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社説

ガソリン税 根本論議深める好機だ(1月23日)

 三月末に期限が切れるガソリン税(揮発油税など)の暫定税率をめぐる議論が本格化してきた。

 暫定税率が廃止されればガソリン価格は一リットル当たり二十五円下がることから、どうしてもここに焦点が当たりがちだ。

 だが、重要なのは税金の使われ方や道路整備のあり方についての根本論議を深めることだ。

 この問題で総務省は暫定税率が廃止された場合の地方自治体の減収額について試算をまとめた。

 総額は約九千億円で、最も多いのは北海道の五百七十八億円だ。大都市圏に比べて道路整備の遅れている地方ほど影響は大きい。

 全国知事会など地方六団体が暫定税率を維持するよう求めた緊急共同声明を発表したが、地方自治体の対応としては理解できる。

 ただ、ガソリン価格の高騰が生活を直撃しているいま「道路をつくるため」という理由だけで維持を求めても、国民の支持は得られるだろうか。

 共同通信の世論調査では、暫定税率の延長に反対する人が72%と圧倒的多数を占めている。こうした声を無視することはできない。

 暫定税率は道路整備のためと称して延長が繰り返され、すでに三十年以上が経過している。ここまでくればもう「暫定」とはいえず「恒久」だ。納得できない国民も多いことだろう。

 しかも小泉純一郎内閣以来の歳出改革で公共事業関連の予算は削減され、国の道路特定財源は事実上余っている。その額は五千億−七千億円に上り、道路整備という本来の目的以外に利用されている。

 道路整備に使う約束で集めた税金なのだから、いらなくなったらとりあえず暫定税率を引き下げ本来の税率に近づけるべきだ。与党は昨年末の税制改正大綱で暫定税率の十年間維持を決めたが、これでは筋が通らない。

 道路特定財源の余剰分を活用すれば、暫定税率の廃止は無理にしても引き下げは可能だ。どうすれば地方財政を圧迫せずに家計の負担を軽減できるか。存続か廃止かで対立するだけでなく、もっと知恵を絞るべきだ。

 道路特定財源そのものも族議員や官僚の既得権益と化し、無駄な道路が建設される温床になっているとの批判は根強い。

 財政健全化を進める上では、あらゆる予算項目の歳出削減が不可欠だ。道路も「聖域」ではありえない。一般財源化すべきかどうかも含め、抜本的な見直しが必要だ。

 暫定税率の存廃問題がきっかけとなって、国民の税や道路に対する関心はこれまでになく高まっている。

 与野党ともこれを政争の具にすることなく、国民に分かりやすい議論を展開してほしい。

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