東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 速報ニュース一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

赤福、来週中にも営業再開 伊勢市内の直営店から

2008年1月30日 14時43分

 和菓子の老舗「赤福」(三重県伊勢市)が消費期限などを偽装していた問題で、三重県は30日午前、再発防止策が確認できたとして、食品衛生法違反で下した営業禁止処分を、昨年10月19日以来3カ月余ぶりに解除した。これを受け、同社は営業再開について、伊勢市内の直営店から段階的に販売範囲を広げていく方針を明らかにした。関係者によると、来週中にも再開したい意向という。

 県伊勢保健所で解除通知書を受け取った後、取材に応じた浜田典保社長(45)は「品質管理の落ち度が(偽装の)第一の原因だったので、管理がきっちりできる本店をはじめ伊勢の直営店でまず再開したい。お客さまにもう一度信頼していただけるようにまい進する」と述べた。

 同社によると、赤福餅(もち)の販売店は東海、近畿地方に327店舗。そのうち同社従業員が店頭に立つ直営店は、本店と百貨店などの計20店で、駅や高速道路サービスエリアなどの委託販売店が307店ある。再開は本店など伊勢神宮内宮周辺の3店から始め、名古屋市など伊勢市外の直営店、委託販売店と段階的に広げていく見通し。

 再開時期について浜田社長は「もう一度社内体制を確認して具体的な日程を決めていきたい」と述べるにとどめ、31日に開く外部有識者によるコンプライアンス諮問委員会で協議。赤福餅の試作や配送シミュレーション、取引先との調整といった準備を進める。

 県は一連の偽装行為を防ぐため、新しい印字装置の導入や冷解凍設備の撤去、社長直轄の品質保証部など社内組織の整備を確認。解除通知とともに、販売範囲を拡大するごとに事前報告するよう指示した。また、1月を除く毎月1日に販売する「朔日(ついたち)餅」は、販売再開の1カ月前に報告を求めるという。

■「消費者の信頼回復に努めて」三重県知事

 三重県の野呂昭彦知事は、赤福に対する営業禁止処分の解除後、県庁で会見に応じ、「食中毒の被害などはなかったが、消費者の信頼を非常に傷つけた。赤福は今回の反省と改善を契機に、消費者の信頼回復に努めてもらいたい」と注文を付けた。

 その上で「103日の営業禁止処分の間、早く赤福を食べたいという多くの声も聞いた」とも話し「再開後はそういった根強いファンに、素晴らしい、おいしい赤福を提供してもらいたい」と期待を込めた。

 (中日新聞)

 

この記事を印刷する