消防車両紹介 日本の排煙高発泡車
日本の排煙高発泡車

・・車両イメージクリックで
拡大表示できます・
富山市消防本部
富山県
火災現場では炎より煙の方が怖いと言われるように、煙は視界を遮り、吸い込むと有毒ガスで命を奪われる事もあります。火災で命を落す犠牲者の大多数が煙による物だと言われています。当然消火活動に当る消防隊員も危険にさらされます。大量の煙が発生する現場にはなくてはならない一台です。
高岡市消防本部
富山県
高岡市の配備車両には目を見張る充実した車両が配備されています。その中の一台がこの高発泡車です。特殊な災害に対応する車両なので活動の場はあまり多くありませんが、煙の災害にはいつでも出場出来るように平素から訓練を重ね、常に万全の体制で待機しています。

相模原市消防本部
神奈川県
神奈川県の排煙高発泡車の配備数は全国一の保有台数です。この車両は、先端発泡式というシステムで、泡を車両から送り出す従来の方法ではなく、先端にセットした発泡ユニットにより泡を送り込みます。現場での撤収が短時間で済むため、再出場への体制が短縮されるようになりました。
東京消防庁
東京都
大都市東京には4台の排煙高発泡車が配備されています。その内の3台はハイパーレスキュー隊に所属しています。この写真は第2消防方面本部の車両で、部隊が配置されている近くには空港や大きな倉庫街、トンネル等が多数あり、万一の災害には力を発揮します。

大量の煙が充満して消防部隊の進入が困難なために救助・消火活動の妨げとなる場面や、地下街やトンネルなどの火災時には凄まじい熱気も立ち込めるため、隊員の生命も危ぶまれる事さえあります。
このような災害現場において、濃煙や熱気を吸引、あるいは送風により排出をして消防活動の支援に当たります。さらには、大量の消火用の泡剤を火元に送り込み、窒息消火により早期の鎮圧に大きな威力を発揮するのが排煙高発泡車です。
日本では東京消防庁が昭和20年に購入したポンプ車を昭和28〜29年にかけて改造し、「排煙サルベージ車」として京橋消防署に配備されました。
当時この車両の主な活動内容はサルベージという消火活動による放水から家財を守る水損防止活動でした。また下層階の家財や屋外に搬出された家財等に防水シートを用いて水濡れによる損害を防止する事でした。

名古屋市消防局
愛媛県
この車両は排煙高発泡機能に照明電源機能を装備しています。照明塔は、最大吊り上げ能力2トンのクレーンとしても使用できます。欧米の消防では一台で二役、三役を果す車両も見られ、日本でも今後このような消防車両が増えると思われます。

その後昭和34年、36年と、東京で2台製作され災害活動にあたりました。排煙と消火を同時に行なえる排煙高発泡車の配備は昭和42年頃から始まり現在に至っています。排煙高発泡車は出動する機会も少なく、平成5年の全国配備44台をピークに現在は30台前後と非常に少ない特殊車両です。

藤沢市消防局
神奈川県
大型車両をベースに製作された一台です。通常の排煙作業は元より、泡消火による活動、さらに一般火災にも出場し、装備されたポンプにより消火活動も行なえます。照明作業や現場における広報活動、特殊災害現場等で活躍します。
横須賀市消防局
神奈川県
横須賀市の街を守る排煙高発泡車です。濃煙や熱気を吸引したり、新鮮な空気を送風し、大量の高発泡を火点に送泡するための延長用の送泡管をボデイ側面に搭載しているため、現場に接近することが困難な状況でも送泡管を延長して対応します。
高崎市等広域消防局
群馬県
排煙車が配備されていない小規模都市の消防本部では、可搬式の排煙機等で作業しますが、やはり専用の車両が配備されている方が望ましいと言えます。高崎市は排煙作業に対応する特殊車を配備している数少ない小規模都市の一つです。

那覇市消防本部
沖縄県
沖縄の那覇市で活躍する車両です。本土復帰を果たすまでは、琉球と呼ばれており、警察本部保安課が消防行政を行っていました。数多くの米軍施設があり、それぞれ最新鋭の化学車等が配備されていますが、写真のような煙に対応する車両は無く貴重な存在といえるでしょう。
豊田市消防本部
愛知県
日本で一台といわれる排煙電源車と呼ばれる消防車です。特徴は後部に装備された大型ブロア−という巨大な送排風機です。トンネル内での排煙活動には大きな力を発揮する装備で、ヨーロッパの消防では良く見かけます。また、この車両は照明活動と泡消火装置も装備しているスーパー消防車です。
京都市消防局
京都府
京都市で活躍するこの車両は、排煙高発泡装置と発電装置を装備した高発泡車です。排煙作業、泡による窒息消火と泡に含まれる水分によって冷却消火活動は当然ですが、さらに震災時における非常用の電源装置として、電源供給が可能です。

札幌市消防局
北海道
広い北海道で活躍する唯一の車両です。火災の発生率が高い冬場の中での災害との戦いは大変厳しい物だと思います。札幌市内は雑居ビル等が多数あり、階段室に流入する煙の排出や小区画での窒息消火に大きな威力を発揮する消防車です。
名古屋市消防局
愛知県
大型ブロア−車と呼ばれるこの車両は、大容量の空気を送出できる大型の送風機を装備し、さらに3機の可搬式のブロア−も積載しています。有害物質の排除や、トンネル・地下街等の災害に対応するために総務省消防庁が5台製作して東京や名古屋、大阪市などに配備して運用しています。

川崎市消防局
神奈川県
大きな地下街やショッピングセンター、娯楽施設を管内に持つ川崎市消防局に配備された車両です。特殊車にしては珍しいシングルキャブタイプです。平成15年に発生した韓国の地下鉄火災では、密閉空間の環境下での消火活動の困難性が浮き彫りとなり、排煙および発泡機を積載した車両が注目されており、今後の活躍が期待されます。
市川市消防局
千葉県
東京都のベットタウンとして隣接する市川市の消防も充実した消防車両が配備されています。人口増加に伴い予期せぬ災害発生も予想されます。特に火災では煙の恐怖に直面する事も考えられ、この同車種としては大型の部類に入る大型車両の排煙高発泡車が配備されています。ポンプも装備されており通常の消火活動も可能です。

横浜市安全管理局
神奈川県
横浜市消防局から「安全管理局」に名称を変更した横浜市で活躍する「排煙サルベージ」という車両です。他の高発泡排煙車と異なるのは、家財の水損防止のための防水シート(サルベージシート)を他車より大量に搭載していることです。マンション等の上層階での火災に放水した水から階下の家財道具を守ります。
Reported in 2008
(C)Copyright Signal O S All rights reserved.