29年前に鳥取県の中学校の生徒たちが「海流調査用」に流した小瓶が青森県で見つかる
29年前に、鳥取県の中学校の生徒たちが、「海流調査用」に流したはがき入りの小瓶が青森県の海岸で発見された。発見した男性は、ぬれそぼったはがきをストーブで温めて乾かし、送り主に送り返したという。
発見したのは、青森・むつ市の建設作業員・近藤正明さん(54)。
1月24日、東通村の海岸で、仕事中、波間に浮いた高さおよそ11cm、直径およそ6cmの小瓶を見つけた。
小瓶を発見した近藤さんは「これなんですけど、この中にはがきが入ってました。たまたま、この岩屋の海岸に届いたのが本当に想像もつかなくて、不思議な縁だなと思いましたけど」と話した。
小瓶の中には、「海流調査のお願い」と書かれた20円の返信用はがきが入っていて、鳥取市の鳥取大付属中学校の郷土研究部の生徒たちが、山口・下関沖から流した海流調査用の小瓶だった。
小瓶の中に入っていたはがきは、ぬれた状態で29年前の20円切手が張られていたという。
自宅に持ち帰った近藤さんは、海水でにじんだはがきを、奥さんと丁寧にストーブで乾かし、拾った日と場所、気象などを記入して、中学校へ郵送した。
29日昼、思わぬ手紙を受け取った中学校側も、当時の郷土研究部の顧問や生徒へ、次々に連絡を入れた。
郷土研究部元顧問の円城寺 敏雄さんは「30年前になりますからね。タイムスリップして、まか不思議な心境でしたね」と話した。
郷土研究部元部長の田中博行さんは「素直に頑張ってた気持ちがですね、何か懐かしく思い出しましたですね」と話した。
小瓶は、1974年から11年間にわたり、およそ5,500本流され、このうち760本分のはがきが回収されているという。
青森県の海岸にも、これまで44本が漂着しているが、下関沖から青森まで、およそ1,300kmの旅、時代が平成に変わってから見つかったのは、今回が初めてだという。