俺はいつでも、読者の意見や感想を待っている。
我こそは、と思う読者諸君。ぜひ俺あてにメッセージを送ってくれ。

宛先は
wolf@infovlad.net
だ。








十二月十二日を前にして!!

 十二月十二日に、ロフトプラスワンでトークショー「タブーなき勉強会Part3」が行われます。それに先だって、前回(十月二十一日に)壇上に上がられた増田俊男氏の「目からウロコの会」の講演会に参加させていただきました。増田先生は、私が以前に構想した「影の内閣」の理想の「外務大臣」です。

「目からウロコの会」は、十二月七日午前十時より日比谷公会堂ではじまりました。あいにくの雨空で肌寒い日でしたが、一階は満席、二階まで観客が来ていました。観客の中には中高年の方々も多く、若い女性の姿が目立ち、近ごろにない熱気がありました。途中、休憩をはさんで定刻の十五時三○分を過ぎても、礼を失しない拍手をのぞけば、しわぶきひとつない聴衆の真剣さは、これまで私が体験した会合にはないものでした。

 現オークランド市長で次期大統領候補でもあるジェリー・ブラウン氏ほか、ゲストのトークはなかなかのものでした。その話の中で、国連と日本のことがでました。日本は馬鹿のように、国連に大変な額の拠出金を出していますが、国連は「敵国条項に触れる」という理由で、日本が国際的な問題に見まわれても、助けたり協力したりできない仕組みになっているというのです。したがって、「北朝鮮」の拉致問題も、日本は国連に提訴できなということを初めて知り、呆然としました。

 増田先生と私の出会いは、増田先生とともにアメリカで苦楽を共にされた、隠れた愛国者・清水洋氏によるものです。清水氏が、私ごときの著書を増田先生に差し上げたら、忙しいお体なのに是非会いたいと言って下さったそうです。それで、増田先生、奥様の江尻真理子さん、清水氏と会食しました。話せば話すほど素晴らしい感銘を受けたのです。

 そのとき私は「今、実は汚い左翼くずれや右翼くずれの酒場(関係者のみなさん御免)でトークショーをやっているのですが、先生は講演料が高くて、貧乏人にはお招きは無理ですね」と愚痴りました。ところが先生は「いや、国を愛する方のためなら、どなたにでも、どこへでも、喜んで参加いたします」と言われたのでした。それで、十月二十一日のロフトプラスワンに出席して下さったのです。

 しかし、あの日は、せっかく日本の医学界のトップレベルの先生はじめ、各界の先生方も数人、おいでいただいた大事な日なのに、愚かな私は自制心を無くしていました。以前のメールでも申し上げたように、トークショーのはじまる直前に、一人のヤクザの死を告げられたのです。そのときは、泣き出したいのを堪えるので精一杯でした。弱いだらしない男です。

 そのため、増田先生のような、アメリカと闘わずして勝ってきた方の叡智を引き出せず、靖国問題解決の道すらつけられずに失敗しました。先生は「憲法問題はじめ、アメリカが原因の問題は、国内でいくら騒いでも駄目だ。東京裁判、広島・長崎の原爆投下に対する、アメリカの日本への謝罪から、日本の歴史ははじまる。アメリカの中に入って運動しなければならない」と喝破され、その実現に努力されている方なのです。

 先生は、御本人が述べておられるように、「ソロバン片手に経を読む」方です。「ダイナマイト片手に道を問う」私とも、相通じるものがあるのです。アメリカ国内で大和心を発揮している増田先生は、本当に素晴らしい方です。

 アメリカについては反米でも親米でも解決しない問題があり過ぎます。日本の再建の為には、すべての力を結集しなければならないと考えます。古いから良いとは言いませんが、私を四十数年間支えてくれて、一丸となって行動してきた護國團のこれまでの労苦が、そのような活動の中で、最後まで黒子に徹して分担するという役目を果たせると存じます。

 増田先生には、二○○五年までにアメリカに日本への謝罪をさせるという「二○○五年構想」があります。日本民族本来の大和心を取り戻す時です。今の日本人は、どんな大事な話をしても、聞き取ることのできない野次馬民族に成っています。

 戦後の闇、歴史の断絶による嘘を糺さない限り、何をいっても若い日本人に無視されます。ですが、これまでメールの中で名前を挙げた昭和の生き証人の方々は、みなかなりの高齢です。歴史を証言してくれる方々の高齢化に、正直に言って、おのれの年も顧みずに焦っています。

 伝えたいことが、なかなか伝わらないもどかしさを持ちつつも、坂さんがいった「さざれ石」になりたいのです。日本という国は、誰のものでもない皆のものです。十二日のトークショーは、本音で笑って闘いましょう。

 

 老狼