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ドクターヘリ:運航スタート 効率的な運用に課題 「出動要請に躊躇」の声も /福島

 東北地方で初めての救急医療用ヘリコプター「ドクターヘリ」の運用が28日始まり、県北地方初となる県立医大内の「救命救急センター」も併せて開設した。ドクターヘリは県内全域に40分以内に到着できる。患者の救命率向上や後遺症軽減などが期待され、効率的な運用が課題となる。【西嶋正法】

 ドクターヘリは、人工呼吸器や心電図モニター、酸素マスクなどの医療機器を搭載。普段は同医大のヘリポートで待機し、各地区の消防本部の要請を受けて現場に向かう。ヘリには医師と看護師が同乗し、現場で救急治療を施した後、各地区の拠点病院などに搬送する。

 県医療看護グループによると、ドクターヘリの出動要請基準は、▽生命の危険が切迫しているかその可能性がある▽救急現場で医師の緊急処置が必要▽重いやけどなどで搬送時間の短縮が必要--など。搬送できるのは一度に患者2人までで、大規模災害や多重事故で重症者が多数の場合は、消防防災ヘリと併用していく。原則として県内で運用されるが、近隣県で大規模災害が発生した場合は、県外出動も検討する。

 南会津地方広域消防本部の芳賀正義次長は「奥会津は雪道の事故や山岳遭難が多いので、ドクターヘリは心強い」と期待。相馬地方広域消防本部の草刈薫・救急係長は「現場ではヘリを要請するべきか躊躇(ちゅうちょ)する時もあると思うが、迷ったらまずは要請したい」と話した。

 この日、ドクターヘリと救命救急センターの開始式が同大ヘリポートであり、佐藤雄平知事は「福島は広大だが、地域間で医療格差があってはいけない。医療に恵まれない人たちの安全安心が飛躍的に高まり、万が一の時に大きな威力が発揮されるだろう」と語った。

毎日新聞 2008年1月29日

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