交通事故で搬送された植木町立病院で治療中に医療ミスがあり、股(こ)関節に障害が残ったなどとして、熊本市内の女性(30)が植木町を相手取り、慰謝料など約6300万円の支払いを求めて熊本地裁に提訴した。
訴状によると、美容師だった女性は98年8月、交通事故に遭い、町立病院に搬送された。担当医は大たい骨上部の脱臼と診断、治療のため左足を引っ張ったところ、骨盤につながる部分の骨が折れた。女性は常時、松葉づえが必要な外傷性股関節症となり、仕事も辞めた。リハビリを続けたが回復せず、昨年12月に後遺障害の診断を受けた。
病院と担当医はミスを認め、女性側に謝罪。既に治療費などの一部を払った。しかし女性側は「病院側に不法行為責任などがある」と主張、今後必要と診断された手術の費用や自宅バリアフリー化の費用、慰謝料などの支払いを求めている。
植木町立病院は「和解協議を続けてきたが合意に至らなかった。今後は訴状を見て対応したい」と話している。【門田陽介】
毎日新聞 2008年1月30日