骨髄移植併用で拒絶反応回避 免疫抑制剤なし、米で成功2008年01月26日17時18分 腎臓移植の手術を受けた患者に、免疫抑制剤なしでも拒絶反応が起きないようにすることに米ハーバード大の研究チームが成功した。骨髄移植を併用する新しい治療法で、24日発行の米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに発表した。 臓器移植を受けると、患者の免疫系が移植臓器を攻撃するのを避けるため、患者は免疫抑制剤を一生飲み続けなければならない。だが、感染症にかかりやすくなるなどの副作用があった。 チームの河合達郎・准教授らは、重い腎臓病の22〜46歳の患者5人に親族から生体腎移植をする際、免疫系で働くリンパ球などになる幹細胞を含んだ骨髄も提供者から採り、同時に移植した。 骨髄移植の併用は、提供者の身体的負担を増やすことになるが、患者5人のうち4人は手術の9〜14カ月後から、免疫抑制剤なしでも拒絶反応が起きなくなり、手術後2〜5年たっても腎機能は良好という。1人は手術から10日で拒絶反応が起こり、再移植を受けた。 通常の骨髄移植と違い、患者の骨髄を放射線などで殺さずに提供者の骨髄を移植した。一時的に患者のリンパ球と提供者のリンパ球が混在した状態ができ、拒絶反応を抑えているらしい。 河合准教授は「同じ手法が肺や心臓の移植に応用できるかどうかをサルで調べている」と話す。 PR情報この記事の関連情報サイエンス
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