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【社会】全両廃棄に救いの手 愛知・小牧の桃花台線車両2008年1月21日 夕刊
愛知県小牧市内を走り2006年10月に廃止された新交通システム「桃花台線」のピーチライナー車両1台を、同県豊田市花沢町の鉄道運転士服部信幸さん(29)が譲り受け、保存に乗り出す。車両の引き取り手が見つかっていない現状に、「車両は鉄道会社の『顔』。なくなるのは苦しみ」という同じ鉄道マンの思いが、服部さんをつき動かした。 服部さんは、名古屋市港区の出身で、愛知環状鉄道の運転士。もともと鉄道が好きで、桃花台線には、開通した1991年に客として乗車した。「急こう配を下るときに見える小牧市の風景」が印象に残っているという。 引き取る車両は、桃花台線の先頭車両で、長さ7・6メートル、幅2・4メートルで、重さ10・9トン。運転席や座席などがついて完全な形で残される。 保存は、桃花台線の廃止決定後、10人以上の従業員が愛知環状鉄道で働き始めたのがきっかけ。彼らから桃花台線の車内の駅案内板やポスターなどをもらうとともに、車両の引き取り手を探していることを耳にした。 桃花台線は、レールを走る鉄道と違い、ゴムタイヤの車両が中央に敷設された1本のレールを進むシステム。鉄道への転用は難しく、新交通システムを採用している他の路線も規格が異なる。また、小牧市や、さいたま市の鉄道博物館などの施設にも、スペースなどを理由に引き取ってもらえなかったという。 初めは「個人での保存なんてむちゃ」と思っていた服部さんも、引き取り手がなければ20台ある全車両がスクラップになる運命と聞き、自分で保存する覚悟を決めた。十数万円程度の格安の値段で譲ってもらえる見通しになった。 25日に引き渡しを受け、自宅近くに土地を借りて保存する予定。希望があれば公開することも考えたいという服部さんは「桃花台線の利用者らに喜んでもらえたら。個人保管だから限界があるが、ライトがつくようにしたり警笛が鳴るようにしたい」と話している。
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