福岡市東区で起きた飲酒運転による3児死亡事故で、業務上過失致死傷罪などで懲役7年6月の判決を受けた元同市職員今林大(ふとし)被告(23)の弁護側は22日、福岡地裁判決を「事実誤認で量刑不当」として福岡高裁に控訴した。検察側も危険運転致死傷罪の適用を求め、既に控訴している。

 控訴理由について、主任弁護人の春山九州男弁護士は「(被害者側の)居眠り運転による過失もある、との主張を認めなかったのは事実誤認」と説明。控訴審で「引き続き事故態様を分析して適正な責任の配分を求めたい」としている。

 弁護側は公判で、飲酒の影響を否定。さらに、「(被害者側の)過失も加わって被害結果が拡大した」「報道などで社会的制裁を受けている」として、執行猶予付きの判決を求めていた。地裁判決は居眠り運転は否定したが、弁護側の主張通り事故原因を「脇見運転」と認定。業務上過失致死傷罪などの併合罪で懲役7年6月を言い渡した。

 3児の両親、大上哲央(あきお)さん(34)、かおりさん(31)夫妻は22日、「(被告側の控訴は)全く信じられない気持ちで、不愉快に思います」とコメントを発表した。

=2008/01/23付 西日本新聞朝刊=