今日（実は、これを書いているのは実際の翌々日だったりしますが）、
台湾人にして日本人以上の"日本人"、金美齢さんの講演会があり、
大阪まで出張してきました。
やはり有名な方という事もあって、300人程度収容の会場が、ほぼ
満席状態となりました。
それでは、例によって金さんの講演内容を箇条書きにてご紹介します。
・私は"人寄せパンダ"です。但し、誰もが人寄せパンダになれるという
わけではありません。いかに『話を聞きたい』と思わせる事が出来るか、
そこに"人寄せパンダ"になれるか否かがかかっているのです。
・どんなに辛い迫害を受けても、決してアイデンティティを曲げない。それこそが
"人としての品格"です。
・アイデンティティを維持するための関門が３つあります。�／余隲�遺産相続
�Ａ魑� がそれです。
筆者注：まず�，凌余陲任垢�、金さんを初め、国民党によってブラックリストに載せられた人たちは、祖国・台湾に戻る事すら
叶いませんでした。当然、親が危篤でも戻る事は許されませんでした。その、子としての心情を捻じ伏せられるかが
第一の関門なのだそうです。
�△琉篁坐蠡海任垢�、これも当然ながら相続権を放棄する事になります。金さんの話ではないのですが、例えば
生まれ育った思い入れのある家を勝手に処分されたとしても、それを防ぐどころか抗議すら出来ないのです。
最後の��ですが、当時、金さんが所属していた在日台湾独立派リーダーだった人の御母堂は、亡くなっても葬儀を
出すどころか亡骸を葬る事すら許されなかった（＝放ったらかしにする）そうです。支那文化圏においては、自分たちに
敵対する存在に対しては死後も決して許しません。こうした非人道的な行為が、戒厳令下の台湾においては平然と
行われていました。
・あるツテから、自分がブラックリストのクラスＢである事を知り、焦りました。
「なぜ、クラスＡではないのだろう」と（聴衆、笑）。これでは私のメンツが
立たない、と思いました（更笑）。
筆者注：メンツを重んじる辺り、台湾人らしいとも思いましたが、戦前の日本人も名誉やメンツを重んじてました。
果たして金さんが持つ「メンツ」は、どちらに由来するのでしょうか…。
・今の台湾人は、民主主義という温床の中で育っているため、私たちの世代より
小粒になってしまっています。（民主主義を"与えられた"）日本は、もっと酷い
状態になってしまっています。
・（昨今の「大連立」について）野党は、与党に反対する事に存在意義があります。
そうでなかったら野党の意味がありません。しかし、国防や外交においては
ベクトルが同一でなければなりません。それが出来て、初めて二大政党制が
成立するのです。
・「生活が第一」。それはそうでしょう。しかし、「国なくして生活はない」のです。
国がなくなってしまえば、どんな保障も消えてしまうのです。
いつぞやの講演の時、こんな質問がありました。「大戦で負けた時、満州や
朝鮮にいた人たちに対して国が何をしてくれたか？だから国なんてアテに
ならないんだ」。当たり前です。戦争に負けるとは、そういう事です。国としての
力を失うのですから。
筆者注：金さんは明言しませんでしたが、「国が何をしてくれるかではなく、国に何を出来るかを考えろ」と
言いたかったのかもしれません。
・日本人は日本国そのものであり、日本国は日本人そのものなのです。
それを自覚し、かつ明言できる日本人が、果たしてどれだけいるでしょうか…。
・朝まで生テレビで小沢代表を認知症云々と批判した時、「党の代表に対して
失礼きわまる」と批判を頂いた事があります。私自身も気づかなかったの
ですが、よくよく放送を見返してみると、確かに言っていました。しかし、私は
こう反論したのです。「私はテレビという公の場で小沢代表を批判した。それに
対して本人が反論するなら分かる。しかし、第三者からあれこれ言われる
筋合いはない。もちろん、小沢代表本人が反論するのであれば、いつでも
受けて立ちます」。
筆者注：この時に、金さんは「ほら、ここは拍手するところでしょ」などとジョークを飛ばすものだから、笑いと同時に大拍手が
起きましたが、筆者はどちらも出来ませんでした。
そのデターミネーション（断固たる決意）に感激を受け過ぎて、手も口も動かせなかったのです。
・10数年前、佐賀大学農学部で講演した時、「中国人は、基本的に日本人が
嫌いだ」と言ったところ、学生から「そんな事はない。私の（中国人の）友人は、
とても親日的だ」と言うものだから、その時は「いずれ貴方にも分かる時が
来ますよ」とだけ答えておきました。
それから数日後、当時ＮＹタイムス・日本支局長だったニコラス氏が、このような
記事を書いていました。「中国人は日本人を嫌っている。問題は、それを
日本人が知らない事である」。
筆者注：多分、掲載したのは朝日新聞です。
・日本会議創立10周年記念式典に出席した時の事でした。こういう場ですから、
普通なら祝辞を述べるものなのでしょうが、私は「なぜ安倍政権を守る事が
出来なかったのか」と強く批判し、反省を求めました。本来、言うべき場では
ないのでしょうけど（笑）。
・かつての村山総理は、Ｇ７においてディナーに出席させてもらえませんでした
（建前上は腹痛により欠席という事でしたが）。
こういう場でのディナーというのは仕事（＝政治）から完全に離れて談笑する
場ですから、例えば国の文化や個人のトークセンス、もちろん語学力も強く
問われるわけです。それに出なかったという事は…。
・慶應義塾大学の某サークル（筆者注：ゼミだったかも）が李登輝前総統を
招こうとした時、「中国との研究が、うまくいかなくなるから…」と教授たちが
強く反対し、最終的には福田官房長官（当時）が潰してしまいました。私は
怒りのあまり安倍副官房長官（当時）に「小泉さんに直訴するから、
取り次いで」と頼みましたが、さすがに「総理は多忙なので…」という回答。
止む無く断念しました…。
筆者注：この話を聞いた時が、最も怒りを覚えました。勿論、教授連中に対してです。単に支那のご機嫌伺いをしたという
だけではありません。慶應義塾大学に唯一存在する"先生"、福沢諭吉翁は世に言う「脱亜論」を展開し、支那・朝鮮と
手を切るよう宣いました。その"先生"の教えを守らずして、何が慶応義塾大学教授でしょうか！
金さんご本人は、思ったより背が低く且つ穏やかな方で、好々爺ならぬ
好々婆という印象を受けました。
また、当然の事ではありますが祖国・台湾を強く愛しておられ、中でも日本人が
来台する事を心から喜んでいらっしゃいました。
「台湾に行った事のある人」との問いに、ほぼ全員が挙手をすると、それは
心から嬉しそうに「ありがとうございます」と仰っていましたし、また金さん曰く
「台湾に行った事のある８〜９割の人は、台湾を好きになって戻ってくる」との
事ですが、けだし名言です。台湾に行って台湾に惚れなかったら、
（少なくとも日本）人じゃありませんぜ（爆）。
また、懇親会において金さんに挨拶させて頂いた折には、お茶屋の陳（日本名：
竹田）さんに良くしてもらった事、台湾総統府ガイドの林さんにいろいろな事を
教わり、かつ「日本人は日本の事を知らなさ過ぎる」とお叱りを受けた事、
残念ながら台北にしか行けなかったけれど、そのどこを見ても素晴らしかった
事を述べると、まるで自分が親切にしてもらったかのように「ありがとう
ございます」と深々と頭を下げられたのが強く印象に残りました。感謝して
いるのは筆者なのに…。
そして、もう１つ思った事があります。世間では金さんのコメントを辛口と
言いますが、あれのどこが辛口なのでしょう。
金さんのコメントを辛いと感じたとしたら、それは「薬が苦い」とか「注射が
痛い」というレベルに過ぎません。
著書に「台湾は日本の植民地だった」（「日本ほど格差のない国はありません」より）というような、
僅かながら反論したくなるような事は確かにありますが、殆どの考えや発言は
人として真っ当なものばかりです。
金さんは「セクシー」な男性に魅かれる、とよく仰いますが、それならば
金さんご自身は「キュート」な方だ、と筆者は感じました。
一度、金さんの講演会を聞きに行きたいですね…。
どの発言も、「仰る通り」と頷きたくなるものばかりです。
李登輝前総統もそうですが、金さんも日本人以上に日本のことにお詳しい方で、こういう方々が日本にもっと居たらなあと妄想してしまいます…。
＞かつての村山総理は、Ｇ７においてディナーに出席させてもらえませんでした
（建前上は腹痛により欠席という事でしたが）。
村山氏と言えば首相在任中に、親日国であるパラオが独立１周年を迎えた際、各国の元首が祝電を送る中、唯一日本だけが祝電を送らず、パラオ国民が悲嘆したということがあったそうで…。
「村山内閣が誕生した１９９５年の１０月１日、パラオでは独立１周年を 祝う式典がくりひろげられた。
各国の元首から祝電が届き、米国海兵隊のパレードやチャーター機で乗り付けた台湾の歓迎団、アジア諸国の民族ダンス等が式典場のアサヒグランドを埋めつくした。
一年前の独立達成の時、日本の国旗が空に輝く太陽であるのに因んで、パラオは大海原に浮かぶ月、紺碧の海に黄色の月を国旗にする事を決めた。
この日各国の代表が振る色とりどりの国旗の中に日の丸の旗は無かった。
そして全パラオ人が待ち望んだ日本政府からの祝電を読む声は遂に聞くことが出来なかった。
私より何百倍もナカムラ大統領は悲しんだ。私に同伴して式典に出席した江尻真理子氏と私は金持ちになった日本人ではなくパラオのペリリュー島の激戦で戦死した日本兵１万２千名の精霊を代表して日本政府の無礼を大統領に深く陳謝した。
悲しみと、怒りに大統領の指がわずかに震えていた。
二宮尊徳と日本の心はマッカーサーに破壊されたままなのかと思った。」
（サヨクが嫌うサイト、「韓国はなぜ反日か」（http://3.csx.jp/peachy/data/korea/korea3.html）より引用）
彼女は自分の立ち位置をハッキリ示して居られますし、発言にブレがない「日本と台湾がもし戦争になったら」と言う設問に「台湾に付きます」と即座に明言される程です、是ほどの愛国者にして勇敢な女性を私は他に知らないが、こんな女性も戦前日本には、多くいらっしゃったらしい。
我々が覚醒すべきは、真の歴史を知って、伝統の素晴らしさに気付いて行く事で有り、真の日本人足るは如何なる事かと己の生活信条や態度に問うてみたらよいと思います、サヨクだ右翼だと云いますが、所詮、その時々の未熟な考えに基づいた主張を偏破に断定しただけのこと、何の為にもなりません、右翼だろうが左翼だろうが、売国奴もいれば、愛国者もいるのが世の常です、簡単に云えば、自分のためダケでなく、皆のために死ぬ事を含めてどれだけのことが出来るのかが、千年以上仏教文化に浸ってきた我々日本人に与えられた人生の課題の筈です。
其れが理解不能だったが故に、米軍は、日本兵を日本人を心底懼れたのだと思う次第です。
我々日本人が立ち還り、真に護るべきは、この利他愛に溢れた社会である筈です。
もしかするとなのですが、日本が仏教文化から段々と離れていっているような感じがします…。
話はズレるのですが…。
ニヒリズム傾向にあり、占いが好きな僕が言うのも何なのですが、最近、占いやスピリチュアルというものがブームになっていて、精神世界や霊的な世界がスポットライトを浴びているようです。
しかし、占いやスピリチュアルに基づく精神世界というものは、利他愛ではなく、自分はどんなことをすれば、どんなモノを身に着ければ助かるのかという、自己愛が下敷きになっていて、一歩間違えれば、一神教的なカルト宗教の温床になってしまいかねない事態になっていると思います。
日本は個人主義的傾向に段々となって来て、利他愛に溢れた社会から遠退きつつあるように思うのですが…。