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和田中の有料特別授業



 民間企業出身の藤原和博校長が「私立中に行かずに済む受験サポートを」と発案。同中では大学生らが指導する全生徒対象の土曜補習(年5000円)をしているが、これとは別に成績上位者を対象に塾講師が中学2年の1月から1年間教える。月謝は塾に通った場合の半額程度。都教育委員会は参加方法や費用負担、特定の塾との連携などに関し疑問点を指摘。杉並区教委が1月23日、家庭の状況により月謝の軽減措置を取ることや授業費も実費相当で塾への営利性はないと回答。都教委は24日「学力向上という公共の利益のためで不適切ではない」と了承した。

塾講師、公立中で有料授業 “校内私塾”が開講 東京・杉並区

2008年1月26日掲載)

 学力向上と受験対策を目的に2万円前後の月謝を取り、進学塾講師が学校内で教えることから論議を呼んだ有料特別授業が26日、東京都の杉並区立和田中学校(藤原和博校長)で始まった。公立中学が私塾とタイアップする全国でも異例の取り組み。1年間開講する“学校内私塾”の効果や行方が注目を集めそうだ。

 この日は、学力把握の事前テストを受け、入塾した2年生13人のうち11人(女子10人、男子1人)が、午前9時すぎから英語の授業を受講。プリント問題や伝統行事「節分」をテーマにした英作文に取り組んだ。生徒は「家から近く、みんなと一緒だと勉強もはかどる」「難しいけど指導は丁寧」などと話した。

 参加生徒の保護者を代表して運営に携わる金子純代さん(43)は「塾を嫌がっていた息子が『学校ならいい』と意欲を見せた。地域の愛情が詰まった塾で経済的にも負担が軽いのがいい」。準備に当たってきた元PTAの高木弘子さん(60)は「参加できる子とできない子との間であつれきがあるかもしれないけれど、デリケートな部分をカバーしていきたい」と述べた。

 特別授業は、同中の保護者らでつくる「地域本部」が主催し、都内の進学塾と協力して開いた。平日夜間に数学と国語を学ぶ週3日コース(月1万8000円)と土曜午前の英語を加えたコース(同2万4000円)に2年生約130人のうち19人が参加する。

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 ●「生徒を分断する行為」 「可能性広げる第一歩」 賛否両論

 東京都教育委員会から一時“待った”が掛かるなどの曲折を経て26日、開講した東京都杉並区立和田中学校の有料特別授業。公立学校と進学塾の新たな連携に「生徒を分断する」「公立校の可能性を広げる第一歩」と識者らの意見も分かれている。

 国際基督教大の藤田英典教授(教育社会学)は「一部の“できる”生徒を対象にするのは、参加できなかった生徒や保護者に不満を残し、彼らを分断する行為だ」と指摘。「教職員や保護者に批判があるのに、校長が独断で決めた。校長の裁量権の暴走だ」と憤り、「結局は塾の出張授業。私企業の営利活動に公立校が加担した」と強い反対姿勢を示した。

 一方、塾講師を公立中学校に派遣した経験がある教育コンサルタントの森上展安さんは「公立校は制約が多い」と現状を批判した上で「(地域の)実情に合わせて民間を活用するのは面白い。公立校の可能性を広げる第一歩だ」と評価。

 運営主体の「地域本部」に対しては、今回の受験対策だけでなく、科学への興味を持たせる特殊実験や、学習障害のある子どもへの対応などを例示して「能力差や格差を縮める方向で、教育ニーズに合わせた活動を広げてほしい」と期待した。

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