津和野町は28日、津和野共存病院などの建物や土地などを買い取り、公設化するための買収費用13億670万円を計上した今年度一般会計補正予算案を、同日開会した臨時議会に提案した。
同病院などの運営は石西厚生農業協同組合連合会(石西厚生連)が行っているが、経営環境が極めて厳しいことから、町が公設民営化する方針を決定済み。町が病院などの施設を買い取ることで、石西厚生連は建設資金にかかわる長期借入金などの債務をほぼ解消できるという。
町は今年度中に施設の買い取りを行った後、4月から指定管理者制度を導入して経営を委託する方針だが、当面は石西厚生連が運営を続ける見通し。財源としては、国の交付税措置がある過疎債と病院事業債をあてる。
この日の臨時議会では特別委員会(厚生連病院公設民営化調査特別委員会)が設置され、補正予算案や公設民営化について審査していくことになった。会期は2月28日まで。
中島巖町長は「慎重に審議したいとの議会の意向もあり、できるだけ早く提案することにした。財政負担を伴うが、地域の医療を確保するため背に腹は替えられない」と話している。【児子勉】
毎日新聞 2008年1月29日