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平成19年11月掲載

 


住宅用火災警報器などの設置はお早めに

戸建住宅、アパート、マンションなどの住宅火災による死者数は、建物火災による死者数全体の約9割を占めています。そのうち実に約6割近くが65歳以上の 高齢者。今後、高齢化により、住宅火災による死者数が増加する恐れがあります。こうした状況のもと、火災の発生をいち早く知らせてくれる住宅用火災警報器 などの設置が義務づけられました。

 

新築住宅では義務化された住宅用火災警報器の設置

近年、住宅火災による死者数が増えています。平成15年から18年まで4年連続して1,000人以上の方が住宅火災で亡くなっています。平成17年は、 データのある昭和54年以降で最多の1,220人にも上り、平成18年中もそれに次ぐ1,187人の死者数を記録しました。

 

火災による死者数の推移(放火自殺者などを除く)

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資料提供:消防庁

 

住宅火災で亡くなった人のうちの6〜7割は「逃げ遅れ」が原因で命を落としています。早く火災の発生を知っていれば、助かった方も多かったのではないかと推測されます。

このような背景を踏まえ、住宅火災による死者数の低減を目的とし、平成16年に消防法が改正され、戸建住宅やアパート、マンションなどに住宅用火災警報器などの設置が義務づけられました。

住宅用火災警報器などとは、住宅火災による煙または熱をいち早く感知し、火災の発生を警報音や音声で知らせてくれる警報器や設備です。住宅用火災警報器などの設置により、万が一火災が発生した場合でも、素早く避難ができるようになります。

新築住宅については、既に平成18年6月1日から住宅用火災警報器などの設置が義務化されています。既存住宅については、各市町村条例により、平成23年6月までの間で設置義務化の期日が決められます。設置および維持の基準は、各市町村条例で定められています。

 

住宅火災による死者数を減らす住宅用火災警報器

住宅火災は、就寝時間と夕食の準備時間に発生する割合が多いのが特徴です。特に就寝中だと火災の発生に気づきにくく、逃げ遅れてしまう可能性が高く なります。また、一般の住宅の天井はあまり高くないため、火災が起きると数分程度で煙が天井まで達してしまい、消火器で消し止めたり、避難したりすること が難しくなります。

平成18年に発生した住宅火災100件あたりの死者発生率は、住宅用火災警報器が設置されていない住宅火災では7.7人で、住宅用火災警報器が 設置されている住宅火災では2.4人となっており、住宅用火災警報器が設置されることにより、およそ3分の1に減少していることが分かります。

 

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資料提供:消防庁

 

また、アメリカでは、1970年代後半、火災によって約6,000人の死者が発生していましたが、住宅火災警報器の設置が義務化され、その普及率が90% を超えた2002年には、死者数が3,000人とほぼ半減しました。イギリスにおいても同様の結果がみられており、住宅用火災警報器が住宅火災による犠牲 者を減らす有効な役割を果たしていることが分かります。

 

アメリカにおける住宅用火災警報器の普及率と住宅火災による死者数の推移

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資料提供:消防庁

 

寝室には煙式の住宅用火災警報器を取り付けます

住宅用火災警報器は大きく分けて、煙を感知して火災の発生を警報音または音声で知らせる「煙式」と、熱を感知して火災の発生を警報音または音声で知 らせる「熱式」の2種類があります。煙や熱のほかにも、ガス漏れなども感知する「複合型警報器」もあります。耳の不自由な方は、光を発する機器などを取り 付けることにより、音以外の方法で火災を知ることも可能です。

それぞれ、壁にかけるタイプと天井に設置するタイプがあります。電源には、電池タイプと家庭用電源タイプがあるので、住宅の環境により、適切な住宅用火災警報器を選びましょう。

天井取り付け式火災警報器 壁取り付け式火災警報器

住宅用火災警報器は、消防用設備取扱店やホームセンター、家電量販店、メーカーのウェブサイトなどでも購入できます。販売店など詳しい情報は、最寄りの消防署、消防分署、消防出張所まで問い合わせてください。

 

また、感度やブザーの音量などが省令などの基準に合格したNSマーク(日本消防検定協会の鑑定合格証)付きの住宅用火災警報器を購入の目安にしてください。

 

正しい設置位置で効果が発揮されます

住宅用火災警報器の取り付けは、住宅の関係者(所有者、管理者または占有者)が行います。設置のために特別な資格は必要なく、だれでも取り付けるこ とができます。持ち家の場合はその所有者が、賃貸のアパートやマンションなどの場合は、オーナーと借受人が相談して設置しましょう。

住宅用火災警報器は、住宅火災の現状、住宅用火災警報器の設置効果などから、ふだん就寝に使う部屋(寝室)に設置することになっています。就寝に使用され る子ども部屋も含まれます。就寝に使用する部屋が2階以上にある場合には、その階の階段にも設置しなければなりません。なお、市町村の火災予防条例によっ ては、上記以外の場所に設置が義務づけられている場合もあります。

 

住宅用火災警報器の設置場所

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火災の煙は上に昇って天井に広がります。壁際には空気がたまって煙は届きません。煙が地面に下りてくるまでには、時間がかかります。このような煙の性質を理解し、正しい位置に住宅用火災報知器を設置することが大切です。

以下のイラストを参考にして、取り付け位置を決めてください。

 

●通常の壁面からの取り付け位置

天井に設置する場合は、住宅用火災警報器の中心を壁から60センチメートル以上離します。


●梁などがある場合の取り付け位置

天井に60センチメートル以上の梁(はり)がある場合には、住宅用火災警報器の中心を梁から60センチメートル以上離して取り付けます。


●エアコンなどの噴出口付近の取り付け位置

換気扇やエアコンなどの吹き出し口付近に設置する場合には、吹き出し口から1.5メートル以上離します。


●壁面の場合の取り付け位置

壁面に設置する場合は、天井から15〜50センチメートル以内に火災警報器の中心がくるように取り付けます。


 

住宅用火災警報器の設置場所・設置位置について、詳しくは最寄りの消防署にお問い合わせください。

 

悪質な訪問販売に注意しましょう

住宅用火災警報器などの設置が義務化されることを契機に、訪問販売による不適正な販売が増加しています。消防職員、市町村職員などを装い、「法律で 決まったから、設置しないといけない」などと、個人宅を訪問し、法外な値段で住宅用火災警報器を設置するといった手口が多いようです。

消防署や自治体の職員が個人宅を訪問し、住宅用火災警報器のあっせんや販売を行うことはありません。また、特定の業者に販売を委託することもありません。これらの悪質な業者には注意してください。

なお、訪問販売によって住宅用火災警報器を購入した場合は、クーリング・オフ制度の対象になり、契約日を含む8日間以内は契約の解除ができます。

 


 

住宅用火災警報器を設置することで、万が一、火災が起きても、早期発見と避難が可能になります。あなたや家族の命を守る住宅用火災警報器を早めに設置しましょう。

 

共同購入がおすすめです

同一の製品を一括で大量に購入する場合、個人で購入するよりも製品の単価が安くなることがあります。町内会や自治体単位などでの共同購入がおすすめです。またお近くの消防署では、共同購入に関するアドバイスを行っています。

 

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