株式会社エルゴソフト
Universalアプリケーションでは全体的なパフォーマンスが向上することで、ユーザは趣味でも仕事でも快適なソフトウェア環境をIntel搭載Macで利用できるのです。
Intelプロセッサへの移行と共に、Macは新しい時代へと踏み出しました。Intel搭載Macでネイティブに動作するUniversalアプリケーションとして、すでに多くのジャンルで数えきれないほどの製品がリリースされていますが、待望のUniversalバージョンで新登場した日本語ワープロソフト「egword Universal」は、その魅力をダイレクトに体感できる代表的な存在と言えます。
Universalアプリケーションの最大のメリットは、何といってもIntelプロセッサ搭載のMacで発揮できる圧倒的なパフォーマンスです。例えば、Universalアプリケーションの3Dレンダリングの処理スピードの場合、1.83GHzのIntel Core Duoプロセッサを搭載したMacBook Proなら、1.67GHzのPowerPCを搭載したPowerBook G4と比較して、その処理スピードは約4倍に達します。そのほかにもビデオレンダリングやHTMLの読み込みなど、全体的なパフォーマンスが向上することで、ユーザは趣味でも仕事でも快適なソフトウェア環境をMacで利用できるのです。
もちろん、Universalアプリケーションとして生まれ変わったegword Universalでもパフォーマンスは格段に向上しました。従来バージョンと比較して起動時間が4.9倍、テキストのオープンが5倍、大量ペーストが4.5倍、ウインドウのスクロールが1.6倍と、新開発のegwordテキストエンジンとUniversal化、さらにIntelプロセッサの相乗効果で驚異的なスピードアップを実現しています。大量のテキストのコピー&ペースト、リアルタイムでの美しい描画が可能なズーム表示、画像の貼り付けなど、実践的な作業でも動作は軽快です。高度なレイアウトを駆使した文書作成も、パワフルなIntel搭載Macでストレスなく作業できるようになりました。
egword Universalでは、Mac OS Xの先進的な機能や美しいグラフィカルインターフェイスを簡単に利用できる開発環境「Cocoa」フレームワークを採用しています。Mac OS Xに準拠した新しいインターフェイスでは、今までは分散していた設定パレットをひとつのウインドウにまとめるなど、システムと調和した高いユーザビリティを提供しています。また、頻繁に使用するコマンドを集めた「モードバー」、文章セクションやグラフィックスの選択、ページ切り替えなどをコントロールできる「ナビゲーションバー」も追加。こうした多くの機能がMac OS Xらしいシンプルなインターフェイスで整理されており、初めて使う人でも迷うことなく操作できるようになっています。
「パフォーマンスとユーザビリティについては、相当こだわっています。とにかく使いやすさを重視して開発したので、これまで以上に複雑な操作も簡単に行えるようになりました」と語るのは、egword Universalの開発で陣頭指揮を執った株式会社エルゴソフト/ソフトウェア部シニアリーダーの廣瀬則仁氏。
「緻密で美しいレイアウトデザインが簡単にできる、という点にも注力しました。DTPアプリケーション並みの文字組を可能にする『レイアウトグリッド』は、まさにその代表です」(廣瀬氏)。DTP日本語組版の標準規格「JIS X 4051」に準拠することで、ワープロソフトの枠を超えた、 美しい文字組を実現しています。さらにCocoaでの開発でMac OS Xのテクノロジーとの親和性はさらに高まり、描画コアエンジンのQuartzによる美しいフォントやグラフィックスの表示もegword Universalの大きな見どころでしょう。
egword Universalの開発を支えているのが、Mac OS X標準の統合開発環境であるXcodeと、前述したMac OS Xアプリケーションを構成するオブジェクト指向のCocoaフレームワークです。
egword Universalの前バージョンに相当する「EGWORD14」の開発には、Mac OS 9と互換性を持つ開発実行環境のCarbonと、開発ツールのCodeWarriorが使用されていました。しかし同社は、2005年6月にMacのIntelプロセッサへの移行が発表されたあと、EGWORDをUniversalアプリケーションへとスピーディに対応させるために開発環境をXcodeとCocoaに刷新。2005年9月から本格的にegword Universalの開発に着手しています。「Mac OS Xの機能とIntel搭載Macの性能をフル活用するには、新しい開発環境への移行は必須でした」(廣瀬氏)。
ソースコードが100万ステップ以上もあるEGWORDのような大規模なアプリケーションを、異なる開発環境にそのまま移行させるのは困難な作業ですが、同社では膨大な過去の資産にこだわることはしませんでした。「Mac OS X上でMac OS Xらしく動作させるなら、1から書き直したほうがいい」(廣瀬氏)という判断から、移行した環境で、まったく新しいUniversalアプリケーションの開発をスタートしたのです。
同社では2003年からXcodeを導入しており、Intel搭載Macの発売直後に公開した日本語入力プログラム「EGBRIDGE15 Universal パブリックβ版」、製品名も新たにリリースした「egbridge Universal」でUniversalアプリケーションの開発実績はあったものの、XcodeとCocoa環境での日本語ワープロソフトの開発は初めての試み。しかし、1からの開発でありながら、Universalアプリケーションへの移行はスムーズに完了しました。そして移行の成果は、egword UniversalがIntel搭載Mac上で手にしたパフォーマンスに現れています。
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