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大阪知事に38歳橋下氏 現職で最年少

2008年01月28日00時52分

 大阪府知事選は27日投開票され、自民党府連推薦、公明党府本部支持のタレントで弁護士の橋下徹氏(38)が、民主、社民、国民新の3党推薦の元大阪大大学院教授の熊谷貞俊氏(63)、共産党推薦、新社会党支持の弁護士の梅田章二氏(57)らを破り、初当選した。38歳での知事就任は現職では全国最年少。33年ぶりに国政の与野党第1党の対決構図となった選挙戦は橋下氏が知名度の高さに加え、自民、公明両党の支援に支えられ、昨年の参院選と大阪市長選で勝利した民主党の攻勢を抑えた。投票率は48.95%で過去最低の前回40.49%を8.46ポイント上回った。

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当選を決めて支持者らと万歳をする橋下徹氏=27日午後8時58分、大阪市中央区で

 午後9時前に事務所に姿を見せた橋下氏は「責任の重さを感じている。大阪を変えるためにがんばっていきます」とあいさつし、支持者から盛大な拍手を浴びた。

 今回の知事選では「政治とカネ」の問題で太田房江知事が3選立候補を断念したことを受け、府政与党だった自民、民主、公明の枠組みが一気に流動化した。次期衆院選もにらみ自民党は知名度の高い橋下氏擁立に動き、昨年来、勢いに乗る民主党も直後に熊谷氏を立てて総力戦で臨んだ。

 橋下氏は「子どもが笑う」をキャッチフレーズに出産や子育て支援に重点を置くマニフェストを発表。無党派や女性の厚い支持を得た。5兆円の府債残高、巨額の「赤字隠し」という危機的な府財政への取り組みでは、「エネルギーと爆発力」という若さをアピールし、府政の解体的な立て直しを訴えた。

 告示前の公開討論会では対立候補と政策の議論を戦わせていたが、告示後は街頭演説に立ってもほとんど政策に触れず、政党色も薄めて「大阪を変える」と訴えるイメージ選挙を展開した。その一方で自民、公明両党議員の後援会員を集めた個人演説会では政党の支援を求め、組織固めも着実に進めた。

 これに対し、昨年7月の参院選や11月の大阪市長選の勝利で勢いのあった民主党は小沢代表ら党幹部が続々と応援に入り、政党色を前面に打ち出した。だが、立候補表明から1カ月足らずでの選挙戦となった熊谷氏の知名度不足は否めず、橋下氏には及ばなかった。

 政策面では太田府政の産業政策を引き継ぐ内容のマニフェストをまとめ、太田知事寄りの財界が評価。だが、橋下氏優位が伝えられると、中立の姿勢だった関西経済連合会の下妻博会長が自民党の古賀誠選挙対策委員長に「自民党に負けてもらっては困る」と述べ、財界の橋下氏支援の動きも加速した。

 共産党などが推す梅田氏は前回に続いて2回目の挑戦。70年代の革新府政を念頭に「福祉都市」を目指す政策を示したが、自民・公明対民主という国政の与野党対決の構図のなかで埋没し、支持を広げることができなかった。

   ◇

当 橋下  徹  無新  1.832.857

  熊谷 貞俊  無新    999.082

  梅田 章二  無新    518.563

  高橋 正明  無新     22.154

  杉浦 清一  無新     20.161

                (確定得票)

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