明石市消防本部は今年4月から、救急搬送中に気管挿管や薬剤投与の医療行為ができる「認定救急救命士」を、市内6消防署・分署に配備している計6台の救急車に常に1人を乗務させる。5台以上の救急車を配備する一定規模以上の県内13消防局・本部では、初めての試み。
救急救命士は、講習と病院での実習を終え、県救急業務高度化協議会の認定を受ければ、心肺機能停止状態の患者の気管に管を入れ、肺に直接酸素を送り込んだり、心拍回復効果のある薬剤を投与するなどの救命処置ができる。
明石市消防本部では、救急隊員の勤務は24時間2交代制で、6台の救急車に常時1人を乗せるには12人の認定救急救命士が必要だった。現在11人の認定救命救急士がおり、3月中に12人目が認定されることになったことから、全救急車への配置を決めた。
気管挿管は、04年8月から07年12月までに61人を処置し、10人を救命。薬剤投与は06年4月から07年12月まで33人に施し、16人が助かっている。
明石市消防本部の東森茂久次長は「今後、毎年5人を養成し、市民の安心安全を守っていきたい」と話している。【南良靖雄】
〔神戸版〕
毎日新聞 2008年1月29日