【解説】二十七日投開票された大阪府知事選で、自民、公明両党が支援した橋下徹氏が初当選したことは、昨年の参院選、大阪市長選と続いた民主党の勢いにブレーキがかかったことを意味する。巻き返しに成功した与党を国政でも勢いづかせる材料になることは確実だ。
ただ自民党は府連推薦、公明党は府本部支持と政党色を薄めており「腰が引けた」感は否めない。府政においても堂々と立場を明確にして有権者に訴えるべきだった。
橋下氏の当選は自らの知名度によるところが大きいだけに、自民、公明両党は謙虚に受け止め、真剣な姿勢で有権者と向き合わなければ、次期衆院選では厳しい審判が下されることを覚悟しなければならないだろう。
一方の民主党は「大阪で与党となれ合いするわけにはいかない」(民主党関係者)と相乗りをやめ、独自候補を擁立したことは一応評価できる。
ただ任期満了による選挙は以前から実施が明らか。今回の熊谷貞俊氏擁立は、太田房江知事の出馬断念の後、ドタバタと決まった印象はぬぐえない。弱点とされる「地方の足腰の弱さ」を克服して政権党として有権者の信頼を勝ち得るには、長期的視点に立ったきめ細かな取り組みが欠かせない。
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