川崎市の会社が「トヨタ自動車などの株式を51%取得した」とする大量保有報告書を関東財務局に提出した問題で、金融庁は27日、報告書を虚偽記載と判断し、金融商品取引法に基づき訂正報告書を28日までに提出するようこの会社に命じた。今後、刑事告発も検討する。
虚偽の報告をしたのは「テラメント株式会社」。25日午後4時10分ごろ、トヨタやNTTなど6社の株式のそれぞれ51%を、総額約20兆円で取得したとの報告書6通を提出。金融庁が運営するサイト「EDINET」(エディネット)でそのまま公表された。
金融庁の調査に、同社の代表者は「証券会社を通じて株を取得した」と主張したが、証券会社には口座がないことが判明。それでも「自分は取得したと思っている」と自主的な訂正を拒否したという。大量保有報告書をめぐり訂正命令が出たのは初めてで、同庁はEDINETに命令内容を掲載し、投資家に注意を呼びかけている。再発防止策も検討する。
虚偽記載は5年以下の懲役や500万円以下の罰金、訂正命令に応じない場合にも1年以下の懲役や100万円以下の罰金に問われる。【清水憲司】
毎日新聞 2008年1月27日 21時51分 (最終更新時間 1月27日 22時54分)
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