MSN Japanのニュースサイトへようこそ。ここはニュース記事全文ページです。

【ゆうゆうLife】低学年 放課後の居場所(1)マンモス学童、すし詰めでイライラ (2/3ページ)

2008.1.28 08:17
お昼はカレー。配ぜんに30分以上かかり、食事開始まで延々と待つ子供も=昨年12月、さいたま市の「三橋小学童保育の会あすなろクラブ」お昼はカレー。配ぜんに30分以上かかり、食事開始まで延々と待つ子供も=昨年12月、さいたま市の「三橋小学童保育の会あすなろクラブ」

 学童保育は平成19年現在、全国に約1万7000カ所。1カ所あたりの適正規模は、指導員の目が行き届く40人程度といわれる。

 しかし、全国学童保育連絡協議会の平成19年の調査では、40人以上の施設が全体の半数。71人以上の超大規模施設も1割あった。17年のアンケート調査では、大規模施設で「ささいなことでケンカになる」「とげとげしくなる」など、子供たちの情緒が不安定になっている状況が浮き彫りになった。

 背景には、利用希望者の急増に、学童保育施設の整備が追いついていない事情がある。

 厚生労働省の国民生活基礎調査(平成18年)によると、末子に6歳〜8歳の子供がいる母親の6割が働いている。

 ところが、全国学童保育連絡協議会などの調べでは、保育園の卒園児43万人に対して、学童保育に入った新1年生は26万人。卒園児の6割しか学童保育に入れないのが現状だ。同会の真田祐・事務局次長は「定員が決まっている施設では待機児童が増え、定員が決まっていない施設でどんどん受け入れが進み、大規模施設が増えてしまった」と残念がる。

 学童保育はかつて、「小1の壁」にぶつかった母親らが費用を出し合い、古いアパートや民家などを借り切り、自主運営したのがスタート。その後、自治体が補助金を出すなど、官民で設置の動きが広がってきた。

 厚生労働省が児童福祉法を改正し、学童保育を法的に位置づけたのは、やっと平成9年。設置は自治体の「努力義務」で、国は設置基準や運営基準を定めてこなかった。自治体任せが、大規模化に拍車をかけたともいえる。

このニュースの写真

お昼はカレー。配ぜんに30分以上かかり、食事開始まで延々と待つ子供も=昨年12月、さいたま市の「三橋小学童保育の会あすなろクラブ」
広告
イザ!SANSPO.COMZAKZAKFuji Sankei BusinessiSANKEI EXPRESS
Copyright 2008 The Sankei Shimbun & Sankei Digital
このページ上に表示されるニュースの見出しおよび記事内容、あるいはリンク先の記事内容は MSN およびマイクロソフトの見解を反映するものではありません。
掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載を禁じます。