プロテクターでバイク事故歯止め 免許試験でPR 埼玉2008年01月27日08時08分 オートバイの死傷事故に歯止めをかけようと、埼玉県警が「胸を守るプロテクター」の普及に取り組んでいる。ライダーは道路交通法でヘルメットを着けるよう定められているが、走行中に転倒すると、胸や腹を大けがすることも多いからだ。昨年9月からは全国に先駆けて自動二輪の運転免許試験でベスト型プロテクターの着用を義務づけ、その効果をアピールしている。
埼玉県警によると、昨年の県内の二輪事故による死者数は54人。東京、神奈川、大阪に次いで4番目に多かった。負傷者も約7400人で、交通事故全体の4分の1を二輪事故が占める。 亡くなった人の負傷部位は頭部が5割でトップだが、胸と腹、背中も合わせて3割を占めた。特に胸や腹がハンドルなどの突起物に激しく当たると内臓を損傷し、重大なけがにつながるという。 そこで県警は、全国の白バイ隊員が走行時に身に着ける上半身のプロテクターに着目。一般のライダーに広く普及させようと、昨年9月から運転免許センター(同県鴻巣市)での実地試験の際に必ず装着してもらうようにした。 プロテクターは、乗用車のバンパーと同じ素材で衝撃を吸収する仕組みになっている。免許センターにあるのはベスト型で重さは約300グラムで、ふつうの服より軽いくらいだ。体が地面に投げ出されても首を保護するよう、事故の衝撃で首回りが膨らむエアバッグ搭載のプロテクターもある。 プロテクターを着けて2度目の運転免許試験で合格した同県越谷市の会社員川井俊史さん(30)は「試験で初めてプロテクターを着けたが、違和感はなかった。万が一のことを考えたら、やはり着けた方がいいと思う」と話していた。 プロテクターはバイクショップなどで1万〜2万円前後で市販されている。バイク用品を扱うコミネオートセンター(東京都葛飾区)では01年からプロテクターをつくり、毎年、前年比2割増の売り上げがあるという。近く、ジャケットのインナーとして着られるような薄型プロテクターを発売する予定だ。 県警は「ヘルメットのように法律で着用が義務づけられているわけではないし、認知度もまだ低い」とみて、今後さらにPRに力を入れていく考えという。 日本外傷学会評議員の根本学・埼玉医大准教授(救命救急科)の話 ヘルメットと違い胸部プロテクターの効果についてはまだ科学的に十分な検証がなされていないが、前胸部に加わる外力に対してはある程度の効果は期待できると思われる。装着することで安全運転への意識を高めることが重要だ。 PR情報この記事の関連情報社会
|
ここから広告です 広告終わり どらく
一覧企画特集
特集
朝日新聞社から |