右肩を押さえ倒れ込むDFブルーノクアドロス=グアム・レオパレスリゾート
|
|
【グアム松岡祐司】「城福東京」に暗雲が漂った。FC東京のDFブルーノクアドロス(30)が28日、練習試合の仁川(韓国)戦で相手FWと激しく接触して転倒。そのまま病院へ直行し、検査の結果、「右肩鎖(けんさ)関節脱臼で全治2週間−2カ月」と診断された。きょう29日に日本へ戻り、精密検査を受けるが、最悪の場合は手術を受けることになり、守備の要が開幕戦に間に合わない可能性も出てきた。
アクシデントが起きたのは前半22分だった。CBで先発したブルーノが相手のパスを追い、FWと激しくぶつかり合って倒れ込んだ。右肩を押さえ込んでピッチにうずくまり、自力では起き上がれない。約15分後、両脇を抱えられるようにベンチに引き揚げてきたブルーノは、涙を流して泣いていた。
後半途中にグアムの病院へ運ばれ、検査を受けた結果、骨には異常はなかったが、右肩脱臼の診断で長期離脱が決定。クラブ関係者によると、現地の医者の診断では負傷の重度は3段階の2ランク目にあたる「2度」。きょう29日に日本へ戻り、精密検査の結果次第では、手術に踏み切る可能性もあるという。
宿舎に戻ったブルーノは「ちょっと大丈夫じゃない。ケガをしてしまって、チームに本当に申し訳ない。今は我慢しなければならない。我慢しなければ」と、痛みと悔しさをこらえ気丈に語った。
軽傷ならば開幕前にも復帰可能だが、手術が必要な場合は早くても4月以降にずれ込む可能性が高い。ボランチ、CBをこなす守備の要の離脱は痛いが、城福監督は「早く治してほしいが、今いる人間がレベルアップすることが大事」と話した。
ブルーノは真摯(しんし)な姿勢で練習に取り組み、チームに溶け込み始めていた。選手、スタッフの名前を早々と覚え、ピッチでは大声を張り上げリーダーシップを発揮した。新指揮官の構想を覆す緊急事態。順風の城福東京に、船出を前に暗雲が立ち込めた。
この記事を印刷する