| | 
| 蔵馬殿、もう書き込みされたのですね。 たまには私もこうやって誰かの人目につくような場所に何か書いておきたいと思うことがあるものです。
 志摩は私がここに書き込むの、反対していましたけれどね。
 
 勘助が「お屋形様が見てくれるかもしれない」なんて言うものだから書き込んでしまいました。
 母親になるということはこれだけ大変とは思いもしませんでした。
 私は今、子を宿しております。
 無事にこの子が産まれてくるかどうか不安な毎日を送っております。
 勘助も今忙しいようで、私には会いに来てくれません。
 お屋形様も戦で甲斐を離れておいでとの事。
 子を産むという事はこんなにも不安が募る事など、思ってもおりませんでした。
 私は、お屋形様には何れ申し上げるつもりでは居りますが、諏訪家再興の折には、もしこの子が男児であれば、諏訪家の家臣として取り立ててやってほしいと。
 諏訪は、寅王丸に継がせて欲しいと。
 どうなるかは分かりませぬ。
 けど、勘助やお屋形様が戻られる頃には、
 この子が無事に産まれて欲しいと、男児であって欲しいと、願うまでじゃ。
 
 | 
 | 
 |