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記者のひとりごと:現場だけの問題ではない /東京

 清瀬市で今月8日、救急搬送中の女性(95)を11病院が受け入れられず、結果的に亡くなった。

 救急隊は3分で到着し東京消防庁本部と一緒に受け入れ先を探した。連絡を受けた病院も他の患者の処置中で、「受け入れたくても受け入れできない状態」。それぞれが持ち場で役割を果たしていながら、なぜ不幸な出来事が起きるのか。

 ある医師は、現場の対応を生かせない連携体制の不備、地域や特定診療科の医師偏在を挙げ、「救急外来のコンビニ化なども大きな問題だ」と指摘する。

 総務省消防庁は昨年12月、奈良県で救急搬送中の妊婦が死産した問題を受け、病院、消防、自治体三者の連携を図るため作業部会を設置した。厚生労働省も医師不足対策に取り組む。しかしある病院は「重症患者を収容する2次救急病院が医師不足で減少し、命にかかわる3次救急病院の負担が増している」と現状を明かす。

 救急医療の問題は現場の個人だけの問題ではない。【酒井祥宏】

毎日新聞 2008年1月29日

 

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