人材サービスの世界大手が相次いで日本で派遣・紹介事業を拡大する。世界3位のランスタッド・ホールディング(オランダ)は製造業向け派遣で日本市場に本格参入、米ケリーサービスも理系の研究職など高度な専門職派遣を強化する。国内大手の派遣事業は若年女性の事務職が中心。欧米で蓄積したノウハウを武器に、製造業向けなどまだ日本では未成熟な分野で攻勢をかけ、グローバルで収益を拡大する。
ランスタッドは4月をメドに日本で自動車や電機・電子など製造業の工場や物流業向けの人材派遣を始める。偽装請負などコンプライアンス(法令順守)のリスクを抱えていたこの分野は中小派遣会社が乱立。ランスタッドは製造業派遣が欧州での主力事業の一つで様々なノウハウを蓄積しており、同社のサービスへの需要は大きいと判断した。これまで日本では金融業界の派遣・紹介に特化してきたが、製造業向けに業務を拡大し、09年末に500億円以上の売上高確保を狙う。(08:08)