■VDT作業による目の疲労の実証
パソコンを長時間使用するVDT(Visual Display Terminal)作業を主業務(1日当り約6時間従事)とする方16名を対象に、疲れ目の程度をピント調節力により評価しました。その結果、VDT作業によりピント調節力が低下する傾向が分かりました。さらに、休日明け初日(月曜日)と週末(金曜日)を比較すると、5日間で顕著にピント調節力が低下していました。 ■VDT作業終了後に、蒸しタオルで目を温める効果
上記の被験者に対し、VDT作業終了後に蒸しタオルで目を温めるという方法が、どのような影響を及ぼすかを検討しました。その結果、心地よいと感じる温度の蒸しタオルを目にあてて、約40℃で3分間(蒸しタオル1本を使用)、もしくは約40℃で10分間(蒸しタオル5本を連続使用)温めることで、VDT作業で低下したピント調節力が回復することを明らかにしました。また、この被験者に、蒸しタオル使用後の感想を調べたところ、約40℃で3分間に比べ、10分間と長く温めた場合の方が効果を実感する人が多いことが分かりました。 ■ドライアイへの、蒸しタオルで目を温める効果
ドライアイと診断される方27名を対象に、蒸しタオルで目を温めたときのドライアイ改善効果を調べました。その結果、約40℃で3分間(蒸しタオル1本使用)温めた場合は改善した目は5%程度でしたが、約40℃で10分間(蒸しタオル5本を連続使用)温めた場合は36%の目に改善が認められました。 以上より、VDT作業の目の酷使の実態と、疲れ目やドライアイのケアとして、家庭でもできる「蒸しタオルで目を温めること」が有効であることを確認しました。 本内容は、日本臨床眼科学会(2007年10月11~14日、京都)で発表いたします。 |