「つなぎ法案」の攻防で、国会が空転する雲行きである。「寝る」とセンセイ方は称する 会期を再延長した後、休む間なく通常国会へと続いてきた審議が、ヤマ場に入って突然の失速。先ごろの女子マラソンみたいになった。無事にゴールできるのか、こっちの方が大いに気になる あのマラソンでは、先頭から落ちた人気選手が転倒を繰り返しながらも完走、「勇気と感動」に列島がわいた。が、意識はもうろう、記憶も無くした危険な状態だったとか。それならば、競技をやめさせる周囲の決断の方が勇気がいった。思いがけぬ光景に感動し、「立て」「頑張れ」と叫んだ観客は、残酷で無責任だった 胸突き八丁で「寝る」といっても、国会の場合はタヌキ寝入りである。相手がどう出るか、味方の足並みが乱れぬかと、薄目をあける。何より「世論」なる観客にキョロキョロする。が、世論ほど当てにならぬものはない。脱水症状の選手に「走れ」と平気で声を掛ける。理屈っぽい論戦よりも強行採決の大立ち回りに興奮し、「不毛な政治」などと嘆いてみせるのである そんな世論におもねる駆け引きが、また始まるのか。
|