予想はしていたが、やはり今週に入って発売された様々な週刊誌でPRIDE-フジテレビ問題が報道され出した。
この問題を勃発させた張本人でもある『週刊現代』(講談社)は12日発売の最新号で「PRIDE=暴力団を斬り捨てたフジが恐れる問題社員への捜査の手」と題した特集を巻頭で組んでいる。とくに驚くような新事実が書かれているわけではないが、当分のあいだこの追及キャンペーンは続きそうだ。
また本日発売の『FLASH』(光文社)は、表紙にこそコピーを打っていないが、作家・百瀬博教氏のコメントを中心にした「フジテレビ×PRIDE仁義なき尻尾切りの全内幕」と題した記事を掲載している。百瀬氏といえば、かつては“PRIDEの怪人”と呼ばれ、常にリングサイドを陣取って試合を見守っていた仕掛人。マスコミやファンには分からない部分まで知っていると思われる人物だけに、どんなコメントをしているか興味深い。
その百瀬氏が「ハッキリ言って、榊原(DSE社長)が言う『反社会的勢力』がはびこってきたから、俺は手を引いた。フジテレビだって、そんなことぐらい100パーセント知ってる」とコメントしているのだ。
そういえば百瀬氏がPRIDEから離脱したのは、猪木が「イノキボンバイエは百瀬氏のプロデュース以外では絶対にやりません」という念書を書いておきながら、それを無視して例の川又氏と組んで日テレでイノキボンバイエ2003を開催してしまった後あたりだ。
それはともかく、百瀬氏は週刊現代で“DSEの実質的オーナー”と書かれていた広域暴力団の企業舎弟I氏に関しても「Iなら俺も知っているよ。PRIDEの原点、高田-ヒクソン戦を実現できたのは彼の協力があったから……まだ書かれていないことがいっぱいあるよ」とまで言っているのだから、気分が重くなる。
選手とも親交の深い百瀬氏は「困るのはPRIDEに所属している選手たちだよ。CMのスポンサーも選手を使いにくくなる」とも語っているが、確かに今回の件で一番の被害者は選手たちだろう。何も悪いことしていないし、命を削って試合をしているというのに、その試合が放送されなくなったり、テレビ番組に出られなくなったり、もしかしたら職場を失うかもしれない状況に追い込まれていっているのだから。
さらに『FLASH』は「PRIDE周辺の仕事に携わっていた多くの関係者も、一気に仕事を失う危機に直面することになる」とまで書いている。私の場合はPRIDEに限った仕事だけではないが、現時点で結構影響が出ている。ハッキリ言って人ごとではない。今回の件は誰も得をせず、みんなが不幸になるような気がする……