笹原宏之の『
漢字の現在:番外編「X'mas」』(三省堂ワードワイズ・ウェブ, 2007年12月25日)を読んでいたところ、以下の部分がどうも気になった。
英語圏では、キリストのミサを意味する「Christmas」を、省略して表記する際には、ギリシャ語の表記の頭文字(Χ(カイ))を採り入れた「Xmas」となる。「X-mas」とハイフンを入れて書くことはあっても、「X’mas」という表記は全く行われなかったという。
19世紀の英語文献を読んでると、X'masって表記、時々みかけるけどな。と思いつつ、books.google.comを調べてみたら、あるわあるわ、
これとか
これとか
これとか
これとか…。あるいは
これとか
これなんて、X
tmasになってて、かなりかわいい。少なくとも『「X’mas」という表記は全く行われなかった』なんてのは大嘘だ。
つまるところChristmasの略記法には、XtmasとかX'masとかX-masとかXmasとかの「表記のゆれ」があるということなのだろう。それが徐々にXmasあたりに収斂していってるからって、過去に遡ってX'masを「無かったことにする」のは、表記の歴史という視点から見れば、あまりに乱暴な議論だと言わざるをえない。