愛知県三好町福谷(うきがい)のリサイクル工場で昨年7月、廃材から見つかった金の延べ板4枚(計2.5キロ、時価約670万円相当)の持ち主が現れず、保管期限が切れた。所有権は、廃材リサイクル業「前田道路」(東京都)に移転することになり、同社中部支店は「日ごろの感謝の意を表したい」として、工場のある町に現金1000万円を寄付する。
延べ板は、コンクリート廃材の中から見つかった。遺失物法の定めで、同社が所有権を取得する。精錬や成分分析をし、換金する予定。不足分を加え、1000万円を2月1日に町に寄付する。同社は「次代を担う子どもたちへの支援事業に使ってほしい」と説明した。町子育て支援課は「財政が逼迫(ひっぱく)している中で、本当にありがたい。保育園の新設、建て替え工事の一部に使いたい」と話している。
届け出を受けた県警豊田署には約10件の問い合わせがあり、刻印などに照らし合わせ、所有者は見つからなかった。工場は、同町で70年から操業している。【山田尚弘】
毎日新聞 2008年1月29日 14時13分 (最終更新時間 1月29日 14時25分)