ほど遠いカリスマ性…「名誉より金」を取るAロッド
金より名誉か、名誉より金か。ブルワーズのプリンス・フィルダー一塁手(23)=1989年に阪神に在籍したセシルの長男=が今月12日(日本時間13日)、こんな発言をしていた。
「表彰を欠席したアレックスがブーイングされたのを見て以来、授賞式は必ず出席すると決めたんだ。名誉なことだからね。もらい過ぎになることはないし、そう考える人間にはなりたくない」
昨季ナ・リーグ本塁打王のフィルダーは12日、カンザスシティーにあるニグロリーグ博物館が選出したMVPを受賞。ア・リーグ2冠王で米大リーグ最高年俸を誇るヤンキースのアレックス・ロドリゲス内野手(32)を反面教師に挙げた。
2人は昨季のハンク・アーロン(最優秀打者)賞を受賞したが、ロドリゲスはワールドシリーズ第4戦前の表彰式を欠席。観客席から大ブーイングを浴びた。しかも、試合中に代理人のスコット・ボラス氏(55)がヤ軍との契約放棄を発表。レッドソックス世界一の報道に影響が出るほどの騒ぎになり、「シリーズ中に大きな発表はしないように」と通達していたバド・セリグ・コミッショナー(73)を激怒させた。
確かにオフはさまざまな予定があるだろうし、表彰だけでは金にならない。だが、金で買えないのが名誉でもある。そんなことをメジャーでの実績が3年足らずのフィルダーに指摘されてしまうとは…。
出来高を含めれば総額3億ドル(約318億円)という10年契約でヤ軍残留を決め、通算1000本塁打の可能性さえあるロドリゲスだが、この「名誉より金」の姿勢を改めない限り、今後もファンや他の選手から敬われるカリスマ性は身につけられそうにない。
(MLBキャップ・田代学)