全ての本流は北斗神拳にあり!ジョシュ、伝承者争いに名乗り!?

ogふたりでなにやってるんですか(苦笑)。と、とにかく、発行部数累計2000万部強の化け物コミック『ベルセルク』ですね!

ジョシュ 「『ベルセルク』が持つ全てがボクの心を惹きつけて、世界に引きずり込ませるね」

og世界観の下敷きは『ロード・オブ・ザ・リング』的なオーソドックスなファンタジーものですよね。たまにというか、要所要所に残酷極まりないシーンもありますけど。

ジョシュ 「中世を下敷きにした架空のファンタジー世界でのいわゆる“剣と魔法の世界”のストーリーなんだけど、キミが言うように演出がもうハンパじゃないんだよね。とにかくさ、主人公のガッツがとてもいいんだよ!」

og『黒い剣士』の異名を持つ隻眼隻腕の剣士ですね。

ジョシュ 「初期の頃は無慈悲な男だったんだけど、希望でもあり怨敵でもあるグリフィスとの出会いで、多くのものを失うわけだけど・・・・・・」

ここからジョシュのガッツLOVE論がナパーム・デスばりにグラインドコアするのだが、あまりにも長いので無慈悲にカット! ジョシュ・バーネット

og とにかく、ジョシュさんがガッツを愛されてるってことは十二分に伝わりました(苦笑)

ジョシュ 「闘う事が自己を表現する唯一の方法というか、己の道のためなら野蛮な事でも平気でやるといったダークヒーロー的存在だったんだけど、愛を知り、守るべきものが生まれ、慈悲に目覚め、さらに強い男になっていく。ボクはね、そういう男の姿にすごく心が惹きつけられるんだよ。深い愛が闘う事しか知らぬ男を変えていくって素晴らしいだろ!」

og ジョシュ・バーネットという孤高のファイターもそんな男像を目指している?

ジョシュ 「オフコース! ザッツ・ライッ!! ガッツはもちろんのこと、『ベルセルク』はいつもボクのメンタルな部分を強くしてくれているね。これはオタクでもアニメファンでもなんでもない人にもオススメだよ。(通訳さんに)ほら、キミも読んでみればいいよ」

通訳 え!? 私ですか・・・・・・(驚)

og「キミのような女の子にも『ベルセルク』を是非読んでみてほしいんだよ、ほら。(ガッツが魔物を惨殺しているページを見せながら)」

通訳 あのぉ、私こういうのって何がおもしろいかわからないんですけど・・・・・・。

ジョシュ 「うーん、何がおもしろいかって言われたら、ボクもあんまりうまく説明できないね(アッサリと)」

og アハハハハ! まずはそこを説明していただくわけにはいきませんか(笑)

ジョシュ 「おもしろさの部分っていうのはあまり他の人には説明できないんだよね。だって、感じ方は個々違うわけだろ? ボクは『おもしろいと思うから読んでみて、観てみて』ってただオススメするのが好きなんだよ。ガッツはとても暗いヤツなんだけど、その破天荒かつ乱暴な行動はすべて守るべき愛から生まれているんだけど、そこは読んだ人が自分で想像しないと、彼の魅力、『ベルセルク』の魅力はなかなか伝わってこない。とにかく手に取ってみてよって思うね。このマンガはボクが生涯でベスト・オブ・ベスト、ナンバー1の作品だと思っている『北斗の拳』と似たような魅力があるからね」

OCNおすすめアニメ映画!『北斗の拳 劇場版』

ogやはり出てきましたか(笑)

ジョシュ 「ケンシロウ・・・・・・。彼はベストだよ。『(突然声を張り上げて)ヒー・イズ・パーフェクト・ヒューマン!!』」

ogアハハハハ!

ジョシュ 「ボクがケンシロウと出会ったのはまだティーンエイジャーの頃だったんだけど、彼を見てさ、『この男だけはボクも他の誰も絶対にマネできない』と直感したね。敵との戦いではバカみたいに強くて、いつ何時も冷静で、人の心や痛みもわかって、必ず人間としての感情を忘れない、ただ、愛のために、明日の光のために日々生き抜いている。それってまさにパーフェクトだよ! 」

ogケンシロウはジョシュさんが持つ“男の中の男”像の頂点に君臨してるわけですか?

ジョシュ 「オフコース!」

ogそんなケンシロウと究極の暗殺拳『北斗神拳』の存在が、ジョシュさんが格闘家を目指されたきっかけのひとつになってたりとかは?

ジョシュ 「それもオフコース!って言いたいところなんだけどそれはちょっとないかなぁ。だってさ、北斗神拳は一子相伝なものだからやっぱり学ぶことができないわけだし・・・・・・」

ogまさかトライしようとされたんですか!

ジョシュ 「もちろん周りに北斗神拳の使い手がいないわけだから見よう見マネだけどね」

ogそりゃいないでしょ(苦笑)

ジョシュ 「(無視して)北斗神拳っていうのはさ、相手の経絡秘孔を突くことで、身体を内部から破壊する残忍極まりない拳法なんだけど、北斗神拳が持つ真の究極の到達点は『愛』なんだよ。だから、ケンシロウに心酔しているボクとしては今でも北斗神拳を真剣に習得したいと思っているんだけど、まずは今出来ることをやらないとと思って、とにかくリング上ではいつも『愛』をテーマにして闘っているんだ。そういう部分で考えたら、さっきの質問の答えはイエスということになるかな」

ogリングの上でジョシュさんの北斗神拳が爆発するのもそう遠くない未来かもしれませんね。

ジョシュ 「ホァター!! 是非、期待しておいてほしいね」

拳王肯定論大爆発!強敵と書いて友と呼ぶ男たちの生き様とは!?

og 期待してます! 『北斗の拳』ってタイトルからして格闘技要素の高い意味合いが感じられるわけですけども、単なる格闘部分だけを楽しませるマンガじゃないですよね?

ジョシュ 「ボクの中で『北斗の拳』は格闘マンガじゃないね。もちろん格闘という要素はたくさんあるんだけど、やっぱり複雑な人間関係やハードなストーリー、人の死を描くリアルな部分がいっぱい詰まっているところに心を持っていかれたね。『強敵』とかいて『友』と呼ぶ、そんな男と男のドラマを『愛』で表現しているところなんかはボクの現実世界でもあるわけだし」

ジョシュ・バーネット

og ジョシュさんのホームグラウンドである格闘技の世界にも『強敵』と書いて『友』と呼ぶ強き男たちがたくさんいますもんね。

ジョシュ 「そうだね。(エメリヤーエンコ・)ヒョードルなんかは今は良き友人でありライバルのひとりなんだけど、交友関係がなかったときはカイオウに見立ててからね」

og ヒョードルは『北斗の拳』史上最強キャラ、北斗神拳の影にあたる魔導の拳『北斗琉拳』の最強伝承者カイオウですか!

ジョシュ 「ミルコ(・クロコップ)なんかは(聖帝)サウザーかな。『オマエニハジゴクスラナマヌルイ!』」

og アハハハハ! ミルコは南斗六聖拳最強の男、南斗鳳凰拳の使い手サウザーですか。

ジョシュ 「一緒にトレーニングをよくする(マーク・)ハントなんかはそうだな、フドウだね(笑)」

og ハントは南斗五車星『山』の男、鬼神の拳を持つフドウ! それもわかりますねぇ(笑)。もちろん、ケンシロウはジョシュさんで?

ジョシュ 「オフコース! ボクの周りには『北斗の拳』同様、『強敵』と書いて『友』と呼ぶにふさわしい男だらけだよ。やはりさ、『北斗の拳』を輝かせているのは登場人物だよ。みんな肩に何かを背負っているし、そんなキャラ同士の関係性から紡ぎ出されたストーリーは奥深くて読者を想像の世界から抜け出せなくさせる。ボクの友達たちのほとんどは『AKIRA』のときと同じように『これはクレイジーだ!』 とか言ってたけどね。ほら、この作品って人体が破裂したりとかショッキングなシーンが多かったり、変なキャラクターがいっぱい出てくるでしょ?」

og 人格が完成されたキャラクターばかりじゃなく、最低極まりない醜い輩もたくさん出てきますからね(苦笑)

ジョシュ 「ジャギとかウイグルとかさ、アミバなんてかなり酷いからね。でも、『北斗の拳』っていうのは、そういう人間の醜い面までが描かれているからおもしろいんだよ!」

ジョシュ・バーネットおすすめコミック!『銃夢』ジョシュ・バーネットおすすめコミック!『銃夢』

og ジョシュさんだったら、そのあたり鬼畜キャラなんかにも容赦しない?

ジョシュ 「しないね。ヤツらは正々堂々と真正面からぶつかってこないと思うんで、けっこうダーティな手を使わないといけない。まず、ヤツらの自信とプライドを壊して攻めていくだろうね。まぁ、実際のリングでも似たような選手はいるからね(小声で)」

og いそうですねぇ(苦笑)。 ちなみに、ケンシロウの他に好きなキャラクターはいたりしますか?

ジョシュ 「『ワガショウガイニイッペンノクイナシ!』」

og アハハハハ! 世紀末覇者拳王、ラオウですか。

ジョシュ 「ラオウって男はさ、劇中の中でケンシロウに劣らないくらいに自分のやりたいことが自分自身でよくわかっていた男だと思うんだ。その存在は恐怖そのもので、自身の野望成就のためには神すらも恐れないその姿はケンシロウとはまったく正反対の存在なんだけど、そんな男が唯一恐怖したのが『愛』だっていうねぇ(深い溜息)。男としてただただ共感を持てるというか、男なら黙ってラオウでしょ!」

og 「男なら黙ってラオウでしょ!」 って(笑)。恐れを知らなかった男が初めてしった恐れが『愛』だったゆえに、その『愛』を克服するために自らが愛するユリアに手をかけるというストーリーは衝撃的でした。

ジョシュ 「でも、結局は殺せなかった。『愛』を最も恐れつつ、その最も恐れていた『愛』を一番欲していたんだよね。自身の意に沿わないものは力で支配するその考え方が祟ったのか、北斗神拳の継承者争いで末弟のケンシロウに敗れ、また、その気持ちの表現は歪んではいたものの頑に愛し続けたユリアまでもがケンシロウに身を委ねた・・・・・・。そういう暗い葛藤が影響していたと思うんだけど、たとえその覇道は間違っていたとしても、ラオウの気持ちはわかるような気がするな。実はさ、ボクは、ラオウと同じような中身を持っている人間なんだよ」

og ジョシュさんの中にラオウが?

ジョシュ 「イエス。『愛』というものは時として恐ろしいものであり、悲しいかな、それがないと人は生きていけないんだ。特にというわけじゃないけど、リングの上で対する人間とファイトするボクのような人間にはよくわかるんだ。でね、ボクの中にだけじゃない、この世の全ての人間の中にラオウはいると思うんだ。ボクはね、ラオウはケンシロウのことは実は好きなんだって思うんだよ。もちろん、ボクはケンシロウが好きだ。でも、それはラオウを自分の中に入れるのと同じことなんだよね」

og いやぁ、ジョシュさんのラオウ論、無条件で脱帽です。

ジョシュ 「ケンシロウやラオウだけじゃないよ、劇中の登場人物全員がボクに力をくれる。彼らを見ていると、いつも新たな発見というのかな、インスピレーションが湧いてくるんだよね」

og ボクも今すぐ全巻読み返したくなりました! さて、そんなジョシュさんですが『北斗の拳』をはじめとする格闘系マンガ全般もお好きなんですか?

ジョシュ 「好きだよ。中にはキラいなのもあるけどさ」

「孫悟空よ、てめぇに今日を生きる資格はねぇ!」っていったいナゼ!?

og キラいなものっていうのは?

ジョシュ 「けっこうあるよ。有名な作品で、今、思いつくものといえば『ドラゴンボール』は好きじゃないね」

og 格闘系マンガにカテゴリーするマンガなのかどうかは別として、日本国民総大好きマンガといっても過言ではない大人気タイトルですけど?

ジョシュ 「もちろん、日本のみんなが『ドラゴンボール』が大好きだってことは知っているよ。ここでボクが『ドラゴンボール』があまり好きじゃないという話をしてブーイングをされることは覚悟している(真剣な表情で)」

ジョシュ・バーネット

og いやいや、全然大丈夫だと思いますよ(苦笑)

ジョシュ 「『ドラゴンボール』のキャラクターやストーリーにまったく魅かれないということがまずあるんだけど、やはり一番の理由は、最初は究極の技がカメハメハ(かめはめ波)くらいだったのに、それがすぐに敵に通用しなくなって、テクニックだけが自分勝手に、その上、またその上って。敵の強さなんかも際限がないし、なんだかバカバカしくて完全に興味がなくなっちゃったんだよね」」

og 界王拳に元気玉、あげくの果てには惑星をぶっ壊すほどの技とかで闘いますもんね。

ジョシュ 「惑星が壊せる者同士がなぜ惑星の上で闘うんだよ。ましてや、瞬間移動なんてできたら勝負にならないじゃないか! あとさ、シェンロン(神龍)が死んだ人間が蘇らせたりするだろ? そんなのはもう論外中の論外(怒)」

og アハハハハ!

ジョシュ 「『北斗の拳』やなんかはそこらへんはスゴくシビアで現実的なんだよね。ボクは世界観が現実的かつ誠実なものが好きなんだよ」」

og あまりに現実を超越したストーリーはあまり好みではないと?

ジョシュ 「いや、それは作品によるね。ボクは『Gun Smith Cats(ガンスミスキャッツ)』が大好きなんだけど」

og 元バウンティハンター(賞金稼ぎ)で、女だてらにガンスミス(銃のカスタム屋)を営むラリー・ビンセントと、その相棒であるミニー・メイが、なんだかんだとイリーガルな騒動に巻き込まれて、活躍する姿を描いたガンアクションですね!

ジョシュ 「この作品は『北斗の拳』ほどに真面目な話じゃないし、能天気なシーンも多いんだけど、ラリーとかミニー・メイとかミッキー・ファーラとか、メインキャラクターやサブキャラクターもとても魅力的なんだよね。物語も賞金稼ぎを題材にしていてスゴくエンターテインメントしてるんだ!」

og 武器(銃)やアメ車好きにもたまらないマンガだったりしますよね。

ジョシュ 「描写がリアルだし、いろいろな種類が登場するからね。けれど、『ガンスミスキャッツ』は、武器や車に興味がない人でも、十分に楽しめる作品だと思うよ。(通訳さんに)ほら、キミも読んでみればいいよ」

通訳 え!? 私ですか・・・・・・(驚)

ジョシュ 「キミのような女の子にも『ガンスミスキャッツ』を是非読んでみてほしいんだよ、ほら。(ラリーの愛車、67年型シェルビー・コブラGT500が描かれたページを見せながら)」

通訳 あのぉ、私こういう車とかって何がいいのかさっぱりわからないんですけど・・・・・・。

ジョシュ・バーネットおすすめコミック!『GUNSMITH CATS』ジョシュ・バーネットおすすめコミック!『GUNSMITH CATS』

ジョシュ 「うーん、何がいいのかって言われたら、ボクもあんまりうまく説明できないね(アッサリと)」」

og アハハハハ!

ジョシュ 「やっぱりキャラクターがいいんだなよなぁ(ブツブツ)」

og マンガやアニメにとってキャラクターは命?

ジョシュ 「オフコース! 人間という存在の魅力が生に反映されるジャンルなわけだしね。その理由は簡単だよ! それは作者が人間だからさ。だからこそ、読めば読むほどに、観れば観るほどに人間のことを想像できるし理解できると思うんだ。キミもマンガに何かを教わったことって一度くらいあるだろ?」

og 多大にありますね。その点、『ドラゴンボール』やなんかは人間から離れすぎていると?

ジョシュ 「まったくもってその通りだね! 特に理解できないのが、ソンゴクウだよ!」」

og 孫悟空が理解できない!

ジョシュ 「だってさ、なんであんなに小さい子供が自分よりも大きな人間より強いの? 全然わからないよ!」

og そこを突っ込んだらオシマイですよ(苦笑)

ジョシュ 「(無視して)今、実写版がハリウッドで撮影されているみたいだけどボクは観ない!観ない!! 絶対に観ないね」

og なぜか悟空(ジャスティン・チャットウィン/『宇宙戦争』でのトム・クルーズの息子役)が高校三年生ってところが最高というか、『アイドル伝説えり子』こと田村英里子が『ピラフ大王一味』の『マイ』役としてキャスティングされていたりするんで、OG的には注目の映画だったりするんですが?

ジョシュ 「ピラフダイオウなんかが出てくるという時点でどうなんだ?って話だろ。昔さ、『北斗の拳』もハリウッドで実写化されたことがあったけど、これはもう本当に酷かった。今回の『ドラゴンボール・ハリウッド実写版』はそれを思い出すね」

og ちなみに、『北斗の拳』にはビックバン・ベイダーも出演してましたね。

ジョシュ 「Oh! ベイダー!! 彼はいいレスラーだよ。タケシサン(ビートたけし)のTPG(たけしプロレス軍団)の頃の彼はベストだよね。でも、『北斗の拳』の実写版は断じてノーだ。『マタボヒョウノナイボケツヲフヤスツモリカ・・・・・・』



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