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The ピーズ
俺はバンドはやってなきゃいけないと思ったんだよ。
バンドなら諦めがつくと思うし、こっちはもう100%だから。

 待ってました! 昨年5年ぶりの復活を果たした“生きた伝説”The ピーズが実に約6年ぶりとなるアルバムをリリース! バンドから遠く離れた生活の中でもがいていた“はる”が勝ち獲ったものとは? 見せてもらいます、ロック魂。
─約5年振りに活動を再開したピーズですが、活動再開していかがですか?
はる(Vo&B): もう新人バンドみたいなもんだからさ。 ライブで新曲やってみて「何とかなるなぁ」って。 今は復活ブームだけで盛り上がっているけど、大事なのはこれから先だよね。 今度は何か面白いことやらなきゃな。
─復活する時に、これからのピーズのヴィジョンみたいなものは具体的にあったんですか?
はる: 自分に関わってる人とか関わってきた人たちが、みんな元気ならいいと思う。 自分もなるべく元気でいなきゃなぁって思う。 それでみんなの都合がいい時にライブやって、曲がたまったらレコードを作る。 それで十分だなーと思う。 食えなくなったらまたバイト探すよ(笑)。
─はるさんは活動休止中に調理師をされていたそうですが、その経験は音楽に活かされていると思いますか?
はる: 調理師っていっても、ただ出掛けて、仕事して、疲れて帰って、酒飲んで酔っぱらう毎日の繰り返し。 まあ、そういう毎日の繰り返しの中で、知らない間に酔っぱらってくたびれていく感じは、今回のアルバムの中にチラチラと出ているとは思われる。 今までさ、あんまりきっちり働くことってなかったからさ、「なるほどなー」って30過ぎてやっと思いました。
─何に「なるほどなー」と?
はる: みんな結婚したり子供育てたりして一人前な気がするんだよ。 人間は動物だからね、巣を作ってねぇと何か半人前な感じがするよね。 俺は半人前だなって思うから、かっこわりぃなって思うよ。 やっぱ、巣…作りてぇなー。
─でも、ピーズの魅力ってその半人前な感じだと思うんですけど。
はる: 今のところはそうなっちゃってるけど…それじゃあ、いかんよ。 次は一人前感を出してやる!
─それにはまず結婚なんじゃないですかね?
はる: 結婚だね…結婚かぁー。 37だからなー。 でも俺、一人のときしか曲なんか作んねーだ。 二人んときは他にやることあっからさ(笑)。
─(笑)。 2月にアルバム『Theピーズ』がリリースされましたが、今回のアルバムのテーマは?
はる: いつもライブやっていくうちにたまった曲をまとめるのがアルバムだから、アルバムのトータルコンセプトなんていうのは考える余裕はない。 その時のライブまでに作った曲をまとめれば、結果的にひとつの世界になってるとは思うけど。
─今回のアルバムに収録されているのは復活前後の曲が多いんですか?
はる: うん。 部屋ではギターとかいつも弾いてるけど、1年くらい前からかな? まあ、曲のゴミの山はあるから、その中からほじくり出してきてバンドでやれるように形にしてあげる感じで。 でも、幸せでも不幸せでも、俺はあんまり詞は書かないんだよね。 ライブが近づいて、「何か詞をつけなきゃなー」って時に慌てて考える。 昔は日記とか書いてたからさ、そこから詞に使ってたりした時期もあったけど。
─今は日記は書いてないんですか?
はる: 3年前くらいから書かなくなったなー。 失敗したり悔しかったりするときに日記書いてたなー。 そういうことが特に何とも思わなくなっちったんじゃねぇかな。 どうせ書いても毎日毎日同じような感じだから。 そうなるともう日記を書くネタもなくなったよ。 ここ2、3年は。
─アルバムタイトルを『Theピーズ』にしたのは?
はる: しょうがなかったんだよね。 最初は1曲目の『生きのばし』をタイトルにしようと思ったんだけど、「それじゃ売れないから他のにしてくれ」って言われて。
─『生きのばし』ってピーズらしいですけどね。
はる: ピーズらしいんじゃ結局売れないってことなんだろうな(笑)。
─(笑)。 アルバムを聴いていると、はるさん独特の言い回しで本能的なもの…生きることや死ぬこと、性欲とかが伝わってきますね。
はる: ネタはそれしかねぇからな。俺、東スポしか読んでねーし。 いい加減この年になると何かに影響されるっていうこともないしな。 景気悪いなーと思っても、そんなこと歌にしても仕方ねーし。
─本当に身のまわりのことだけを歌っている感じですよね。
はる: 部屋でもんもんとして、外で日向ぼっこして、また部屋で酔っぱらってっていうのが全てだからのぅ。 取り合えず「生きてりゃOK! 」みたいになっちったから。 他には興味ないからな…。
─その中にも、何か決意みたいなものが感じられたんですが?
はる: 「生きのびていくしかねえんだな」っていう諦めというか開き直りというか…ただ単純に「どいつもこいつも年をとっていくだけなんだなー」っていうのがわかってきたんだよ。 当たり前のことだけど。 若いうちは色んな可能性があって、ワクワクしたり、不安になったりしたけど、今は自分は自分でこのままだなって覚悟したって感じかのぅ。 変わりようがないからね、自分は。 後はどうやってまわりとかに落とし前をつけていくかってことなんじゃないかな。
─はるさんにとって音楽活動が落とし前ってこと?
はる: 俺はバンドはやってなきゃいけないと思ったんだよ。 バンドやってないときに調理師やってたけど、もう手遅れだなって思った。 10年20年遅れたねって感じだよ。 じゃあ、10年20年遅れてないものっていったらバンドだから。 ずっとやってたことだから。 俺はバンドをやってかなきゃなーって思うよ、せいせいするまで。 他のこととか何が出来るだろうとかいちいち試している時間はない。 試す時間はあっても、せいせいする前に終わっちゃうんだ、人生。 だから、自分はバンドかなぁ。 バンドなら諦めがつくと思うし、こっちはもう100%だから。 わかりやすいしね、調子いいか悪いかが。 雇われてるうちはさ、調子いいのか悪いのかもわからないからさ。 バンドだったら、お客さん来なくなったら即それまでだから。
〈Interview:藤田真由美〉
『The ピーズ』ジャケ写
ALBUM
The ピーズ
2003.2.5 KICS-991
The ピーズ
PROFILE
大木温之“はる”(Vo&B)、安孫子義一“アビさん”(G)、佐藤シンイチロウ(Dr)。 87年、下北沢屋根裏での初ライブ後、都内ライブハウスを中心に活動。 当時は他バンドと“バカロック”と呼ばれるジャンルを形成していた。89年10月、シングル『バカになったのに』でデビュー。 97年8月、東北ツアーを最後に活動停止。 2002年7月、5年振りのライブで活動再開。
http://www.vintage-rock.com/index.html

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