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【ゆうゆうLife】低学年 放課後の居場所(1)マンモス学童、すし詰めでイライラ (3/3ページ)

2008.1.28 08:17
お昼はカレー。配ぜんに30分以上かかり、食事開始まで延々と待つ子供も=昨年12月、さいたま市の「三橋小学童保育の会あすなろクラブ」お昼はカレー。配ぜんに30分以上かかり、食事開始まで延々と待つ子供も=昨年12月、さいたま市の「三橋小学童保育の会あすなろクラブ」

 しかし、少子化対策で学童保育の質向上が求められ、厚生労働省は昨年、方針を転換、初のガイドラインを策定した。71人以上の大規模施設は、3年間の経過措置の後、補助金が打ち切られる。規模を適正化する方針が決まった後、全国で大規模施設を分割する動きが出始めている。 

 トラブル続きだった「あすなろクラブ」も今年1月、2つに分割され、再スタートした。元の場所で受け入れる子供は57人。残りの38人は、近くの民家に新設した第二学童保育に移った。山本佳彦指導員は、分割後の様子について「あんなにあったケンカがが全くなくなり、泣く子も皆無。毎日、誰かしらを注意するため聞こえていた指導員の怒鳴り声も、ないに等しい。ようやく普通の状態になった」と笑顔をみせる。

 劣悪な環境を改善するには、大規模学童の分割は不可欠。しかし、資金不足で分割できない学童も多いという。

 山本指導員によると、「あすなろ会」が分割できたのは、さいたま市が第二学童となる民家を借りる資金の一部、備品整備費などを補助したからだという。だが、分割誘導策を打つ自治体は少ない。

 児童福祉が専門の淑徳大学の柏女霊峰教授は「学童保育はぎりぎりのお金で運営しているところが多く、自助努力には限界がある。国は分割を希望する自治体や学童保育に補助金を多くつけるなどで、学童保育の質の向上を誘導すべきだ」と提案している。

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お昼はカレー。配ぜんに30分以上かかり、食事開始まで延々と待つ子供も=昨年12月、さいたま市の「三橋小学童保育の会あすなろクラブ」
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