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中国製餃子で被害の主婦、食後20分にめまい (読売新聞)

 「命の危険を感じた。何を信じていいのかわからない」。有機リン系の農薬が検出された中国製冷凍ギョーザを食べた千葉県の主婦の夫は、こう言って表情をこわばらせた。

 このギョーザは一家の食卓にたびたび上っていたといい、主婦は「なぜ、もっと早く対策をとってくれなかったのか」と行政への不信感も口にした。野菜や魚、加工食品まで、日本の食卓にあふれる中国産。それが命にかかわるほど汚染されていたという事態に、消費者には不安が広がる。スーパーの店頭からは商品を撤去する動きが始まった。

 千葉市稲毛区の主婦(36)が同市内の「ちばコープ コープ花見川店」で買った「手作り 餃子 ( ギョーザ ) 」を食べたのは、昨年12月28日午後6時ごろ。口にした直後、「薬品のような味」を感じたといい、「明らかにいつもと違った」と言う。一つはそのままのみ込んでしまい、ほぼ同時に二女(3)も食べたが、「辛い」と言ったため、すぐに吐き出させた。

 症状は直後に表れた。約20分後、立ちくらみとめまいに襲われ、吐き気と下痢も始まった。帰宅した夫(37)が救急車を呼んだが、病院に着くころに主婦は顔も真っ青になり、体は冷え切って体温は34度まで下がった。2日ほどはまったく動けず、食事も受け付けない状態が続き、夫は「命の危険を感じた」と振り返る。

 主婦はその後、体調は徐々に回復し、今では以前と変わらない生活を送れるようになったが、原因がわかるまでは、「自分の症状が何だったのか」と不安ばかりが募ったという。原因がわかった今は、むしろ「有機リン系の薬物と聞き、後遺症などが心配」と再検査も考えているという。

 夫は「コープの食品は安全と信じていたのに、何を信じていいのかわからない」と憤り、主婦は「私の症状が出た時点で、行政などが適切な対応をしていれば、その後の被害者も出なかったはず」と不信感をあらわにした。 千葉県市川市の家族5人が「手作り餃子」を購入した「ちばコープ コープ市川店」では、30日夜になってようやく「お ( ) びとお知らせ」が店頭に張り出され、訪れた客らが恨めしそうに見入っていた。

 同市の主婦(32)は「コープは、食品の安全管理をきちんとやっていると思っていた。3歳の子どももいるので信用して買っていたが、まさかこんなことが起きるなんて」と話し、同市の20歳代の女性も「コープでは前にギョーザを買ったことがある」と表情を曇らせた。

 また、東京都文京区の「コープとうきょう白山店」で買い物をしていた同区の主婦(62)も「これまでたくさんの食品で問題が発覚してきたけど、命にかかわるような品が売られていたなんてショックです」と話していた。


[  2008年1月31日3時6分  ]

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