 史上に残る大一番。ヒールから一転、ヒーローを目指した朝青龍だったが、白鵬に力負け− |
朝青龍が再発のフラッシュバックにおびえている。大相撲初場所の千秋楽は、東西両横綱による32場所ぶりの相星決戦。白鵬が朝青龍を上手投げで下し、3連覇を達成した。しかし、敗れた朝青龍はこの敗戦によるストレスで、解離性障害の再発危機が。高砂親方(元大関朝潮)から場所後のモンゴル帰国を容認されたが、日本への「永住計画」も浮上し、敗者の周辺がますます騒がしくなりそうだ。(夕刊フジ編集委員・久保武司)
およそ5年半ぶりとなった横綱による相星決戦は、舞台裏の東西支度部屋でも異様な盛り上がりをみせていた。
「いったい懸賞は何本出ているの?」「テレビの視聴率は、すごいことになるだろうね」と、大関琴欧洲ら関取衆があちこちでヒソヒソ話。支度部屋に設置しているテレビの前では、体の大きな力士たちがまるで戦後の「街頭放送」をみるように一堂に集まっていた。
大相撲人気の復活をあちこちで喜ぶ中、ただ1人、ニコリともしなかったのが敗者の朝青龍だ。通常は5分程度で終わる取り組み後の風呂も、なんと20分以上もかけている。髷を結うために腰を落として、しばらく一点を見つめ続けていたが、「みなさん、お疲れさまでした」と、突然に報道陣へのあいさつをはじめた。
しかし、3場所ぶりに復帰した場所はどうでしたか?−という問いには、ギョロリとにらみ返し「どうしたとか、ああしたとか、こうしたとか、そんなことは考えない」と声を荒らげ、質問した記者に対して、「あなたはどう思うの? えっ? 答えてよ」と隠し続けていた、イラ立ちが顔をのぞかせる。
西の支度部屋の外には、主治医の本田昌毅医師が朝青龍をねぎらい、「本当に優勝してほしかった」とがっくり肩を落としたが、「再発が心配なんですよ」とポツリ。仮病疑惑に始まった一連の騒動で、重度のストレスによる解離性障害と診断した本田医師によると、「フラッシュバックが起きて、PTSD(心的外傷後ストレス障害)になる可能性もある」と衝撃の告白を。
後輩横綱の白鵬に投げ飛ばされたショックが引き金になるのかという質問には、「あすにつながるショックだから、平気だと思います」と続けるのがやっとだった。
一方、V逸に追い打ちをかける環境が。日本での朝青龍が「借家」住まいという点だ。解離性障害を発症した都内のマンションも、賃貸。天下の横綱が日本では、家なき子なのだ。対照的に3連覇した白鵬は、両国国技館近くにマンションを購入。紗代子夫人と愛美羽ちゃんと、仲むつまじく暮らしている。この日も国技館にやってきた愛美羽ちゃんには、観客からもあちらこちらで撮影をせがまれる場面も。それに快く応じる紗代子夫人の評判も上々だった。
そんな日本での孤独な一人暮らしによる病気の「再発」を心配した朝青龍の母・プルブバダムさんは、場所前に緊急来日。場所中の食事の世話をしている。
白鵬をうらやみ、朝青龍は「おれも日本に家族と永住したい」と口にする。とはいえ、敗者の朝青龍の周りには日本とモンゴルで「別居」状態が続いているタミル夫人と子供たちとのこと、そしていまだにミゾが埋まらない師匠の高砂親方との関係修復など、ストレスの要因となる難題ばかりが山積中だ。
朝青龍は「やることはやったので、さっぱりだ」と言ったかと思えば、「もう、終わりだよ。終わり」と悲しげにうつむき報道陣を振り払って引き揚げた。日本だけではなく、モンゴルでも生中継で注目された大一番。投げ飛ばされた朝青龍は相撲界の鉄則である「顔」から落ちずに手をついて敗れている。前代未聞の謹慎から3場所ぶりに復帰して、相撲人気を復活させた希代のヒールは、「敗者」「孤独」、それから「再発」という三重苦に悩まされることになった。
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ZAKZAK 2008/01/28