「超党派維持」訴え/文科省対応に抗議
沖縄戦の「集団自決(強制集団死)」をめぐる教科書検定問題で「6・9沖縄戦の歴史歪曲を許さない!県民大会」実行委員会は二十八日、「集団自決」への日本軍の強制を明示する教科書記述を認めなかった文部科学省の訂正申請への対応に抗議する集会を、那覇市の教育福祉会館で開き、約百五十人が参加した。
集会では琉球大の高嶋伸欣教授が、訂正申請で文科省から四回の書き直しを命じられた教科書会社があったことを紹介、「あいまいな規則を文科省が意図的に運用している。教科書検定制度を大きく改善させなければならない」と話した。
同大の山口剛史准教授は「集団自決」への軍強制を認めない教科書検定意見が残された影響で「訂正申請後の記述でも、軍強制と『集団自決』の関係があやふやにされた」ことを説明し、「四月からは新学習指導要領で愛国心教育が始まり、教科書への悪影響や攻撃が続く」と懸念を示した。
会場からは、自民党県連が、九月二十九日の「教科書検定意見撤回を求める県民大会」実行委員会に解散を求める方針を決めたことを疑問視する声が相次ぎ、「県民は『沖縄戦の真実を教科書に』という一致点のもと、超党派でのとりくみをすすめよう」との集会アピールが採択された。
集会に参加した青春を語る会の中山きく代表(白梅同窓会長)は「沖縄戦を体験した者として、軍命がなかったとは言わせない。今後も同じ県民として超党派の立場で運動できるよう頑張りたい」と訴えた。