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【社会】

GPSは“見た” 外で遊ばない子ども…64%

2008年1月27日 07時52分

 衛星利用測位システム(GPS)を使って滋賀県長浜市内の小学生約460人の放課後の行動を調べたところ、6割が屋内で過ごしていたことが分かった。GPSの携帯端末を子どもに持たせて全行動を追った全国的にも珍しい調査法で、外で遊ばない子が増えているとの傾向を裏付ける結果となった。

 京都大大学院工学研究科のチームが、都市計画の研究の一環として、長浜市内で保護者の同意のあった児童を対象に調べた。昨年5月から2カ月間、児童1人につき1日の放課後の行動を追跡。衛星から3秒おきに位置を記録できるGPSの携帯端末を下校時に手渡し、翌朝に回収した。

 その結果、公園や路地、家の庭など屋外で遊んでいた児童は36%だった。

 一方、屋内は64%で、友人宅のほか、商店や塾に滞在していた。

 徒歩の移動距離は平均で1日3キロ未満。帰宅時間は午後5時から7時で、市街地に近い小学校では午後10時以降になるケースもあった。

 同時に実施したアンケートによると、遊び仲間は2、3人程度。高学年になるにつれ、ゲーム機で遊ぶ比率が増えた。

 調査にあたった宗本順三教授(建築学)は「晴天が続いたのに、外で遊ぶ子が少なくて驚いた。都市計画は、子ども中心に考えるべきで、今後、研究手法を確立し、いろいろな場所で長期的な調査をしたい」と話した。

(中日新聞)

 

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