平成4年4月17日

第27回厚生省交渉 当会初参加の記録


 交渉団側参加者14名(内会員6名)

 厚生省側 平山一男(薬務局 安全課 室長)

〔質問及び要望書〕

 私共「陣痛促進剤による被害を考える会」が実施した陣痛促進剤による副作用調査では、多くの被害が確認されています。
 従って、厚生省はモニター病院に対して、プロスタグランディン、オキシトシンに対する品目指定を早急に行い、モニター制度によって副作用被害の実態調査を掌握されたい。

 プロスタグランディン、オキシトシンの使用量について、「日本母性保護医協会」は、能書よりかなり少ない使用量の指導をしています。そこで、「日本母性保護医協会」が指導している量へ、能書改訂することを要望します。又、能書改訂の際、陣痛促進剤の被害を未然に防ぐため、分娩監視装置使用の義務付けを能書に書き加えることも要望します。

 陣痛促進剤の使用については、医学的適用以外に、病院の都合等で使用されている実態もあります。この事から副作用被害が頻発しています。このような乱用を防ぐため、厚生省はこの薬剤の適用を医学的適用に限るよう、各医療機関に「警告文」を発せられたい。

(以上の他に、前もって71被害症例の副作用を資料として提出しておいた。室長以外の係官2名は、当日朝、急に別の会議が入ったとの事で不参加となり、「陣痛促進剤」は、11時からいよいよ交渉に入った。)


(厚)モニター制度というのは、厚生省がモニター病院を指定して自発的に副作用を報告してもらっているという制度ですので、どちらかと言いますと、品目指定という制度も自発報告ということで、全数を調査するものではないのです。従って、品目指定という制度はあるんですが、品目指定をする品目というのは、これまで薬のせいなのかどうか分からない、要するにこの薬にこんな副作用があるのか、1例出てきたけれども分からない。他に同じような例があるんだろうか、という事に気がついたら、発見したら、もしかしたら薬との因果関係があるかも知れないから報告してほしい。そういう意味合いで品目指定をしておりますので、因果関係が分からない薬について品目指定をするのは有効な手段ではありますが、こういった「プロスタグランディン、オキシトシン」の現在問題になっている副作用等につきましては、ある程度薬との因果関係がもう分かっておりますので、そういったものについて品目指定をして調査しても余り効果が上がらないんではないか、と考えております。
(交)そうすると、どういう方法で実態調査というか、実態を把握されようと考えていらっしゃるんですか?もし、それをしないとすれば。
(厚)実態を把握されたいと・・・。
(交)つまり実態が分かっていらっしゃらないんではないかと思うわけです。厚生省側が。だから、実態を把握する一つの方法論として品目指定と言ってるのに過ぎないんだから。 じゃあ一体品目指定の効果が余りないんだとするなら、どういう方法で実態を把握されようと思っておられるのか、あるいは、実態把握なんてそもそも余り必要ないんじゃないかということなのか、その辺はどうなんですか?
(厚)私共のサイド、薬務局としては、この薬の概要はほとんど分かっているんで、特に副作用の被害の実態と頻度はどの位あるのか、そういったそういった意味の関係、観点からの調査というのは、今のところ考えておりません。
(交)頻度と言うよりも、実態がどれだけあるのか、という事だけでもやはり知る必要があると思うのです。それでは本当に毎年毎年新しい被害者が・・・。去年の被害者ももう連絡があっていますから。それも明らかに陣痛促進剤を使った事による子宮破裂とかですね。だから、もう陣痛促進剤でこのような子宮破裂があるから、わかっているから調べないと言うんじゃなくて、やはり、そういう事があるのにも係わらず不注意に使っているんですね。全く必要がないのに使っているという事が関係して、色んな被害になっていると思うんですね。厚生省としては、被害の実態をまず調べて頂きたいと私は思っています。
 例えば、陣痛促進剤による副作用だとなった時の副作用報告というか、医薬品救済基金の請求という事での症例は何件か分かっているのですね。
(厚)陣痛促進剤での副作用救済申請事例は今調べておりませんけれど、あるかも知れませんし、ないかも知れません。
(交)実際に私も申請していますし、私と一緒に裁判している方も申請しています。ですけれども、これは正当な使い方をしたけれども止むなくなったという風な事を救済する訳でしょう。病院側は正当に使ったと言っているから請求した訳で、私達としては本当は正当に使っていないから裁判している訳なんですが、要するに裁判が終われば結果出すというような事のようです。他にもまだ出している方がいるというのは、基金の方から聞いています。 
(厚)いや、裁判が終わったら結論を出すというような事は恐らくやっていないと思います。基金の方は個別判断ですから、基金の個別の裁判絡みの事例というのはたくさんあるんですが、それは裁判が終わる前に結論が出るのは幾らでもありますから。
(交)じゃあ、「裁判している」とか、「していない」とか、そういう欄がどうしてあるのか、ちょっと問題ですね。現在裁判中かどうかという欄があるんですよ。
(厚)それは、個別の副作用報告の事とは違いましてね。基金の申請というのは、ほとんど個別の事例ですから、個別に審査しますので、医者にも聞いたり、裁判があれば、その辺のやりとりというのも全部調べた上で最終的に判断するようになっていますから、こういう意味でまあ参考事項として書いていると思います。
(交)裁判中だから終わってからになります、というのを私は直に聞いています。
(厚)ああ、そうですか。それは、基金からお聞きになったのですか?
(交)はい、そうです。裁判で負けたらどうにかしてやろうかなというのが感じられるんですね。
(厚)それは私共の骨子じゃありません。だから相互に関連してて、こちらの方の判定部会の判定によって裁判の方が左右されるという事もあるし、向こうの判定によってこっちの方がまた影響を受けるという事もあるかも知れませんけれど、裁判の方を待ってからこちらの方が、返事しますというような事はうちの方はしていませんけれど、難しいんですけれどね。正当な薬の使用方法だったか、薬のせいだったかどうか、という判断ですから。 要するに、正当な使い方で薬のせいだったとすれば、救済される訳ですね。薬のせいだったという判定があれば今度は医者の方が有利になる訳ですね。要するに医療ミスでないと言う事をこちらの方で判定したという事になりますから。
(交)じゃあ、申請して判定まで、どれ位かかるんですか?
(厚)それは、今は恐らくかなり早くなったと思うんですね。今まではかなり貯まっていましたから、月一回ですから、せいぜい20件ですね。その時出された資料だけでは分からなくて更に調査したり、保留になるものもあるから、一概に何とも言えないですけれど、まあ3・4ヶ月の内には最初の審議に入れるんじゃないかと思います。ただ、問題は書類が揃ってないと、こちらの厚生省へ来ないんです。基金の方で先ず、医師の診断書とか最低限の資料が揃わない限り、こちらの厚生省へ来ないんですね。従って、厚生省に来ない限り審議にかけられない。こういった状況がありますんで、取り敢えずまだ基金の方で止まっている書類が厚生省に来れば、今来た時点で直ぐ受けられる状態になっていると思います。
(交)もしね、同じ薬に関する副作用が全国からいっぱい厚生省に集まった場合、それ放っとくんですか?それとも、何が原因か対処する為に集めているんですか? 
(厚)ですから、ほとんど同じ様な事例が集まった場合には、さっきも言いましたように、薬品副作用情報とか色んな情報を出す形になります。
(交)出す訳ですか。その薬が危険だから、事故が多いから気をつけろ、という事を国として流すということですね。その為にはたくさんの情報が入るか入らないかでは違いますよね。前の回答だったら、厚生省がオキシトシンで副作用が出ているのは、4件しか知らん訳でしょう。僕ら知ってる人間だけでも何ぼでもおるんですよ。一人のお医師さんだけでももっと知っていますよ。副作用としてはね。だから、ちゃんとモニター制度を利用して国の為に何とか尽くしていこうと思っているんだったら、4例しか知らんという事を反省してね・・・。 
(厚)4件じゃあなくて、全部で56例あります。
(交)22と34ですね。
(厚)だから、これは全国で17万ある病院の内のモニター病院というのは、たかだか3000ですからね。
(交)これが、何件になったら副作用情報を出す訳ですか?副作用を集めた場合、どのような感じで行政が判断しているのか。100件だったら放っとくとか、500件になったらちょっと注意を・・・。
(厚)それは、物の緊急性とか、そういった事に関係すると思いますけれど。
(交)緊急性が大じゃないかな、と思うんですよ。こんなにのんびりしている状態じゃないと思う。神奈川でこの問題で婦人会議に出した時は、もう6・7年前の話。その時にもいい加減な薬の使い方ね。
(厚)この薬、もう長いですからね。
(交)長いから、やっぱり乱用されたんですよ。同じような被害が起こってる訳ですよ。僕が2年前です。6年前に何とか僕らと全く同じ被害が出てる訳ですよ。ここに書かれている副作用というのは多汗だとか、知覚減退だとか、嘔気、嘔吐、火照り、倦怠感、頭痛とか、これは命には係わらない状態の副作用はいっぱいあるんですよね。ですけど、子宮破裂となると子供はほとんど重症仮死から重症脳性麻痺で死ぬか、死産になるかです。で、お母さんの方も頚管裂傷という事になれば、出血多量で死ぬ訳ですね。死ぬのが多いんですよ。そのような副作用がほとんど出てないのはどういう事かと思うんです。
(厚)出てないと言っても、報告が上がって来てない・・・。
(交)だから報告させるような何等かの方法を取らないとやはり医師は不勉強ですからね。本当にこういう事が起こっていても、報告しないですよね。言われないとしない。
(厚)言われてもしないかも知れない。
(交)副作用として、むしろ命に係わるような副作用は「被害を考える会」の方では分かっている。厚生省の方ではどうなんですか?モニターで上がって来ているものの実態しか分かっていないのか、あるいはもっと重篤な副作用があるという事をちゃんと掌握していらっしゃるのかという事は、どうなんですか?
(厚)これは、あのモニターから上がって来る報告で、私共は対処せざるを得ない。
(交)つまり、もっと重いものは掌握していないって事ですね。違うんですか?
(厚)いや、あれば報告が・・・。
(交)だからモニターでしか見てないと。この上がって来ているのがモニターですよね。
(厚)企業からも来る。
(交)だから、その企業からは重篤な被害というものの報告は無いんですか?
(厚)だから、ここに書いてあるように34症例で子宮破裂、アナフィラキシーショック、高血圧、徐脈。
(交)陣痛促進剤が販売されて3年間は少なくとも市販後調査が義務付けられていますよね。
(厚)えーっと、市販後、オキシトシン等のこういう古い薬についてはやってないと思います。
(交)新しいのについては、やっているでしょう。プロスタグランディンについては。
(厚)プロスタグランディンについては、3年間というか、54年以後の商品になれば、6年間は。
(交)プロスタグランディンについては、何例位が市販後調査で出ているんですか?症例として義務付けられてる報告件数は?
(厚)それは今、そう言われても・・・。
(交)これね。22例と34例と書いてあるのは、いつからいつまでなんですか?
(厚)発売からこれまでの全てのです。
(交)すべてでこれだけ??? 25年間の全て? あんまりじゃない。だけどね、市販の調査のがあるでしょう。何万件てやるでしょう。
(厚)それは、今調べてないから分かりません。
(交)早く調べないといけません。来るのが分かっていたのだし。
(厚)だから、新薬については調査されていますよ。
(交)だから、プロスタグランディンについては、最低どうなんですかと聞いてるんです。(厚)ジノプロストとジノプロストンについて、これの承認年月日がいつなのか私にも分かりません。
(交)じゃあ、調べたら分かりますね。
(厚)50年以前の承認であれば、ちょっと仕様が無いですね。
(交)1970年代初めくらいですか。
(厚)要するに、法律でそういった調査がされたのは50年6月以降です。随分前ではありません。
(交)だから、逆にいうと実態はやっぱり掌握されていないって事になるんですね。そういう形で、市販調査がやれるようなシステムが出来た前なんだから、そうするとやっぱりどれ位の被害実態があるのかという事を分かってないと言う事になってしまう。だから、こういう質問になってるんですよ。日母であんな立派な冊子を出してる位だから、厚生省はこの問題について実態調査をしようという意識は、そもそもあるんですか?その辺が普通、私達国民から考えたら当然だろうと思うんだけど。
(厚)国のサイドからはありません。
(交)ないん?調べたけれども無かったと言われるんだったら、また話は違うけれども、僕ら、国民が副作用が多いから調べて下さいと言っているんです。それに対して、調べてないという事でしょう?だから、調べて下さい。話はそこからしか始まらない。調べたけれども無かったという返答だったら、また議論も始まりますけれども、先ず調べて下さいという事です。医者に聞いてもこういうのが出てるから、かなりあるというのは科学的な根拠があること。被害がすごく増えているから皆で無くそうと日母自らがやってる事を、全然調べてないからわからんという状態なんですね。だから、先ず医薬品モニターでしないと、いけないのかな。それとも、調べないで通すのかという2つですね。今。
 今、厚生省が持っているシステムとしては、品目指定しかないんですよ。だから、改めて実態調査したって、どこを対象にどれだけのものをやるかったって、出来ないでしょう。だから、現実的なところで話をしてる訳でね。品目指定の必要性を認めてないとおっしゃったですね。
(厚)品目指定しても、効果がないと。
(交)効果がないと?効果がないという以前に、じゃあ、何を実態として知ってらっしゃるのかと言う事になるんです。これだけの事は既に私達には分かっているんだ、だから品目指定する事の必要性を認めないんだと、いう事になる訳でしょ? じゃあ、あなた方はどれだけの事を知ってるのかという事になるんだ。それが、25年間に22と34例でしょ。これは使われてから相当年数が経ってるよね。これだけの事しか分かってないのを元にして、これが全てで、分かってるつもりだと。それはちょっと違うんじゃあないかと思ってるんですよ。だからこそ品目指定というのは、それだけの意味を持っていると思うんですよ。じゃあ、どこに問題があるのか、薬剤そのものなのか、あるいは使い方なのか、色々あるかも知れないが、もっと警告を発しないといかん訳でしょう。実態を把握してないから警告を発する程じゃないと、あなた方は思っている。掌握するって事がスタートでしょ? そこが、認識が違っているんだよ。全然。
 現実にモニター制度そのものが色んな形で指摘されていた。その辺のとこをもっとモニターの内容の充実を図るんだったら国自体がこういう問題を広く掌握してくれなきゃいけない訳。それを掌握しないでただモニターに上がってくるものだけで判断するなんて。じゃあ、全国の被害者が厚生省の係の所へワアーっと来たらどうする? どう受け答え出来るの? あんた。
 自分の奥さんなり兄弟・身内がこういう事が起きたと仮定して自分がこの中に入らないとその意識は出ないんじゃないの?
(交)それは無理。そういう人は厚生省にはいない。自分自身が被害に遭っても隠蔽しそうだから。「考える会」の調査では、母親の死亡が10人もいて、子供の死産も13人いて、その後の仮死産も15人いるでしょう。つまり、普通の薬剤でそれ程の事が起こったら、これは大変な事ですよ。ドクターレターが当然出てる筈ですよ。それ位の内容のものを「考える会」が調べてる訳よ。あなた方はその事すら分かっていないんだよ。普通の薬剤と比べてごらんよ。そう考えたら、もう少し積極的に調査しなきゃあいかんという意識になるのは当然でしょう。
 そうなっていないというのがおかしいんだよ。そこに問題があるんだって。もう少し人の痛みを身に染みて、こういった話をちゃんと聞く姿勢というか、これだけの事をやれば良いという枠の中にいないで、そこから飛び抜けて、枠をもう一つ作るという事を考える事が出来ないんでしょうかね。
 今、低出生率って言われてるでしょう。その一端を担っていると思いますよ。本当に。厚生省は、もっと日本の将来的な事を考えないといけない訳でしょう。病院で、実際にこういう仮死産、脳性麻痺が起こっているんです。私の子供もそうです。モニター病院がどのように決められたのか、3000軒もあっても、ただ形だけ紙に書いて厚生省に報告しとこうと。そんなの無駄ですわ。そんな事できちんと把握出来る筈がありません。だから、私達市民団体は身銭を切って時間を費やして全国から来ている訳です。だから、この書類を見てもらって、これを参考にして下さい。これは本当に事実そのものです。私達の血が流れてるんです。子供達の血が流れているんです。それを私は今日言いに来たのです。だから、私達のを参考にして頂いて、何か方法を考えて頂かないと、このままではやはり低出生率そのままですよ。本当に。今まで、助からない場合を助けてもらう所が病院だったけれど、積極的に人工難産にして悪くしているんですよ。こういう薬を使ってですね。そんな事考えられます?
 人工的な陣痛と、自然な陣痛の別が分からないで、それを介護する方も人工的な陣痛の痛さを当たり前の陣痛として受けとめてると思うんですね。あの人工的陣痛の痛さを感じたら、もう2人も3人も産めない。
(交)それはあるみたいで、初産で使われたら、もう絶対出産なんかしないと、被害に遭わなくても、そのように言う訳です。だから、低出生率に関係していると思いますよ。次の能書を見ると、過強陣痛で胎児仮死になる、子宮破裂となると書いてあるんですよ。一歩間違うと死ぬという事を書いているんですよ。こんな能書を書いている薬が他にたくさんありますか?陣痛促進剤ほど怖い副作用を書いている薬はほとんどないと思うんですがね。
(厚)そんなことはないですよ。
(交)じゃあ、使ったら死ぬと書いてある薬あります?
(厚)使ったら死ぬ、それを使ったら死ぬとは書いてない。
(交)だから、副作用として、こういう事が起こるという事を書いてる訳ですよね。だからそういう事が起こると書いてある薬ありますかって聞いてるんです。
(厚)だから、副作用としてかなり強いのが出るのは、かなりありますが・・・。
(交)今日は、PGとOXの話になるとは知っていましたよね。それで、能書の副作用の所に、過強陣痛で(その後、子宮破裂になったり、頚管裂傷になったりしての出血多量により)死んだりする事があると書いてるけど、厚生省で把握している副作用には過強陣痛もない訳でしょう。だから、日母の冊子も、一応読みました?
(厚)母子衛生課の方に申し込みましたが、頂いておりません。
(交)じゃあ、必要があればどうぞ。(日母の冊子を渡す)
 こういう能書すら読んだら、厚生省が情報不足な事が明白なんですよ。違いますか?能書に書いてる副作用さえ知らないんだ。
(厚)これは、どこから?
(交)日母の医師から通じたものです。
(厚)正式に欲しい。児童家庭局の交渉に関している課から、日母に申し込んでも厚生省には貰えませんでした。
(交)PGやOXの副作用が大きいから、気をつけないといけない、事故が多いと、いっぱい死んでると書いてあるんです。今、読めますよね。読もうと思えば。まあ、好意的な医師からの物ですので。これが出た、そもそもは私達の運動を日母が一早く察知して、これを作ったと言う事ですので、日母の上層部の方は大変な事だという事で出してるんですよ。
 もし、一つの薬について、たくさんの副作用が集まれば、国民の為に何らかの書類を出して注意を促そうという気持ちは持ってるのですね。だから、取り敢えず、モニター制度に品目指定をしてくれと。モニター制度に意味がないとか、そんな発言駄目です。意味があるようにしていかないといけないのです。この厚生省交渉が意味がないとかで終わったら困る訳ですよ。意味を持たせたらいいなと思って仕事してくれてる訳でしょ? モニターもね。取り敢えず、薬として指定されてるか、指定されていないかだけでも医師の薬に対する注意力が変わる事位、想像出来ませんか? ともかく、大事な所は、認可された能書に対して日母自体が、それとは別に使い方についてもっと少量で使わないと、能書通りに使うと大変だと、少なく使う様に医師は出している訳ですよ。だからこの実態をあなた方が本当に分かっているのなら、もう少し使用に関する変更をしなきゃいかん訳よ。先にもう実態が進んでる。あなた方が、もう実態が分かってるからそのままでいいと考えてる事が問題だと言ってる訳よね。例えば、OXの最大の使用量が、能書では、100滴となってる訳よ。日母は40滴にしろって言ってる訳よ。半分以下じゃないの。何でそうなってると思う? それは、被害の実態を日母が先に察知しているから、能書ではまずいと分かってるからやってる訳よ。厚生省が知らないでそのままの内容で分かってるつもりで実態調査もやらないと言う事なのか。被害が多いから、こうしてるんだと言う事も、その本に書いてありますから。日母の方が先に一生懸命やってるじゃないの。厚生省は何やってるんだ。一体。製薬会社の肩持つ様な事では困る。実態を皆わかってるつもりでやってるの? 能書自体を変えなきゃいかん位の実態があるんだよ。今何も知らない訳だよ。結局。それでいいの? おかしいんじゃないの、これは。
 滴数だけじゃなくて、他の物と一緒に使わないでくれと言うのを能書に入れるとか、その辺いっばい改訂しなきゃいけない事が早急にありますよ。その為には、本当に実態がどうなってるか掌握しないと中薬審に出せないでしょう。裁判になったら、能書が物を言う。 実態はどんどん悪い方向へなってるんだ。品目指定が効果がないと言うのなら、効果がある何かを考えておられるんでしょうかね。そもそもこの問題に対して厚生省は、今何かやろうという認識があるの? ないの? それによって話が全然違ってくるから確認した方がいいんじゃない?  
(厚)薬務局サイドではありません。
(交)ない? ちょっと待って。この会議は何の為にやってるのかご存知? 次々と厚生省が人事で替わり、新しく来られるといきさつが全然分からずに、「出席しなさい」と言うから出席しているのかもわからんけれど、厚生省は、どちらかと言うと視野が狭くなって行くので、色んな国民から意見を聞き、それが薬務行政に生かされて行くと言う前向きな議論をして頂くんだったら会議を継承しようと言う薬務局長との約束が出来た上で、これが続いている訳です。その時の立ち合い人が竹村泰子さんなんです。私、2・3日前に竹村さんに会いましたよ。「まだやってるんですね。また報告下さいね」と言ってました。だから、あなたみたいに何もやらないで、ここに出席すると言うのは、おかしい訳ですよ。 第一、要望書を事前に出して何らかの前向きな対応を提起している訳ですよ。それに対して、「これは出来ない」と言って貰ったら結構ですよ。しかし、「これは出来ないけれど、今の段階ではこういう事だったら出来ます」とかね。その検討期間をわざわざ置いて、交渉やってる訳ですよ。だから、徳島や大阪から来たり、皆全国から来る訳でしょう。だから、この会議は交渉じゃないんです。お互いの立場をぶつけ合って前向きな議論をして何らかの形で薬務行政に生かして行こうと言う、しかも被害が出て来た時にはそれを食い止めるという事が最前提でしょう。その事の認識があなた無いんと違うかね。嘘だと思うんなら薬務局長に聞いて下さいよ。意味ないでしょ? こんな話だったら。何も考えてません、だったら。言い放し、答え放し、じゃ駄目なんですよ。この会議の意味がない。その精神を確認してやって来てるから8年間続いてるわけですよ。
今の話を具体的に言えば、被害の状況が二通りある訳ですね。厚生省は22例と34例で安全だと言う訳ね。ところが我々の調査ではこんな酷い副作用があって、相反する資料ですよ。「どうしてこれだけ違うんだろうな」という所から議論を発する事が出来ればね。それが目的ですから。「じゃ、これをもう少し調べてみましょう。どちらが正しいんだろうか、厚生省の方が合ってるのか、それとも市民側が言ってるのが合ってるのか」これを確かめるのが当り前じゃないですか。この会議の精神から言ったって。少なくとも、これ(会調査の副作用症例の資料)送って既にこの中に陣痛促進剤についての事を入れてる訳だよ。だからご存知なんだよ。にも関かわらず今の回答ってのは無い訳よ。あなた方が掌握しているものと「考える会」が調べてるものが、これだけの差が出てる。それだけだって、今言ったようにもう一回実態を調べるべきという所に到達しなきゃいかん訳だ。あるいは、日母の使い方についてもっと極端に半分以下にしなきゃいかんとかね。それだけじゃないけど、これは一つの典型的な例だよ。ここまでやってる実態、厚生省はそのままで良いと考えてる実態、これはギャップがある訳よ。何で日母がそこまで、医師が積極的にその方が良いと言ってる実態をね。あなた方が無視出来ないでしょ。第一、現場でやってる医師達なんだから良く分かっている訳よ。あなた方はそれを変えようともしない。調査する必要が無いと、あなた言ってるけど、そんな事ないでしょう。調査が先ずスタートでしょう。考え変えて貰わないと困るよ。行政の課題で根本的な所、調査がこういう被害が起こらない様にして貰う為のスタートなんだ。今あなたが直ぐに返事出来ないんだったら室に帰ったら早急に議論して貰わないと困るよ。間違ってるよ。認識自体が。調査しないでも良いと言う話じゃないよ、これ。
日母に問い合わせて駄目だとか言われて断わられたという話だけど、そうじゃなくて、日母の理事とか会長に会って、「実態がどうなんです?」と腹を割って話し合いに行くべきですよ。
(厚)そうですかねー。   
(交)その位して、国として指導要領にどの形で入れるか、警告文が出せるか、それとも製薬会社に指導するか、そう言う事も出来る訳で実態を日母と協力して把握する事も出来る訳よ。先ず、一番最初にやるべき事をあなた、やってない訳よ。
(厚)だから、そこは厚生省の組織ですから、日母に話をする部署があるわけですから。(交)あなたが一緒に行こうと、日母に行けばいいじゃないの。 
(厚)組織ですから仲々私一人では行けません。   
(交)陣痛促進剤の問題をあなたが今担当してるわけでしょ。安全課なんでしょ。安全課ってのは、まさにそう言う事が起こらない様にする事でしょう。 (厚)今この質問内容がすべて薬務局関連だと言う事で、その担当部署が今回は出席してない。だけど、今回の質問の中身を見ますとすべて薬関係ですよね。 薬については担当だからいくらでも言えますが、要するに日母に連絡とってどうこうするって話は、厚生省の中ではそういった部署がある訳です。 (交)それは連係プレーでしないと、おかしいですよ。その事に関してはその人に言ってくれなければ。その人を呼んで来て下さい。 (厚)だから、今日呼んだんですが、今日は都合が悪いと来られないそうです。で、私一人になってる訳です。
(交)都合悪いって、こちらは全国から日を合わして来てるんだ。来るって事、前もって言ってる。
(厚)だから、それは質問の中身に寄るわけですよ。   
(交)中身だってあなた分析していないんだよ。これは。
(厚)要するに、すべて分析して、これは薬関係だというのを判定する訳です。すると、もうこちらの方で対処して欲しいと言う事になる訳です。 (交)今の話で、そういう調査、実態と言うものを把握しなきゃいかんなと今我々の話を聞いて平山さん自身は思われないの? あなたが先ずスタートだからね。 我々が言ってる話を聞いてみて、1回調査をきちっとして行政自体が今の能書の変更を求めなきゃいかんかも知れんと、そう言う意味で先ず調査をしなきゃいかんと言う認識にあなた、ならないの? して下さいよ。あなた、どう思う?  
(厚)だから、それはそうなんでしょうね。普通なんでしょうね。
(交)普通なんでしょうね、だって。(笑) 普通だとあなた認識された訳ですね。そしたら、取り合えず、平山さん、あなた次どうされるの? 次どうする訳? この問題について。考えちゃいますよじゃ、今思われた訳だから、困る訳ですよ。次のあなたのステップとしては、どうする事が一番未然に防ぐか、どうしたら良いと思う? 必要だと認識した場合に行政はどうするのか、日本の行政が今問われてるんですよ。 (厚)やれる事に限りがありますから。   
(交)あなたにやれる事に限りがある。しかし、他の所にもそれは、あなたがイニシアチブをとって発言するなり。だって、あなた室長じゃないの。安全課の室長じゃないの。 あなたの出来る範囲で何かあるのかちょっと言って見て。頑張って国民の為に仕事して下さい。やる事は数えられん位あるでしょう。   
(厚)役所はちゃんと法律で決められた範囲の仕事で、・・・。
(交)だから、その仕事の範囲内の事を言ってるでしょ。品目指定にする事は出来るでしょ。
(厚)品目指定にする、しないって事は私は出来ます。  
(交)出来るね。じゃあなた、結論出してよ、もう。あなた室長で、一番偉いんだから。責任者として、やはりこれはしないといけないと思ってくれないと、増々事故は起きるんですよ。それと、きちんと出さないと逆も出てる訳です。こんなに問題になってるから。医学的適応で使わなければならない時もある訳ですよ。その時も良心的なのが使わないと。 使える場合と、これは使ってはならないというのを医者も混乱を起こしているから早急にやらなきゃ駄目ですよ。あなたの仕事として。確かにスタートとして調査する必要があるんでしょうねと、あなたおっしゃった。だから、あなたの所で可能な事を、それが品目指定だと思う。「じゃやりましょう」って事にならないの? ここで我々と話をして、1回室に持ち帰って皆と話しないとそう言うスタートが出来ないと言う事になるんですか?(厚)問題はこれだけじゃないですから。   
(交)だから、今あなたが副作用に関して調べなきゃいけないと感じたと、言いましたね。 しかもあなたの仕事の範囲で品目指定は出来ると認められたですね。その2つは引っつきませんか?どうなんですか?
(厚)だから、要はその品目指定する事によってある程度効果があるんであれば、こちらの判断としてやりますけれども、品目指定する事によって特にそれほどの効果がないんじゃないかと。 
(交)さっき言いましたが、2つの薬を品目指定した場合、医者は何も品目指定しない場合と、した場合で、その薬に対する注意が変わるというイメージ出来ませんか? (厚)そりゃ変わるでしょうね。   
(交)じゃ効果はあるでしょう。
(厚)意味のある効果かどうか分からない。  
(交)しないでどうか分からないではなくて。だって何もやってないんだよ。あなた方は。調べてないんでしょ、全然。日母と当然話し合いすべきだよ。副作用についてきちっと日母の人と話した結果、これは品目指定もしなきゃいかんし、能書も指導しなきゃいかんと言う事になると思うよ。安全課として、室長の立場として当然だよ。日母でこれほどの規制をしている実態をよく聞いて、それを持ち帰って品目指定が出来る安全課としては、他の部署にもこうこうだったと情報を横に流す事を薬務局として考えるべきじゃないの? 今でこれだけ日母が警告を発していても厚生省は、この薬に関して何もノータッチでしょ。この状況が後五年続いて、その間にもいっぱい死にますよ。五年後に遅ればせながらちょっと動きはじめた。例えば品目指定した。その5年間に死んだ人に厚生省は責任ありませんか? 急がないといけません。増々責任重くなりますよ。遅れているって言いに来てるんですから。日母の冊子を書いた人の名前を見て、この人らの方が間違ってると言われるのか、能書と矛盾しているわけですが、厚生省はどちらが正しいと思いますか?
 日母の方はこれだけの人物が書いてるんです。副作用が多いから気を付けないといけないと。厚生省はどちらを取るかです。どっちも取れない。よく分からない。なら調べないといけないというのなら何か動いて下さい。今日、聞かせて頂きたい。今後どうするのか。 あなたは、品目指定しても余り効果がないとおっしゃるけれど、それ以上の効果のあるものは何ですか? 我々は、これ位して貰えると、相当の効果が望めるんじゃないかと思ってる訳。他にどういう事をすれば効果があるんでしょうね。この事で、する、しないは置いといて、方法論としてどういう物があるんですか? (厚)いやあ、私もちょっと分かりません。
(交)人を馬鹿にするような事を言ったらいかん。そんな、いい加減な事を・・・。 品目指定は出来るんでしょ。あなたがやろうと思えば。さっき一回言ってるんだから。
(厚)検討する事は出来ますよ。検討して、やるやらんは。  
(交)品目指定した方がちょっとは医者も気をつけるかなと認めたでしょ。それでしないといけないと自分でも思ってると言われたでしょ。これ以上仕様もない言い訳しないで下さい。品目指定は最初の第一歩ですよね。それでいいんじゃないんですよ。  
 何か、認識が甘いと言うか、実態の方がはるかに進んでいる。被害の実態、そしてそれを早くキャッチした日母が未然に何とかしなきゃいかんと思って、こういうのを出してる訳だよね。厚生省は何もしない。モニターで上がってくるのを唯待ってるだけなんだ。それが今の実態だね。それはもう、明らかに誤りですよ。
 日母と厚生省のこれだけのギャップと新聞に載りますよ。日母はこれだけのものを書いてるのに、厚生省の担当官はこんな事しかしていない。国民が見たら信じられない。それは間違ってると思うよ。能書自体問題があるんよ。  
 こういう実態、それの方が現実的なんだから。一番最初に認可する時にはそれ位で良いと認可したかも知れんよ。しかし、どんどん使って行く中で、変更しなきゃいかんと言う実態が出て来たから日母が書いてきてる訳だ。しかし、厚生省は変えない訳だ。もう一回調査して。どういう実態があるかと言う事を掌握してないから、使い方についても見直すなんて事ができない訳だよ。だけど被害の実態は広がって行く訳だよ。どっかで何かを始めなきゃいかん訳よ。一番可能な方法は、やっぱり品目指定だと言ってるんだ。他に有効な方法があるんならやってくれたら良いよ。あなた、「分かりません」と言ってるじゃないの。
 どうして考えるんですか。これだけ全部言ってるのに。お膳立て出来てるのに。必要だと言ってるんでしょう。
 素朴な疑問だけど、色々な事があっても厚生省は後手後手に回ってると思う。仕事大変かも知れないけれど、一体何をして貰っているのかなと思うんですよ。本当に。日本の国の最高の働きが出来る立場にありながら、前向いて行くのか、後ろ向くのか、横向くのか、ともかく間違った方向に行って欲しくないんです。
 あなたが、私達のようになったらそれから動き始めるんですか。品目指定の件も。そんな事ではないでしょう。これだけ皆で来てるんだから、無駄な時間を過ごしたくないです。何か良い返事を頂いて帰ります。
 今まで、ノータッチだったと、今日聞いて必要だと思った。でも、これでもノータッチだと、それでも行政ですか?
 普賢岳じゃないんだから止められるでしょう。台風の洪水じゃないんだから。普賢岳以上の死者を出してるでしょう?
 積極的な姿勢が出て来ないのかね。品目指定に関して。
(厚)品目指定という事では、やる事は可能なんですが、今年出来るかどうかと言う事はちょっとあれですから・・・。
(交)今年度はスタートしたばっかりなのに。
(厚)もう始まってますから。
(交)じゃ、来年の3月までに? 1年かけて検討したいって事?
(厚)だから来年度の指定と言う事では検討できます。
(交)そんなにゆっくりなんですか? 緊急性では指定出来ないんですか? 例外、特例。 必要だと思ったと言われたでしょう。必要だけど1年間は止むを得ないと言うのが国ですか?
(厚)必要だというか、そちらのこれ(被害症例)があると、こちらのこれ(モニターで上がってる症例)があると、違うのはおかしいと思いませんかという事では、それはそうかなというような・・・。品目指定が必要だとは私は言ってません。
(交)じゃ、日母との違いはどう思ってるの? 能書について。
(厚)日母についても、これは今始めて聞きましたしね。
(交)今始めて聞いた話なの? これは、日母が半分にした方がいいと言ってるのを初めて聞いた? 例えば、OXの話も初めて聞いたの? 使い方について、半分にしろって言ってるのを初めて聞いた話?
(厚)初めてって言うか。今持ってきた日母の冊子、これは入手出来ないんです。
(交)だから、話を聞いて、あなたは日母は日母、厚生省は厚生省だよと思ったの?
(厚)根拠がはっきりしない。
(交)根拠がはっきりしなかったら聞きに行かないの? 会いに行くとか、もっと積極的に行動的な行動にならないの? 日母と言うのは、医者の団体でしょ。その人達が中心になってやってるような物だよ。そこが、少なくとも厚生省が認可した使い方よりも、もっと少なく使うべきだと言ってる事について、あなた方はもっと積極的になれないの? 半分以下にしろって言ってるんだよ。
(厚)でも、これ能書の範囲ですよ。能書も20〜40滴じゃないですか。
(交)100滴ですよ。このままで良いったら100滴使ってもおかしくないって話じゃない。これは限度が40滴です。
 日母が、限度が40滴と書いてる。しかも、理由として副作用で死亡する重篤な事故が多いから40滴までと、日母の医者達が言ってる訳です。能書は100滴まで使って良いと書いてある。40滴が限度で、40滴が良いとは書いてない。最高30滴までとし、安全限界は40滴までとする事が妥当と書いてあるんです。これは、経験を集積した一つの結論だと思う。初めに能書で認可した時の、これじゃダメだと言う事の表明になっていて、認可した時とこの使い方では、かなりの幅があるでしょう。
 厚生省が何もしないで良いって話にはならない。もう少し積極的に動くべきだったし、例えばその時にあなたが、これは品目指定しなきゃいかんと思うべきだった。去年の内に(要望書を)出してるんだから、その時に来年度是非、品目指定に入れようとか、取り合えず掌握してみようとか、思わなかったから今年度に入ってない訳でしょう。
 去年の8月に出したのに、全く返事がないから私が11月に電話した訳です。海老原課長でした。そうしたら、現在厚生省に入っているものだけでも送りますと言う事で、この副作用情報が来た訳です。で、海老原さん自身は、うちの会報などを読んで相当被害が起こっていることはよくわかってますと言われました。能書に関しても直して貰いたいものがいっぱいあると言ったら、それは現在厚生省が決めてるものだから、検討する余地はあるという事でした。
 そう言う事話してないんですか?
(厚)してますよ。
(交)その事聞きました?
(厚)聞いてます。
(交)その海老原さんが読んでるものと同じのを読んで勉強しました? 海老原さんはニュース(会報)も読んだと言っているんですよ。国民が自分の手で作った被害例を一生懸命読んだと言っているんですよ。
 私達はこのような物(会報)を出しているんですね。国が動かないから、国民のレベルで気を付けようとやってる訳ですよ。医者もやってますけどね。ここに書いてあるように、「収縮剤の使用による事故が増えてきたので対策が望まれる。だからこの本を作った。スライドによる伝達講習もして行こう」と。しかも能書よりも少ない量でやろうと言う事を医者が言ってるんです。
 整理するとね。今ここであなたが回答が出来ないと言うんだけれど、じゃ、最低で、来年度は品目指定は可能なんだろうか?
 つまり、我々としては早い方がいいから来年度なんて言わないで今年度の中で緊急な品目指定にして貰いたい訳よ。今年度の中に入れて貰いたい訳よ。これは、仲々難しいって話?具体的な話をしていかないと抽象的なやり取りしたって全国から折角来てるんだから、もう少し具体的な答えが欲しい。
 どうぞ、返事して下さい。
(厚)今年度は難しい(小さい声で聞き取りにくい)。
(交)今年度は難しいの? 緊急には入らないの?
(厚)入らない。
(交)来年度は?
(厚)来年度はまだ決ってませんから、まだ検討の余地はあります。
(交)来年度も無理かも知れないと言う事ですか? 私達がこの様に被害が起こってるんだという事を直に訴えに来てるのに、来年度は検討の余地があると言うだけで早急にどうこうしたいという意志を全く表してくれてないでしょう。厚生省がこういう風な状況だった、って事を新聞に投書しますよ。生命が関わってるんですからね。今日のあなたの話では、来年度は検討の余地があると、今年度は出来ないと、こう言う回答ね。そうすると、別の形で今年度何とか、そう言う事が必要だと言う事を回りから作っていかなくちゃ。来年の4月にやり始めたら、また来年無理でしょ?
(厚)だから、検討の余地があるって事は来年の4月じゃ遅いですから・・・。 (交)じゃ、何月からやればその年度に間に合う訳ですか?  
(厚)まあ、2月頃までに決れば間に合います。
(交)来年の2月に決める為には、どんな手続きをいつごろからしたら良いか、頭の中で考えていますか?  
(厚)それは、色々資料を集めて・・・。
(交)さっき日母の方の実態がこうやって出てる。どういう事を資料、前提にして、あるいは集積している何かがあるかも知れない。だから、違う内容の物が出てる。その辺の所はあなた方は、今年度でも可能な事ですね。日母との話し会いとか、どうなんです?
(厚)日母の話し合いというか、私どもとしては、その辺の根拠とかはまあ調べると言う話になるんでしょうね。
(交)それは、あなた方がやるんじゃないの?
(厚)日母との交渉は窓口が違います。
(交)あなたもそこに参加して話を聞かんとおかしいよね。
(厚)要するに、日母がこう言う文書を出していると言うんであれば、それについて根拠をどうするかって事は、私共が調べる事になるでしょうね。話し合いをするかどうかって事は別として。
(交)是非とも話し合いをして頂かないと、やはり日母がどういう根拠でこれを発行したかという事が分からないと思うんですよ。そういう点では、日母の上部の方と話し合って頂いて、その結果や内容を是非とも教えて頂きたい。
(厚)日母と話し合いが出来るかどうかってのは、内部で話し合いをしない事には分からない。
(交)でも、しない事にはこれがどういう事で発行されたのか分からないわけですから、話するべきだと思います。
 あなた、初めてこれ見たと言われた。室の人だってそうかも知れない。海老原さんもそうかも知れない。1日よく読んでもらった所で、裏になっているものは何なのか、確かめて貰う必要があるしね。これだけ開きがあるんだから、そう言った意味でも是非やって貰いたい。その上で早急に調査の体制に入って貰いたい。品目指定のね。可能な事で言わないと、可能でない事を言ったって、あなた方も出来ないって話でしか終わらないから。
 サリドマイドの事件知ってるでしょ。あの時にドイツからの警告が日本は1年間、検討とか研究とか言う事で空白を置いたんです。その次のスモンでは行政の特別措置で市場販売を停止した事実がある。だから、あなたが今日言ってる事はサリドマイドの時よりまだ戻った感じです。スモンの時にそれが生かされて、すぐ行政措置が出来たわけ。あなた、もう少し勉強して。過去に厚生省の過ちをまたここで犯していくという感覚になっているよ。そうじゃなくて、過去の過ちを正しい方向へ戻って、促進剤を1年間も放置したら大変だよ。どれ位の被害が出ると思うの? あなた、人殺しになっちゃうよ。それこそ。
 つい最近、僕達と全く同じ様な被害者が今日来たかったけれど、まだお腹が痛くて来れないんです。何故もう1年、もう1年早く急がないんですか。これだけ(被害が)出て来てるんですから。特別措置ってのが出来た訳だよ。
 厚生省薬務局安全課と言うのは、国民にどういう点で貢献しないといけないのか、よく仕事の内容を検討して、あなた自身が必要があると思うと言った事とからめて、その仕事の内容をどうするかという事を公務員として、もっと仕事して下さい。
 PG・OXの能書を改訂せよ!
分娩監視装置を義務付けよ!
 日母のOXの使用限度が事故例が多いから「40滴にしよう」と書いてあるが、能書は100滴になっている。この危険性をどう考えていますか? はっきり返事して下さい。 緊急の指導の必要性があると思うか、思わないか、だけでも言って下さい。この能書通りだったら危篤な事故が多いから日本中の医師が40滴にしようと動き出している訳です。 その事実を今知ったですね。13ページに書いてます。「至適速度は30滴だけど・・・」
(厚)40滴以上やると重篤な副作用がいっぱい出てくる・・・。
(交)重篤な事故例が一杯あるからこの冊子を出したんです。だから、40滴までにしようと書いてあり、能書の方は100滴のままになっているという事で、厚生省薬務局安全課の担当官として、これは緊急の能書の改善の必要性があると思うか、思わないか、はっきり言って下さい。
(厚)調べて見ないと分かりません。
(交)何を調べるんですか? 今言ってるのに。
 根拠は、スモンの場合も薬局法で投与量が0・6gとなってたものが3gまで増量されたんだ、それで被害が3万人とも言われる被害が・・・。
 製薬会社の能書と日母の内容では使用量が違うって事は認めますね。違ってる状況を認識して緊急に調査する必要性がある、また、どちらかを改善する必要がある事を厚生省薬務局安全課の担当官として思うか、思わないか、はっきり言って下さい。
(厚)目的によるんでしょうね。能書の目的とこちらの目的と。
(交)矛盾している事を直す必要があると思うか、思わないかですよ。
(厚)根拠を調べて見ないと分からない。
(交)今の話は、緊急性をあなたが認識するかどうかなんですよ。そこを言ってる訳なんですよ。
 今年度は出来ないとおっしゃった訳だけれども、もっと緊急性があるという話をしてるんだ。早く調査をして貰いたいと言ってるんだ。重大な副作用があって放置すると、もっと重篤な被害が起こる可能性をもっているんだ。もっと重大に受け止めて貰いたい。その認識があなたにはそこまで行ってないのかも知れない。あなた個人で何とかやってみましょうと言う答えがあれば、我々もまだ納得できる。
 坂元正一を筆頭とする団体がこれだけやってるんです。今日のこの段階で厚生省の室長がこんな事しか言ってないという記録は残る訳でしょ。急がないといけないと言う事を訴えに来てるんでしょ。この人らは急いでます。そう言う事を書いてます。何回も出してるけれどもそれにはこんな理由があるんだと書いてますよ。毎年同じ本出して申し訳ないがと。 
 日母が行なってる妊産婦死亡調査でも「死亡原因の中で子宮収縮剤使用後の子宮破裂、弛緩出血の占める比率は高い」と言ってるんです。また、「羊水栓塞による死亡例の中で子宮収縮剤を使用した症例が多いのも事実である。また、訴訟になった例や母体死亡例では子宮収縮剤を用いて分娩を誘発あるいは促進している症例が多い」とはっきり書いてあるんですよ。
 これ以上何するって言うの? こういう事実が分かっているんだから、もっと急ぐって言う気持ちになりませんか?
調査する必要があると思ったでしょう? 日母にデータがありますよ。貰って来て下さい。直ぐ。
 死亡者の原因ってのも調査しているようです。日母は。
 データが不足しているみたいだから日母に行って教えてくれと言うのは、普通の事でしょ? 足で動いて下さい。
 この収縮剤の保険の請求面でも使用が多いと、はっきり書いてあります。
 どうですかね。今年度で緊急の中に入れて調査できると言うのは? 可能性として全くないんですか?どうなんです? ない? それはもう予定しているものはあって、今年度では何例位を品目指定に入れようと思ってられるのでしょうか?
(厚)5〜6例だったと思います。
(交)5〜6例? それ以上入れそうもないんですか?
(厚)そりゃ、品目指定ですから、ズラズラ並べりゃいくらでも入りますけどね。ただ、その品目指定の意味がなくなってきますからね。
(交)だから、これは調べる必要があると言う事でしょう?
 普通に、例えば死亡が出たりすれば、緊急にやってますよね。死亡例が何例も出てるのを何も来年度に回すなんて言い方はしないでしょ?
 たまたまずっと使ってて、これだけだから、みたいな認識じゃないかと言う気がするんだよね。そこの認識が拡散してると言うか。実際死亡例があるにも関わらず対応が鈍いと言う感じがするんだよね。この問題に関して言うと、もう少し迅速な対応が必要なんだと思うよ。皆さん、言ってる事は、ともかく体験に基づいて早く調査して貰いたいと言ってるんだから。確かに差があり過ぎるのが問題だと思う。
 厚生省の返事としては、1989年11月22日付けの朝日新聞によれば、「モニター制度などを利用して被害状況を収集したい」と言ってるんです。もう2年半前です。その後、半年後には「ともかく今情報を収集している所だ」と話してるんです。今から2年前です。じゃ、2年経ってからどうなってるかと言うと、何もなってない。
 その2年間にどれだけ情報収集したんですか? 嘘だったんですか? これは、日本の厚生省の大きな嘘じゃないですか。2年半前に情報を集めるって言って、2年半後に来たら何もないんですか? 日母がこういう事をやっていながら、厚生行政自体の指導がないと、これじゃ、まるで製薬企業と癒着してるとしか言い様がない。もう一回緊急度について来年度の話じゃなくて、検討して貰はなくてはね。
 2年半前の発言の真意をちゃんと調べて下さい。嘘だったら謝罪して下さい。2年半前に情報を集めてると書いてあるんでしょ。どうしてモニター制度を利用して収集して欲しいかと言ってるかと言うと、使い方の問題が本当に日母の指導している用量と能書が全く違うんです。例えば、能書の方は点滴だけではなくて、皮下注射も認めてるんですよ。日母は調節ができない危険だからするべきではないと書いてるんです。「するべきでない」と言うのと、「何分おきに何単位でしなさい」と言うのとでは全く違いますよね。だから、そう言う事もきちんと全てを読んで検討して頂きたいんです。
 前から言ってる話を厚生省は余りにも腰を上げないから、たまたま平山さんが今ここに座ってらっしゃる時に、こうして集約して来てるだけの事で、被害を受けてる方が前から言ってる話なんです。それを、それほど深刻な問題として受け止めて来なかった平山さんの前の方々というか、失礼な言い方かも知れないけれど、そういう経過だと思うんです。確かに、後手後手になっていて事実は認めざるを得ないと思いますね。だから、そこの所でもっと早くやらなきゃと言う認識を持って貰いたいと思ってるんです。過去のいい加減をこれからも引きずって行くかどうか、ですね。これを、緊急性のものとして、品目指定としてやれるか、やれないか、そこの検討を是非して頂きたいとしか言えない。
 国民が来てるんだから、何か返事をして下さい。すべきじゃないですか?出来るけど、考えて見ないと分からないと言う返答ではなくて、一応代表者ですからね。自分がするぞと言ったら済む話じゃないのですか? そうでしょう。
(厚)代表者ったって、私だって他にまだいっぱいいますからね。それで蹴られりゃおしまいです。
(交)厚生大臣に質問出してもいいと言う事も言われましたが、そうすれば厚生大臣から担当の係官に順に流れて行くからと言う言い方もした訳です。
 あなたが考えられる事を他に言って下さいと、さっきから言ってるでしょ。それに対して、どう言う問題があるから出来ないんだと、言う事をはっきり言ってくれたら我々も打つ手がある訳ですよ。お互いに検討しよと言ってるんですよ。あなたの言い方では何もしないって事になるでしょう。何が出来るんですか。あなたで出来る事をと言ったら「今年は無理だ。来年だったら少しは可能性があるみたい」な事だけれども、それも約束しないでしょう。他に何があるんですか? 例えば、能書の問題だって薬事法上は、ちゃんと釈明権があるんだから製薬会社に対して、こう言う問題が起こってると、能書を改正する必要があるという事をあなただって言えるでしょう。安全課の担当範囲じゃない。そう言う事は薬事法でちゃんと決ってるよ。日母の書いてるのと、能書違うからと、改正し直さして下さい。ちゃんと行政官として釈明権が、行使権限があるんだから。法律上の問題じゃない。そういう権限をちゃんと行使しなさい。
 何でしないの? 黙ってたらどうするの? 結局。調べなきゃ分かりませんと繰り返すけどだったらどう言う方法で何を調べるのか、具体的に納得するように答えてくれないと。 皆、子供や妻を亡くして来てるんです。
 先程の根拠の問題で、ちゃんと根拠はあるんだから、日母に話聞いてみなさい。後、業者に対して、どうしてこう言う形の能書になってるのか、それだけでもやんなさいよ。
(厚)これだって(日母の冊子の事)正式に日母からこちらに来た訳じゃないですから。(交)だから、日母に対して、日母がそれを作ってる根拠のデータと製薬会社がそれを書いてる根拠のデータを集めるんですか?
(厚)それは、医師からですか?
(交)はい。だから、秘密文書でも何でもないんです。会員さんから頂いたものです。何万人と持ってる訳です。
 被害者の方から貰ったでいいじゃない。はっきりしてる。
 やるという方向でいくんなら、とにかく当たってやってみましょうとか、そんな答えを出してくれなきゃあ困るよ。全国から来てるんだから。
 今、可能性として3つの方法が出てるでしょ。1つは「品目指定して実態把握しなさい」もう一つは日母と何らかの形で「緊急会議を開くなりして、調査する」という事と、もう一つは「能書について製薬会社に求釈明を求める」、この3つが出てる。
 3つ共、絶対して貰いたい大事な事なんです。
 この3点について、どういう風にされるかを伺いましょうか。時間かかったら4点になったり、5点になったりするよ。
(厚)うーん、まあ最初の品目指定については、今年度はおそらく無理だと思いますけど来年度どうするかを一応検討します。
(交)無理って、予算じゃないんだから、唯付け加えればいいんだから、できない訳ないと思うんですけれど。じゃ、出来ない訳を教えて下さい。
(厚)もう全部手続きが済んでるから。
(交)手続きが済んじゃったからって、じゃ緊急性は?
(厚)緊急性ったって、もう一回緊急性を調べてみないとわかりません。
(交)調べて緊急性が認められれば直ぐにでもして貰えますね。
(厚)緊急性が・・・。
(交)緊急だと思いません?たくさんの方が死んでるんですよ。脳性麻痺が毎日作られてるんですよ。
(厚)だから、来年度出来るかどうかについては検討します。
厚生省側は、どうも緊急を要する事態だと感じていないようで、調査もしないで来年度は検討の余地があると言うばかりである。
(交)緊急だと感じても、国は動かないのですか?年度の途中で薬についての期限を切る事自体本当はおかしな話でしょ。
(厚)だから品目指定という制度でやっていますから。
(交)制度と言っても薬に危険性があればいつでもできる制度に変えなきゃいけませんでしょう。
 そんな場合は品目指定じゃなくて、ドクターレターでも良いわけで。それこそ緊急性が分かった場合はドクターレターでいくと。一番大事なのは2番目の調査です。具体的にどうするんですか? 日母との関係は具体的にどうするんですか?
(厚)日母とは、関係部署と話し合って見ないと分かりません。
(交)話し合って見ないと分からないから、話し合ってみる?
(厚)今でも話し合いはしていますよ。これについての取り扱いは今迄これ(日母の冊子)はなかったですから。
(交)じゃ、それについてはお願いします。お約束ね。
 製薬会社の求釈明はどうするの? こういう風に日母はいってる、と製薬メーカーはどう考えてるのかと、これは聞く事が出来ますよね。
 私に使われたのは、シントシノンと言う薬(オキシトシンでサンド薬品)なんです。それで製薬会社に電話しましたら、「最近はほとんど使っていないんですがね」と、8年前でした。ほとんど使ってないという事と、使う前にはテストをして使うのが普通ですけどね、と言われた。ですが、当然テストはされなかった。この薬の生産量と使用量についてシントシノン・アトニンOに対してデータが欲しいんです。
(厚)シントシノン?
(交)シントシノンというのは、オキシトシンの事です。
(厚)ああ、そうなんですか。
(交)どれだけ製造して使われているか、このシントシノンに限らずアトニンOもだし、プロスタグランディンもです。小野薬品さんもあれば、科研さんもあります。増えてるというのは、日母が言ってますが、実際どれだけ作られて使用されているのかです。
 ともかく求釈明については、どう考えてらっしゃるの?
(厚)それは、製薬企業に対して用量の話でしょ。
(交)そうそう、能書通りだったら被害が多いから能書よりも少なくしないといかんと日母が言ってるけれども、能書が何故そうなってるのかを製薬会社に聞いてくれるのかと言う事です。
(厚)要するに、これの物と、これの物との違いについて根拠を調べるという事、それについては、やらないと、その後の話ができないですから。
(交)やって下さると言う事ですね。気持ち良くはっきり言って下さい。やります、と何で言えないのですか。回りくどいですよ。最後位締めて下さい。2年前にこの通りやってたら僕ら被害なかったです。どうしてくれるんですか。本当に。2年前にこれやってたら子供死にませんでした。どうしてくれるんですか。今迄の人がどんな人か全然知りませんけど、これから、あなたがある程度の事をきちっと言ってくれたらちょっとは僕も希望を持てるし、娘の被害も役立つかなと思います。
 使用する時の能書に分娩監視装置を義務付ける事を要望しているんですけれど。
(厚)これ、書いてるんじゃないの?
(交)いえ、書いてません。能書には全くないですよ。
(厚)一般的注意の下に・・・。
(交)書いてません。胎児心音と言うのはありますけど、分娩監視装置を付けるという事は書いてありません。
(厚)一般的注意の上に妊娠母体、胎児の状態を絶えず監視する条件下で使用する・・・これは。
(交)これは、分娩監視装置を装着する事とは違います。
 厚生省はそうだと思ってたのですか?
(厚)だから、その装置を付ける付けないの話を具体的に書くのはどうなんですかね。
(交)それは、どうしてかと言いますと(胎児心音測定は)ドプラーとかトラウベとかありますね。これでする時には、陣痛が収まった時に測るんですね。分娩監視装置で測る場合は常時心音が出る訳です。これの違いなんです。陣痛が強く来てる時から陣痛が収まる時にかけての心音というのが、すごく大事なんです。
 だから、そういう認識を持って貰えれば分娩監視装置がいかに大事な事かが分かるんですよ。自然分娩であれば、ドプラーでもトラウベでもちゃんと監視すれば、いいんですけれど、陣痛促進剤を使って人工的に無理矢理陣痛を起こす場合には、やはり分娩監視装置はなくてはならない物と、皆さん認識してるんです。
(厚)こちらの方は(日母の冊子)どうなってるんですか?
(交)これには、付ける事が望ましいとなっています。   
(厚)望ましい・・・。
(交)でも常識になってるって事ですよ。
(厚)だから、その具体的な物を付けなければいけないと言うのは設備の問題ですからね。(交)器械は設備かも知れませんが、薬を使われてるのは人間なんですね。その人間をちゃんと監視するためにはどうすれば良いかという事になると、やはりトラウベやドプラーではなくて分娩監視装置でしかあり得ないんですね。
(厚)うーん。
(交)そして、たとえば陣痛促進剤をどんどん使って、陣痛がひっきりなしに来ますよね。そういう時、データが全く残らない訳ですよ。これは大事な事なんです。
(厚)これはねー・・・非常に・・・。
 分娩監視装置のない処では使うべきじゃない・・・。
(交)使うべきじゃないんです。   
(厚)使う必要性のある時もありませんか。まさに医学的適応、乱用。どういう風に解釈すれば良いのか。
(交)使うべきじゃないのは本当です。
(厚)だけど、緊急の場合、使わなきゃならない事がありませんですか?
(交)緊急の場合って事になれば、帝王切開の方が早いですね。日母は、これと同じので「分娩監視装置」という冊子を出しています。それは、日母が独自の基準で分娩監視装置を作ったと言う事を書いて、それは、何の為に作ったかと言う事も書いてある。これも是非、日母の人と連絡を取り合って、国民からこんな声もあるけど分娩監視装置について不勉強なんで、分娩監視装置の義務付けが本当に必要なのか、と聞いてみて下さい。
 そうですね。日母に聞いて貰えれば、それはどうしても必要な物ですよと、言うと思いますよ。
(厚)それは、書いてあると本来無い施設でやった場合に・・。 
(交)でも、消極的に「望ましい」でもまあ最大限に許して上げてもいいですけれど、その言葉がないといけないと思うんですよ。無い施設ではやらないようにしていった方が良いんですよ。分娩監視装置のない施設では控えるようにみたいな文章を書く事によって分娩監視装置が必要なんだなと分かると思うんです。
(厚)まあ、その辺は検討して見ないと・・・・。
(交)はい、それは日母とも相談してみて下さい。3番目はどうですか? 質問出していますので、回答だけ頂きます。
(厚)だから、本来私の両脇に誰か座って貰わないと困るんですけれど・・・。
乱用防止の為、陣痛促進剤の使用は医学的適用に限れ!
(交)例えば、病院側が全く誘発する必要のないものを「いつ生みますか」と聞くんです。そう言う事は明らかに病院の都合でしかない訳でしょう。夜は休みたい。日曜日はゴルフに行きたい。最近は、このような医師が多いんですが、それでは事故が起こる可能性は高いんです。自然分娩よりも。一つ参考に覚えておいて欲しいんですが、これと同じ様なのがS49年に「分娩誘発法」という研修ノートが出てるんです。それには、医療施設側の事情、医師の都合により分娩誘発する場合も適応として載っていたが、今回、事故が多いからと言う前書きで冊子には医療施設側の事情によって計画分娩を行なう事はトラブルの元になるので、決して行なうべきではないと医者達は、そう思ってきてるんです。日母は、今はそういう認識をしている訳です。これは、僕達、国民の声でもあるけれど医師達の意見と今は一致している訳です。厚生省も一致して下さいと言う事です。
(厚)三番は計画分娩の話ですか?  
(交)ところが、実際には言わずに使ってしまうんです。私の場合もそうだったんですが、病院の都合で、ともかく入院させて次々流れ作業的に薬を使ってるんです。例えば、私の場合公立病院ですが、皆に流れ作業的に使ってる薬だからと言う形で・・・。医師の意識ってのが、「どこでも誰でもが使ってる薬だから大丈夫だ」みたいな認識しかないのです。 そこをちゃんとして貰わなければいけないと思うんです。監視装置もあるのに使わないなど、それ位慣れてしまってる病院が多いんですよ。その点、だから文章でやって頂かないと。日母との話し合いの中で、そういう機会が持てたら研修ノートをしっかり見て貰おうという事、初心に帰って、その事はとても大事だと思う。全然見ないとか、古い分を参考にして、それっきりとか、そう言う使い方をしていると思うんです。そう言った事も厚生省の管轄でやって頂きたい。
(厚)そう言う主旨じゃないかと関係の所に連絡がいってるんですが、3行目に書いてある様に薬剤の適応を医学的適応に限るとか、薬剤に関連づけられているんで、結局薬務局に来てるんで、計画分娩については薬務局は答えられませんのでね。そこは何か計画分娩に気をつけよとか、中身をちゃんと書いてくれないと。
(交)どこが担当すべきか、はっきりしない。平山さんは内容について本当に言わんとする主旨の担当じゃないと。
 担当の方は今日欠席するに当たってどの様に言って下さいと言われました?
(厚)言ってくれません。今日の朝まで出る予定してて、朝に突然・・・。
(交)突然出られなくなった訳だね。その理由は?
(厚)他に会議が出来たという事でした。
(交)こんな会議よりも、もっと大事な会議があると?
(厚)あったと言う事だと思います。
(交)平山さん頭がいいからメモもとっていらっしゃらないけど、この場の状況を頭の中にしっかりたたき込んで下さって、臨場感を添えてしっかりとお伝え下さい。
 3番については、改めて質問させて頂く事にしましょう。はっきり書けと言うんなら、もっとはっきり書かんといかんでしょう。そう言う事でさっきの3点についてお願いした訳で、早急に取り組んで頂きたいという事をお願いして、今日は一応交渉を終わりにしたいと思います。宜しくお願いします。ありがとうございました。

 1時間半に渡り、激論が交わされましたが、厚生省側の返答は終始のらりくらりで、じれったい思いをしました。陣痛促進剤を取り巻く日本の現状を知ったなら、普通の人が普通に考えれば、「何とかしなくては」と思うのが普通の事です。厚生省は何人の人間が死亡、又は脳性麻痺になったら動こうというのだろうか? それにしても、誠意の感じられない「会議」であった。次回はどのような発言をするのだろうか。一人でも多くの会員の参加を呼びかけます。厚生省に対して怒りが込み上げてきた人もおられる事でしょう。私達が行動しなければ何も変わりません。元気を出して頑張りましょう。(出元)


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