厳しい寒さが続いている。大寒から節分まで一年で一番寒い時期というが、暦通りの冷え込みだ。本当に春が待ち遠しい。この時期、人一倍春を望んでいるのが受験生だろう。
大学入試はシーズン本番だ。十九、二十日のセンター試験に続いて、私立大の二次試験が始まっている。国公立大は二十八日から願書の受け付けがスタート、前期試験、後期試験と三月まで続く。
一方で、一足早く合格切符を手にしているのが、アドミッション・オフィス(AO)入試や推薦入試の受験生だ。こちらが年々増えており、文部科学省の調査では、本年度の国公私立大入学者のうちAO入試は7%、推薦入試は36%を占めた。
少子化時代、学生を囲い込みたい大学と、早く進路を決めて楽になりたい受験生。双方のニーズが合致して広がってきた。ただ、青田買いとか、書類審査や面接だけで学力検査がないために学力低下が指摘され、見直しの意見もある。
志願者数と入学者数がほぼ同じになる「大学全入時代」も、あくまで数字のうえの話だ。今、春を目指す受験生にとっては、目の前に大きな試練がある。乗り越えなければならないハードルとして、ここはしっかり受け止めてほしい。結果がどうであれ、これからの長い人生の中で、必ず糧になるに違いない。
「冬来たりなば、春遠からじ」。もう一踏ん張りだ。