ロシアは北方領土を返したがっている
日本で初めて、本格的な様式帆船が作られたのは、1855年、戸田村(現・沼津市)において、なんだが、そもそもロシアの軍艦ディアナ号がペリー提督の直後に来日して、アメリカと同じように開国するように日本に迫っていたわけだ。ところが、肝心の軍艦が沈没してしまって、兵隊たちを帰国させるために、戸田村の船大工によってわずか三ヶ月で作られた君沢型帆船ヘダ号というのが、日本で初めて作られた本格的な様式帆船だ。で、急遽建造したヘダ号が出来ると、プチャーチン提督は日魯修好条約を結んで帰国するんだが、その条文には、こう書いてある。
第一条
今より後、両国末長く真実懇(ねんごろ)にして、各其所領に於て、互に保護し、人命は勿論什物(じもつ)に於ても損害なかるべし。
第二条
今より後、日本国と魯西亜(ロシア)国との境、エトロフ島とフルップ島との間にあるべし。エトロフ全島は日本に属し、ウルップ全島、夫より北の方クリル諸島は、魯西亜に属す。カラフト島に至りては、日本国と魯西亜の間において、界を分かたず、是迄什来(しきたり)の通なるべし
これで判るのは、いわゆる北方四島というのは、当初から日本の領土としてロシアも認めていた、という事なんだが、その後、色々と変遷があって、1876年、千島列島を貰う代わりにカラフトの利権をロシアに譲ったり、1905年のポーツマス条約でカラフトを半分日本領にしてみたり、戦争で負けて取られたり、幾時代かがありまして、茶色い戦争ありました、わけだ。ゆやゆよん。
ところで、戸田には造船資料館というのがあるんだが、その入口に記念碑が建っていて、資料館を作った時に、当時のソ連邦から500万円の寄付金があったと記載されている。ディアナ号の沈没とヘダ号の造船の逸話はロシアでも伝えられていて、今でも戸田の住民とロシアとは交流があったりするわけだ。まぁ、そうした関係から考えて、ロシアが最終的には四島返還に同意するだろうと、おいらは睨んでいる。でなければ、造船資料館に500万円も寄付したりしない。
で、最近になってロシアが「北方領土を返す」と言って来てるわけだ。おいらが聞いたところでは、「早く返したいんだが、日本側が話に乗ってくれない」とかで、というのも、ロシアの資源外交の一環として、天然ガスのパイプラインを北海道まで引いて売りたいらしい。そのパイプラインの建造費やら、日本が負担してくれるなら、北方領土を四島丸ごと返してもいい、と。ロシア人がそう言っていたと、駿河湾のタカアシガニから聞きました。で、国際情勢の分析と予測さんちなんだが、
北方領土問題で歯舞、色丹両島の引き渡しと国後、択捉両島の帰属問題を並行して交渉する並行協議方式での交渉の用意があると元ロシア駐日大使が表明した。並行協議方式はかつて鈴木宗男氏が主張した方式であるが、1956年の日ソ共同宣言が歯舞色丹の返還のみを定めており日本側に国後択捉の領有権の根拠が薄いことを考えると全く正当な交渉方針である。折しも2月7日の北方領土の日が近づきつつあるが、日本政府は直ちにロシアと交渉に入り、四島との方針にはこだわらずに二島+?の線での合意を結ぶべきであろう。
(中略)
ソ連のゴルバチョフ政権はドイツ統一と同時期に北方領土返還を考えていたが、日本側が断ったという噂がある。それが本当かどうかは分からないが、もし1990年代はじめに北方領土問題が解決されていたら、韓国でも竹島を日本に返還して良好な日韓関係を築き、それによって日本の衛星国の地位を獲得しようという外交戦略が採られていた危険性がある。竹島問題の解決を阻止するために北方領土返還が先送りされた、という可能性は考えておくべきかもしれない。
とりあえず整理すると、「二島はすぐ返す」というわけだ。「あとは交渉だよ」と。あとがどんだけ~なのかは、まぁ、ゆっくり話をすればいい。領土は、まぁ、四島だけでいいだろうが、カラフト開発の利権なんてのもアレなので、そこら辺がどう盛り込まれるのかがポイントだな。
で、竹島もそうなんだが、
本当に返還されると困る人たちというのがいるわけだ。ちょっと考えれば判るんだが、日本とロシア、日本と韓国のあいだに領土問題がなく、友好的な関係になってしまうと、青くなるヤツがいる。まぁ、下世話な例で考えると、遠距離恋愛は難しいというようなもんだな。近所のオトコに毎晩口説かれたら、そら、遠くの彼氏は気が気ではない。なので、北方領土問題で本気になると、その政治家は潰されるというのもまた、日本の触れてはならぬタブーだったりするんだが、今だったら、潰されてもいい覚悟なら、取り返せるのではないかと思う。誰か、北方領土の為に命を捨てる政治家はおらんかね? なんだったら、おいらの帆船貸してやってもいいぞ。アレは、ロシア政府からも認められ、毎年、大使館のパーティーに船長が呼ばれるという、ヘダ号の魂を受け継いだ船なんだが。
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