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【ゆうゆうLife】低学年 放課後の居場所(1)マンモス学童、すし詰めでイライラ (2/3ページ)
学童保育は平成19年現在、全国に約1万7000カ所。1カ所あたりの適正規模は、指導員の目が行き届く40人程度といわれる。
しかし、全国学童保育連絡協議会の平成19年の調査では、40人以上の施設が全体の半数。71人以上の超大規模施設も1割あった。17年のアンケート調査では、大規模施設で「ささいなことでケンカになる」「とげとげしくなる」など、子供たちの情緒が不安定になっている状況が浮き彫りになった。
背景には、利用希望者の急増に、学童保育施設の整備が追いついていない事情がある。
厚生労働省の国民生活基礎調査(平成18年)によると、末子に6歳〜8歳の子供がいる母親の6割が働いている。
ところが、全国学童保育連絡協議会などの調べでは、保育園の卒園児43万人に対して、学童保育に入った新1年生は26万人。卒園児の6割しか学童保育に入れないのが現状だ。同会の真田祐・事務局次長は「定員が決まっている施設では待機児童が増え、定員が決まっていない施設でどんどん受け入れが進み、大規模施設が増えてしまった」と残念がる。
学童保育はかつて、「小1の壁」にぶつかった母親らが費用を出し合い、古いアパートや民家などを借り切り、自主運営したのがスタート。その後、自治体が補助金を出すなど、官民で設置の動きが広がってきた。
厚生労働省が児童福祉法を改正し、学童保育を法的に位置づけたのは、やっと平成9年。設置は自治体の「努力義務」で、国は設置基準や運営基準を定めてこなかった。自治体任せが、大規模化に拍車をかけたともいえる。