百貨店のバレンタイン商戦がいよいよ始まる。食品値上げや株価下落による個人消費への影響が指摘されるなか、今年は義理チョコの予算が初めて1000円を超えるという調査結果が発表されるなど、追い風も吹く。店側としては、上層階の特設売り場でチョコレートを購入した後、下層階で婦人服などを買ってもらう“シャワー効果”が期待できる。幻の焼酎を使った限定商品を用意したり、男性専用売り場を設けたり、各社とも客を囲い込むのに必死だ。
先陣を切ったのは伊勢丹。新宿本店6階特設売り場で1月23日から28日まで、13カ国55ブランドを集めた「サロン・デュ・ショコラ」を開いた。同社は「女性も男性もまずチョコレートを楽しんでもらいたい」と話す。
高島屋は30日、日本橋や横浜など各店に特設会場を設置。入手困難になった焼酎「森伊蔵」とフランス菓子の第一人者、河田勝彦氏が協力した「森伊蔵&オーボンヴュータン」(3150円)などを限定販売。新宿店では、婦人フロアに下着や香水などの紳士雑貨を集めたコーナーも設け、“ついで買い”を期待する。
平成19年の全国百貨店売上高は衣料品販売の不振などで11年連続前年割れ。それだけにバレンタイン商戦は「来店のきっかけになり、婦人服などの販売促進につなげられる。本命の彼にプレゼントを買う女性も多く、各社とも本気」(大手百貨店)というわけだ。
三越銀座店は100ブランドを用意し、2月1日から本場の味を知り尽くしたショコラコンシェルジュを配置。カカオの配合率や原産国などにこだわる客も多く、チョコ選びをサポートする。
男性自らチョコを買うのは気兼ねする季節だが、西武百貨店は期間中、渋谷店の紳士服売り場に男性のための「ショコラ・テイスティングバー」を開設。「シングルモルトチョコレート」(2100円)なども用意する。最近は男性がケーキなどを買うケースも多く、「バレンタイン商戦でこれまで未開拓だった男性客にスポットをあてた」(同社)。
プランタン銀座が実施したバレンタインデーの女性意識調査では、義理チョコ1個の予算は1029円で、平成10年の調査開始以来初めて1000円を超えた。個数や本命チョコの予算も上昇しており、同社は「欲しい物以外は買わない最近の女性も財布のひもを緩めるよう」と分析する。果たして今年の商戦の軍配はどの百貨店に上がるのだろうか。
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