/申込TEL.03-3222-6781首都圏協迄 ▼12月21日(月)16:00=はみだし自販機訴訟口頭弁論【東京高裁16F円卓】 ▼12月25日(金)18:30=分煙の会定例会【飯田橋/富士見区民会館】 ▼1月9日(土)午後 =「千葉の会」設立記念シンポ【船橋市内】お話・渡辺文学 ▼2月16日(火)10:00=たばこ病訴訟口頭弁論 【東京地裁627】傍聴は抽選かも 《告知》都合により、11月25日から10日間ほど業務を停止します。この間の問合せ 等はTOPIC(たばこ問題情報センター)迄どうぞ。 〜分煙社会をめざす会・分煙堂本舗〜