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毒ギョーザ 食品業界、被害拡大の恐れに揺れる

1月30日20時9分配信 産経新聞


 「食の安全」が、また脅かされた。中国産の冷凍ギョーザを食べた各地の10人が中毒症状を訴え、農薬成分が検出された事件。ギョーザを輸入したジェイティフーズ(東京都品川区)や親会社のJT(港区)、一部販売元の日本生活協同組合連合会(生協)は30日、緊急会見を開き、「化学物質のチェックはしていなかった」と頭を下げた。正規の流通過程を経てテーブルに乗った身近な食品にも“恐怖”がひそむ実態を印象づけ、消費者は不安の渦に。今後、被害拡大の恐れもあり、食品業界は大揺れ必至だ。
 「お手元に商品があったら、決して召し上がらず、送料着払いでお送りくださいますようお願い申しあげます」
 「お客さまやお取引さまに多大なる心配と迷惑をかけることを、心よりおわび申しあげます」
 この日午後5時から都内で開かれた会見には、JTの岩井睦雄取締役ら計4人が出席。冒頭、JT側がコメントを読み上げ、悲痛な面持ちで謝罪した。
 報道陣からは食品のチェック体制について質問が相次ぎ、JT側は「原料の冷凍野菜(のチェック)などはしているが、加工食品については化学物質の検査はしていない」。その上で「工場の消毒薬や防虫剤などが混入した可能性もある」とした。
 生協側は「(野菜などの)原料製品の農薬調査は毎年やっており、これまで問題はなかった。今回の該当日付(千葉、兵庫両県の被害者が購入した製品と同じ製造年月日に作られた製品)でも、職員の試食検査をしている。昨日も検査したが、そういう(検出)結果は出ていない」と話した。
 JT側によると、ギョーザを製造した中国の天洋食品については、今回の事件が起きる前に毛髪混入やシール不良、商品数の不足などのトラブルを確認。健康被害についてのクレームはなかったという。
 ただ、生協側は「過去にも天洋食品のギョーザから微量の農薬が検出されたことがあった」としている。
 厚生労働省によると、天洋食品は昨年1月1日から今年1月28日までの間に、冷凍ギョーザ計1230トンを延べ155回にわたって日本に輸入しているという。
 JT側は「品質管理の人間が年に何回か現地に行き、工場で管理がしっかりされているか調べている。変な味がしないか、異臭がしないか、工場側とわれわれの品質担当者がチェックしている」と強調したが、消費者の不安は容易にぬぐえそうにない。
 会見では昨年末と今年1月初めに、消費者から問題のギョーザによる異臭や体調悪化を訴える通報が寄せられながら、これまで見逃されていた実態も明らかに。「洞察が足りなかった」という幹部らの言葉が、会見場にむなしく響いた。

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最終更新:1月30日20時9分

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