私が記者登録をした理由

どの新聞も「使命と理念」を失っている

宮本 俊吾(2008-01-29 14:15)
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 2008年1月24日に市民記者登録したばかりの新参者です。

 ITに疎く、あと1年で、年金受給資格を有する私が、オーマイニュースに登録した理由は、既存の新聞が「使命」と「理念」を失っていることと、「オーマイニュース」が投稿自由な場所であることだ。

 私自身はいままで新聞への投稿経験はない。しかし、どの新聞にも有る「読者欄」の面白さは、新聞の顔とされる社説を凌駕していると思う。

 限られた字数、種々の制約にも拘わらず、着眼点と論旨の進め方は、一般読者の識見の水準の高さを示している。

 新聞購読が急速に減少しているらしい理由に「活字離れ」や「インターネットの普及」がしばしば挙げられるが、最大の理由は、新聞の「内容がつまらないし、面白くない」ことと、「各新聞紙にアイデンティティーが無くなった」ことに尽きると思う。 

 新聞の使命は、事実を調べ、真実を「記事」として正しく伝えること。そして理念は、社会全体を見て「社説」として、読者に警鐘を鳴らし、啓蒙することにある。

 新聞記者たちの仕事の実態はよく知らないが、自らの足を使って事実を掘り起こした記事よりも、官庁・警察・大企業の発表や、他メディアによる既報を情報源として頼り、それに識者、あるいは他メディアの言を借りて、まとめたものの方が目立つ。社説はさらに、その1次情報を他所に依存した、いわば受け売り記事に、通りのよさそうな私見を加えたものにしか、私には思えない。内容よりも見出しを競い合う姿勢も目立つ。
 
 「木を見て、森を見ず」なる言葉は今の新聞にも当てはまるようだ。

 昔の医者、特に町医者は、患者の顔色を見て、病気の有無と治療法を伝えた。が、今の医者は、問診表や検査データしか見ない。細分化された専門分野で、技術・知識を学んでいるから、体全体を診る事が出来なくなっている。

 新聞も、政治欄、経済欄、文化・家庭欄、科学欄、社会欄、などに細分化されていて、見出しは異なっても、中身を読むと、各紙似たような内容になっている。   

 日本、そして地球を「森」に見立てると、間違いなく今、疲弊し、病んでいる兆しを見せている。日本と云う「森」に必要なのは、「樹木医」ではなく、「森林管理人」である。本来は国のリーダーが、この役目をしなければならないのだが、専門知識のみ誇り、枝葉末節にこだわるから、全体管理も出来ないし、全体像も描けない。  

 どの党に、総理に誰が代わったとしても、賢明なる国民は、大いなる不安と不満を抱いている。

 我ら庶民は、能力無き者に夢を託したり、無いものネダリはしない。無党派層として、無視するだけだ。言っても無駄な事が、判っているからだ。
 
 本来、だからこそ、ジャーナリストがその役割を勤めなければならないのであろうが、先に言ったように、彼らもメディアもそれに応えていない。ペンは剣よりも強かったはずなのに……。

 私は「昔の町医者」を目指したい。取材範囲は狭く、アンテナも低いが、新聞が追い求めないテーマを採り上げて、記事を書いていこうと思う。そして同好のなかから、「足腰弱り、顔色もよくないこの国」を治療出来る名医の現われんことを願う。



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