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海上の事件事故通報118番、99%が間違いやいたずら/三管本部
海上での事件事故などに対応する「一一八番」緊急通報で、第三管区海上保安本部(横浜市中区)が受理した昨年一年間の通報件数のうち、間違いやいたずら電話が99%以上を占めたことが二十六日までに、分かった。一一八番通報が広く浸透していないのも一因で、三管本部は「救命救助活動に支障をきたす恐れもある」と対応に頭を悩ませている。
密輸事犯を発見した際などに通報する緊急番号で、海上保安庁が二〇〇〇年五月に運用を始めた。
東京湾などを管轄する三管本部によると、昨年一年間で受理した通報は二十三万六千五百五十件。このうち実際に発生した事故や事件につながる通報はわずか八百二十一件(0・3%)だった。
残り99・7%の通報は海難事案とはまったく関係ないもの。内訳は着信時に電話を切る「即断」が46・1%と最も多く、次いで「間違い」29・8%、「無言」19・2%、「いたずら」4・5%だった。
間違い電話では、一一九番や一一〇番通報、一一七番の時報サービスと押し間違えたケースが多く、中には会社の内線電話と勘違いしたケースもある。
県警本部で昨年受けた一一〇番通報のうち事件事故と関係ない「無効」通報の割合は19・1%。横浜市安全管理局への一一九番通報でも10%弱で、一一八番通報の「無効」の割合は異常な高さだ。
三管本部はこの理由について、一一八番通報が浸透していないことが要因の一つと分析、イベントや広報を通じたPRを進めている。
また昨年四月からは、通報者の電話番号や位置情報を電子画面上に表示させるシステムの運用をスタートさせた。救助活動の迅速化とともに、こうした無効の電話と実際の緊急通報とを区別しやすくする狙いもある。
三管本部運用司令センターは「いたずらや間違い電話が頻繁にかかると回線がつぶれ、実際の海難通報が受けられない恐れがある。救助活動が遅れると、助かる命も助からないので絶対にやめてほしい」と呼び掛けている。
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