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1円パチンコ不正苦慮

2008年01月23日

∞4円玉の台や他店に持ち込む客も

 普及の陰で難題次々

 店側境に店員・箱にIC…

 通常1個4円の貸し玉を1円に引き下げ、新規のファン獲得を狙う「1円パチンコ」で、1円の玉を4円の台で使ったり、換金率の高い店に持ち込んだりする客への対応に、店側が苦慮している。規則で玉は大きさを変えられないため、パチンコ玉を入れるドル箱にICチップを付ける店も。県警は1円と4円のコーナーに間仕切りを置くなど指導している。

 「1(いっ)パチ」「ワン(=1円)パチ」などと呼ばれる低価格のパチンコを導入する店は、ギャンブル性の高い機種を撤廃する風営法規則改正での客離れを防ぐため、昨年1月ごろから増え始めた。

 パチンコ店でつくる全日本遊技事業協同組合連合会は「安く長く遊べて客の滞留時間が長くなり、他の機種にも客がつく」と言う。

 ところが、1円パチンコの普及で、新たな事件も起きている。昨年8月、東京都板橋区の店で、1円で借りたとみられる約8千発の玉を上着やズボンに入れて、不正に店内へ持ち込んだ客が監視カメラに映っていた。同年11月には静岡市の店で、6〜7人組の男が、同様に換金目的で約5万3千発を持ち込んだ事件も起きた。

 こうした事件への対応策としては、値段の違う貸し玉を見ただけで区別することが必要だが、パチンコ玉は風営法の規則で、鋼製、直径11ミリ、重さは5・4グラム以上5・7グラム以下と決まっている。

 パチンコ発祥の地、名古屋市のベイシティ名宝大須店では導入当初は、金色の玉を使って区別したが、金色は1個あたりの製作コストが約7円と、銀色に比べて3倍以上の高額。また、刻印で大量の玉を瞬時に判別するのも難しいという。

 県内でパチンコ店「ベガスベガス」11店を展開する大成商事山形本部(山形市)は、ドル箱にICタグを埋め、センサーで判別するほか、1円パチンコと4円パチンコの境に店員を常駐させるなどの対策をとっている。

 今のところ被害は出ていないと言うが、担当者は「パチンコ玉を持ち帰り、再来店したときに4円で使われたら防ぎようがない」と話している。

 センサーで判別している山形市内の別の店では「センサー設置は多額の費用がかかるが、ポケットやバッグに入れられたら機能しない。店員のチェックや気配りで防ぐしかない」という。

 県警によると、昨年12月末時点で、県内にパチンコ、パチスロ店は123店ある。「1パチ」を導入する店が増えているが、県内では県警への被害届は今のところない。県警は昨年から、パチンコ店に対し、値段の違う貸し玉が混じらないよう1円と4円のコーナーに間仕切りを置いたり、従業員を立たせたりするよう指導している。

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