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明大応援団リーダー部が解散…いじめ自殺問題も反省なし

 明治大応援団リーダー部に所属していた理工学部3年の男子学生(当時21歳)が部内で暴力行為などを受け、昨年7月に自殺した問題で、同大は25日、リーダー部の廃部解散処分を決めたと発表した。問題発覚後、同大が設置した調査委員会の調べに、関与した上級生が「従来と同じ指導をしてなぜ悪いのか」などと言及。大学側は将来的に部として自主的な改善が見込めないと判断、廃部を決めた。関与した学生の処分は今後、検討する。

 創部86年。大正時代から幾多の名勝負を見守ってきた応援団の歴史に大きな汚点を残した。リーダー部は昨年9月から無期限活動停止処分となっていたが、極めて厳しい判断を突き付けられた。

 明大が公表した調査委員会の報告書で「現在のリーダー部は、4年生リーダー部員が絶大な指揮命令権を持つ閉鎖的で非民主的な組織である」と同部の体質を指摘。「自力での改善の余地が認められないと判断しました」と廃部解散処分の理由を書きつづった。

 明大の調査に対し、関与した上級生は「今までやってきたことがなぜ悪いのか」と述べるなど反省の色が希薄だという。報告書によると、自殺した学生が2年生当時、部の経理作業をめぐり当時の4年生に電話で相談したが、この行動が学年を越えたコミュニケーションを禁じる部内の規則に触れたとして上級生から数十分にわたり叱責(しっせき)されるなど閉鎖性が指摘されている。

 記者会見した納谷広美学長(68)は「命が失われるという大変な事態を招き心から陳謝します」と話した。明大によると、自殺した男子学生は06年9月上旬、上級生から「いじり」と称して下半身を裸にされ、ビデオに撮られた。拳で殴る「鉄拳制裁」が慣行的にあった。厳しい上下関係の中で同様の被害に遭った学生が複数おり、熱湯をかけたり雑草を食べさせたりする「しごき」も行われたという。

 男子学生は昨年1月に退部し、この前後に2度自殺未遂を図った。心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断され、昨年4月から休学したが、茨城県内の実家で首つり自殺した。大学側は「応援団の活動が自殺と結びついた」として監督責任を認め、遺族に謝罪した。

 明大は、外部からの情報提供に基づき、学生への暴力行為を撮影したビデオの存在を確認しているが、ビデオを所持しているとみられるリーダー部関係者から提出を拒まれているという。関与した学生には、退学を含めた厳正な処分を検討している。

 リーダー部は廃部となったが、今後は応援団内のチアリーダー部と吹奏楽部で活動を続ける。

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(2008年1月26日06時01分  スポーツ報知)

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