パナソニックへの社名変更(10月1日)を発表してから2週間が過ぎた。松下電器はいま、社名変更を巡って大騒ぎだ。
「遅すぎたぐらい」という声がある一方、「呼びにくい」「長年親しんだ社名を捨てるのは抵抗がある」など世代や部署、考え方などによってホントさまざま。
「抵抗なし」どころか「もっと早くてもよかった」とスンナリ受け入れる人が多いのは海外組らしい。
「海外ではパナソニックですでに統一されていますから、全く違和感がありません。それに、例えば松下が世界最大のプラズマディスプレー工場を09年に稼働させるというビッグニュースがあっても、海外では松下とパナソニックがあまり結び付いていないので、インパクトが少ないんです。悔しいというか、もったいないですよね」(中堅社員)
いわゆる松下ショップは不安がいっぱい。店の看板やシャッターにはナショナルとパナソニックの両方が書かれているケースが多い。
「現状では、まだ看板をかけかえる費用などをどこが負担するかは決まっていません。通常は店の経営者が負担しますが、今回は事情が事情ですから」(松下関係者)
社名変更を決めたものの、細部についてはこれからということ。
グループ会社も大変だ。松下電工はパナソニック電工に変わる。「家族から、呼びにくいし古臭い感じもする。どうせなら電工もカタカナにした方がいいのにと言われた」(松下関係者)という意見も出ているとか。
もっとも海外ブランドをパナソニックに統一した03年に、社員の名刺からはナショナルのロゴが消えていた。準備はそれなりだったが、実行するとなると課題は山積み。社名変更に伴う費用は今後1、2年で300億円と松下ははじく。しかし、松下ショップや量販店が改装費用を巡って反乱を起こさないとも限らない。パナソニック誕生までの道のりは長い。
【2008年1月24日掲載記事】